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第18話 悪魔と茸とハニービー

 夕飯の前に、魔道具から目玉にプレゼントを送っておいたよ。

 喜んでもらえたら嬉しいな、パラライズとパニック。

 

 さて、無事にピューレ親子も再会できたし、みんなで美味しいご飯を食べよう!


 『頂きまーす!』

 「シープキャトルも美味いな。」

 

 今晩のおかずは、シープキャトルのローストビーフ、ステーキ、ハンバーグ、テールスープ、バレイショの粉ふき芋とレポーロのサラダ、オーク肉の肉野菜炒め、ロックリザードの唐揚げと肉多め過ぎて、胃がもたれそうなメニューだ。

 主食は、ご飯とパンがある。

 孤児院と俺達と官吏と使用人で、50人くらいいる。ローストビーフは、みんな食べた事が無いので、赤みを帯びた肉に、おっかなびっくりしながら食べている。

 アーリアがピタパンに、ローストビーフと野菜を挟んで食べているのをみて、子供達も真似して食べてたりして、楽しんでいる様だ。

 その辺にホースラディッシュも生えてるから、辛みとして使っているよ。

 おい、ウルファ!肉ばっかり食ってないで、野菜も食べろ!


 「ああ?野菜?んなもん食ってられっかよ」

 『お前、戻ってきた時に痩せて無かったら、岩山でロックリザード50匹休み無しで狩らせるからな。』

 「50匹・・・無理だろ・・・」

 『ルースでも瞬殺できるんだぞ?』

 「ルースでもって何ですか?、俺そんなに弱い印象なんですか?」

 『メビウスとどっこいどっこいだろ?』

 「メビウスよりは強いですよ?、あいつとは、よく模擬戦してますから。」

 『勝敗は?』

 「50勝39敗です。」


 『それを、どっこいどっこいっていうんだよ!』

 「11勝勝ってるじゃないですか!?39敗は最初の頃の負けですよ!今は負けませんよ!」


 『お前明日からギレバアンに戻るまで先鋒な。真っ先に突っ込め。』

 「ええ?マジか・・・。でも姐さん達、あんまりボケないからツッコミ難しいんですよ。」

 『その突っ込めじゃねぇよ!戦闘になったら真っ先に行けって事だよ!』

 「あぁ、そっちのですか。いいですよ?がんばります!」


 ルースのボケも、最近はキレが良くなって来たな。


 「待て待て、俺の話だったろ?ロックリザード50匹を、ホントにできるのか?こいつが?」

 「余裕ですよ?」

 「・・・お前、兵士なんか辞めて、冒険者になんねぇか?、その実力がありゃぁ、一級なんてあっという間だぜ?」

 「その選択肢もありっちゃありなんですが、このパーティーを抜けられますか?」

 「・・・無理、だな。」

 『何で無理なんだ?』

 「「美味い飯が食えるからです。」」


 『使用人さん達、どんどん料理広めていってね、あんな豚犬が増えてもいいから。』

 「ぶっ、豚犬ぅー?こんのちび助が、俺の実力を見せてやるよ!表出ろや!!」

 『軽く揉んでやるよ、泣くなよ?』

 「吠え面かかせてやるぜ。」


 ウルファを煽ったら、喧嘩を吹っかけて来やがった。

 仕方ない、ちょっと揉んでやるか。


 「ちょっと、待って下さい!、そんなに小さな子相手に、何を本気になっているんですか?」


 新官吏が止めようとしてくるが、誰も止めようとしない。


 「大丈夫ですよ、あの子が強いですから。」

 「そうそう、ダイジョブダイジョブ。むしろウルファの方がヤバいんじゃない?」

 「ええええぇぇ!?」

 『みるみるぅー。』


 アーリアもカレンも心配してないので、官吏が驚いてる。

 ルベウスは完全に観戦モードだな。

 審判役はルースがやるらしい。


 「武器どうするんですか?」

 『フル装備じゃないとウルファが死ぬだろ?』

 「それもそうですね、じゃ。」


 ルースが開始を宣言しようとすると、ウルファが遮ってきた。


 「おいおい、俺が負ける前提かよ!」

 「「「そうだけど?」」」


 アーリア、カレン、ルースが声を揃えて答えた。


 「ごちゃごちゃ煩いので、開始!」

 「うぉりゃ!」


 ウルファが大振りの一撃を出してきた。俺はワンステップでスレスレで避けると、ウルファの鳩尾目掛けてジャンプ!


 「はっ!」


 ジャンプを読んでいたかの様に、ウルファが避けた。

 が、遅い。

 俺から見て右に避けたウルファの胸を蹴り、右手首を足場にして、三角飛びで右頬にビンタ!


 スパーン!


 ウルファの顔が左を向き、左手でオレをけん制しようとして来るが、左手を足場にしてジャンプ!、ウルファの左頬にビンタ!


 スパーン


 再びいい音が鳴り響いた。

 右を向くウルファの左肩に着地し、そのまま地面に降りて、ジャンプ!鳩尾にキックがクリーンヒットして、反動を利用して後ろに飛び、着地。


 ウルファは地面に蹲り、唸っている。


 『爪を使っていたら、今頃細切れになってるな。』

 「ビンタ痛そうでした・・・。」

 「アルティスつよーい。」

 『まだ復活しないか。そもそもその防具おかしくないか?、守ってるのが肩と肺とかさぁ、心臓は鳩尾の奥にあるんだぞ?、体の左側とか言っても、鳩尾を右下から左上にナイフでも刺し込まれたら、心臓に達するんじゃないのか?』

 『身体能力に頼り過ぎだな。だが、豚になれば、その身体能力もゴミになる。たったの数か月、実戦から遠ざかっただけで、反応速度と洞察力がボロボロとか、お前ホントに何してたんだ?』

 「くそっ!、俺自身も今実感したよ。以前はもっとやれてた筈だと思ってたが、今のスピードは角ウサギ程度だったな。そんなのにも勝てなくなってるなんて、鈍り過ぎたな。」

 『判ってんじゃん。』

 「明日から鍛えなおしだ。」

 『よし!俺は手伝えないぞ!』

 「え?手伝ってくんねぇの?」

 『モコスタビアに用事があるんだよ。』

 「そんなのほっぽっときゃいいだろ?」

 『良く無いんだよ、じゃぁ、誰かを残して行ってやるよ。』

 「お、いいねぇ、誰が残るんだ?」

 『ル「嫌です。絶対に嫌です。」』

 『何でだよ?』

 「絶対この人怠けるじゃないですか、このブヨブヨの腹が証拠ですよ。」

 「ぐぬぬ、判ったよ、一人でやるよ。」

 『じゃぁ、それで。』


 あ、そうだ、忘れてた。


 『コルスー』

 「何か嫌な予感。」

 『何でだよ。』

 「そういう呼び方する時っていつも、面倒くさい仕事を押し付けられる時ですから。」

 『そんな事無いだろ?』

 「そんな事ありますよ?」

 『面倒じゃないよ、ちょっと冒険者ギルドに行って、サブマスを処刑するなって、言ってもらうだけだよ。』

 「ホントですか?、それだけですか?」

 『それだけだよ。』

 「いつ行きます?」

 『今から。』

 「はいはい、判りましたーって、もしかして、ギルマスもグルだと思ってます?」

 『可能性は高いと思ってるよ。』

 「理由は何です?」

 『サブマスターって、ギルドマスターのサポート役だろ?、そんな奴が隠し通せるものかってね。』

 「確かにありえますね・・・。」

 『もし、そうだったとしたら、ギルマスはきっと、サブマスをさっさと処分したい筈。』


 チラッ


 「あ、すぐ行ってきますね?ギルマスに伝えてきますー。」


 行っちゃったよ。

 まぁ、いっか。

 これでギルマスはサブマスの処分ができなくなったって事だからな。

 もし、殺したなんて事になれば、ギルマスの罪を問わなくてはならなくなるからな。

 行きつく先は同じだな。


 「アルティスー?」

 『はーい、今行くよー』


 なんか呼ばれたよ。何だろ?


 「アルティス、ウルファの事なんだが、連れて行くか?」

 『要らないよ。あんな豚犬、角ウサギのスピードについて行けないなんて、弱すぎる。』

 「そうか。官吏殿が連れていくのかどうか、気にされていてな。」

 

 官吏の表情を見る限り、ウルファに居て欲しい感じだが・・・


 『希望はどっちなの?』

 「連れて行って欲しいそうだ。」

 『それ、ヤバいかも。こいつもグルの可能性が出てきた。』

 「そうか、そうだよな、うん。」

 「あ、アルティスさんは何と?」

 「連れては行けないそうだ。」

 「そう、ですか。」

 「残念そうだな?」

 「そりゃぁ、あんな優秀な人が、こんな所で燻ってるなんて、勿体ないですよ。」

 「ふむ、さっきの試合では、それ程の腕には見えなかったがな?」

 「そんな事無いですよ?彼は一級冒険者なんですから!」

 「しかし、出て行っては、子供たちの護衛は、誰がやるんだ?代わりになる奴はいるのか?」

 「ええ、冒険者ギルドから派遣してもらえると、ギルドマスターが言ってました。」

 『益々無理だな。』


 じわじわと繋がってきた感じがする。

 やはり、ギルマスは最初から噛んでいたと、考えるのが自然だろう。

 そして、官吏だが、こいつの関与についてはまだ判らないな。

 単に脅されているだけか、がっつり関与しているか。

 または、精神干渉で誘導されているだけかもしれない。


 この街に、悪魔が獣人に化けて潜り込んでいた。

 その事実から、何らかの依頼を通じて知り合い、そして恭順したのか、脅されたのか。

 地下牢に悪魔がいる状況で、楽観視はできないか。

 建物を通じて、精神干渉を受けている可能性も捨てきれないな。

 やはり、さっさと消滅させるべきだな。


 『あるじ、地下牢の悪魔を消滅させよう。』

 『やはり、精神干渉を受けている可能性もある?』

 『うん、ウルファの話では、官吏は孤児院を良くしようと、努力をしていた筈だから、ウルファを外に出そうとするのは、不自然と考えるべきだね。』

 『とりあえず、地下牢に行ってみよう。』


 アーリアと共に地下牢に行ってみると、悪魔の足元には魔法陣が出ていて、何らかの魔法を行使していると思われた。


 『[ディスペル]』

 パリンッ

 「な!?、馬鹿な!?人間が我々の魔法を妨害できるなどありえん!!」

 「アラクネと共に行動できる時点で、貴様ら悪魔が、勝てないと思わないのか?」

 「ふんっ、どうやってアラクネを引き込んだのかは知らぬが、アラクネの力に頼っているだけではないか。」

 「アラクネは、お前ら悪魔よりもMAGが高いのか?」

 「知らん、実際に見たのは今日が初めてだからな。」

 『アルティスー、何かさっき何かが割れる音がしたんだけど、知らない?』


 ソフティーから念話が届いた。ソフティー自身も精神干渉を受けていたらしい。

 アミュレットは着けているが、精神異常の範疇に入っていなければ、効果が無いって事か。

 だが、こいつのMAGは300に達してない筈だが。


 『地下牢の悪魔が、精神干渉魔術を行使していたんだよ。それが解除された時の音だね』

 『悪魔!、ゆるさない・・・、そっちに行く!』

 「貴様は、アラクネを怒らせた様だな。」

 「なにっ!何故だ!?、この俺が何をしたというのだ!?」

 「貴様の精神干渉で、嫌な思いをしたんだろうよ、馬鹿な事をしたものだ。」

 『アルティス、こいつ殺していい?』

 『まだ駄目、脅して吐かせないと。』

 『じゃ、脅すね。』

 「悪魔よ、上を見てみろ。」

 「上だと?ぬぉ!?」


 自分の真上にいつの間にかアラクネがいる事に気が付き、カタカタと震え出した。


 ソフティーの顔は、かなり怒った顔をしており、マンティスの集落の事もあり、怒り心頭の様だ。


 『ソフティー、何があったの?』

 『アルティスの事を嫌いになりそうだった。アーリアの事を殺させようとした。ウルファの事を食えと言って来た。アルティスごめん。』

 『いやいや、ソフティーが悪い訳じゃないよ、この悪魔が悪いんだよ。俺こそソフティーに、抵抗できるアミュレット渡してなくてごめんね。』

 『やっぱり、この悪魔殺す!』


 ソフティーから濃密な殺気が溢れだした。

 隣の牢には、大司教がいたが、殺気を感じて白目を剝いてしまった。

 悪魔も顔色が青くなってきている。


 「悪魔よ、貴様のやって来た事全てを吐け、さすればこの殺気を押さえる様アラクネに頼んでもいいぞ?」

 「わわわわわわわ、かったたたたた。はなはなす」

 『ソフティー一旦抑えて』


 ソフティーからの殺気が薄れた。


 「まずは、獣人を集めて何をしようとしていた?」

 「ミ、ミスリルの採掘をやらせる為だ。」

 「鉱山はまだ作る前だが?」

 「それは人間の話だ、我々には関係ない。勝手に採掘を始めればいいだけだ。」

 「既に掘り始めているのか?」

 「まだだ、掘る為の道具が揃っていない。」

 「誰が本当の主だ?」

 「ふんっ、お前らが殺したニヌルタ様が俺の主だと言ったはずだが?」

 「嘘をつけ、主が死んだのに、判らない訳無いだろう?」

 「嘘ではない。本当の話だ。」

 「では、魂のつながりが、初めから無かったという訳だな?」

 「まさか、そんな訳・・・あ、ある訳・・・」


 「思い当たる節があるのだな?」

 『鑑定では分からないが、あの胸のアミュレットが怪しいな、鑑定阻害をされている感じがする。そういえば、MAG値が低い割にMPが異様に多かった。』

 「その胸のアミュレットは何の効果があるんだ?」

 「!?こんな物は着けた覚えが無い。」

 『あのアミュレットの魔力、目玉の魔力だな』

 「ダッドアイ」


 悪魔の肩が跳ねた。ビンゴだな。


 「今外してやろう。」


 アーリアが触れた瞬間に、何かが発動したが、ディスペルをするまでも無く、魔力が霧散した。

 外した瞬間、悪魔が笑い始めた。


 「ワハハハハハハハ、俺の主は、魔王だったのか!、魔王が主なら俺は無敵じゃないか?貴様ら人間如きが、俺様の魔力値に敵う訳がないだろ!」

 「では、お得意の精神魔法で操れるか試してみるがいい。」

 「たやすいことよ!・・・・・・っ!!」

 「まだか?」

 「そんな筈は・・・!?」

 「魔王も魔族も悪魔も、大した事無いんだな。」


 「ふ、ふざけるな!、我ら悪魔が人間如きに負ける訳にはいかんのだ!死ね!」

 「中々来ないもんだな?、いつ頃届くんだ?明日か?来月か?」

 「そ、そんなばかな・・・そんな筈は・・・」

 『ホーリーフィールド』


 「ぐっ、な、んだ、こ、れ、はっ」

 『お前の魂が魔界に逃げられない様に囲んだんだよ。』

 『ソフティーお待たせ』

 『殺していい?』

 『いいよ、好きな様ににやっちゃって。』


 瞬時に糸が放出され、大きな繭玉ができあがった。鑑定してみると、糸に聖属性が付与されており、糸を収縮させる事で、外側からじわじわと浸食していき、最後はコアを潰されて死ぬそうだ。

 魂自体は、繭玉の中に残り続けるが、最強最硬の聖属性の糸に包まれて、魔界にも戻れず、ずっと封印される事になる。

 あとで、この繭玉を使って、仰々しく封印の社でも建ててやろうかな?苦労して封印を解いても、出てくるのが下級悪魔という罠だ。

 とりあえず、ゴルフボールサイズになったので、ディメンションホールに入れておこう。


 『さて、作業も終わったし、寝よう!』

 「そうだね。」


 翌朝、官吏が昨晩に変な事をお願いしてしまったと、謝罪してきた。

 やはり、精神干渉でおかしな感情になっていたらしく、心にも無い事を言ってしまったようだった。

 使用人達も、昨晩は変なテンションだった為か、パンを焼き過ぎてしまい、腐る前に食べきるのが難しい為、俺達に食べて欲しいと持って来た。

 小麦粉60kg分のパンだそうだ。孤児院では二日分のパンとなるが、それ以外にもパンが残っており、食べきれない分を渡してきた様だ。

 有難く受け取ったよ。腐らせるのも、勿体ないからね。


 今回の件を踏まえて、アミュレットを渡していないメンバーには、新たに作って渡す事にした。

 ウルファに渡してあるやつは、言語理解と状態異常耐性にしか対応していないから、以前渡した腕輪に、新たに精神干渉耐性、精神異常耐性、言語理解の付与を追加しておいた。

 これで、悪魔でも目玉でも問題無く対処できるようになる筈だ。

 ウルファは、正式に仲間になった訳では無いので、正式装備のアミュレットは渡さないのと、さっき渡したアミュレットは返してもらうよ。

 見えてない所で無双されても困るからね。


 『ソフティーにはこれを、前に渡した奴と交換してね。』

 『わー!アルティスからのプレゼント!うれしい!』


 ソフティーは今、胸を隠す為に服を着ているからね、その中に隠れる様に着けてもらうよ。火属性耐性も、もちろん付けたよ。

 燃えないアラクネの糸とか最強か!


 『ルベウスにはこれ。』

 『アルティスありがとー!わーい!』


 カーバンクルのルベウスには、頭の宝珠を守る形のアミュレットにしたよ。

 あれが割れると死んじゃうらしいから、割れない様に硬い透明のカバーにした。

 宝珠は目の役目もしているらしく、完全に見えなくすると、索敵ができなくなるなどの弊害があるそうで、透明な物を作るのに苦労したよ。


 材料はソフティーの糸。

 糸は初めから糸で出てくるのではなく、体内では液体で存在していて、外に出ると固まるらしい。

 なので、金型を造り、そこに流し込んでもらって、白くなった部分を磨いて綺麗にした。固定は頭全体を覆うネットを作って、髭や眉毛、耳など重要なセンサー部分を邪魔しない様に作った。

 これで頭の防御力も上がるし、宝珠も守れるようにできたね!


 ついでに、先に渡していたメンバーのアミュレットも更新しておこう。

 今までのは、魔石をMPタンクにして、精神異常耐性、魔力感知、念話、言語理解、ビーコンを付与、各属性耐性を付与、MAG値を500付けていたが、精神干渉耐性を追加した。

 一時は、耐性を無効に変えようと思ったが、攻撃を受けている間は、ずっと50ずつ消費していくから、60回の回数制限付きという事になってしまう。

 なので、MPを10000にして、無効ではなく、耐性にした。

 MPタンクとMAGはON/OFFできる様にして、魔法の練習や、MAGの鍛錬時にアミュレットを外す必要が無い様にした。

 MAGも止められる様にしたのは、砦で精霊にMAGの事を指摘されたからだ。

 今まではMAGを貸していてもMPが自分のMPであれば、問題無く経験値を得られると思っていたんだけど、他人のMAGが混ざると、低い方のMAGを吸収するか、覆いかぶさる様な感じになる様だ。

 そして、消費するMPが本人のMPでも他人が使った魔法って事になってしまうと・・・、ややこしいけど、そういうシステムになっているのなら、文句言っても仕方が無いので、ON/OFFできる様にしたのだ。


 耐性の方は、術者、つまりアルティスのMAG値の半分で付与されている為、殆どの術者に対して有効なので、とりあえずは、良しとする。

 こっちのMAGは、素のMAGが反映されるみたい。

 MPタンクの容量を増やした理由は、耐性を超えた場合、MPを消費して耐えるからだ。

 殆どあり得ないとは思うが、ゼロ%では無いので、念の為である。

 万が一、MPタンクを解除している時に攻撃を受けた場合は、自動でONになる様にした。


 一方、アルティスのMAG値は、未だに増え続けている。

 アルティスは、常に魔力感知を使用しつつ、錬金術でインゴットを作ったり、アクセサリーを作製したり、既存の魔法の消費MPを削減する方法を考えたりと、常に魔力を消費し続けている。

 少ない時でも、3万を超えるMPを消費している為、魔法の使用によって経験値が溜まっているであろう、MAG値は、どんどん上昇を続けているという訳だ。

 今回は、ウルファの防具を更新して、胸部の防具にワイバーンの革とロックリザードの鱗を使った防具を作った。

 重さは、今までの半分以下で、ワイバーン革のマントとマジックポーチも付けてやった。


 ウルファは、その装備を見て唖然としていたよ。


 「少しは自重した方がいいんじゃねぇか?」

 『命と天秤にかけても、そんな事言えるか?』

 「・・・いや、言えねぇ。」


 「アルティスさん、今のMAG値は、どれくらいですか?」

 『ん?何で?』

 「ちょっと気になりまして。」

 『9800を超えたところだな。』

 「・・・どうやって増やすのか、教えてください。」

 『常に魔法を使えば増えるぞ?』

 「常に・・・アミュレットで使っている魔法ではダメって事ですよね?」

 『当たり前だろ?、コルスの魔力なんて1も使ってないんだから、コルスに経験値が入る訳が無い。』


 「私も何かを使い続ければ、増えますかねぇ。」

 『増えるんじゃないか?俺なんかは、暇さえあれば、使いまくってるからな。ごりごり増えるんだよ。』

 「でも、感知系スキルを使ってますが、全然増えませんよ?」

 『それは、スキルだからだろ?、スキルじゃなくて、魔法の話だよ。王都で練習したろ?魔法制御を。あれをずっとじゃなくても、1日に何度も練習するんだよ。』

 「あー、あれですか。」


 『ペティだって、今一生懸命練習してるから、MAG値は、450超えて来てるぞ?』

 「でもまだ450なんですね。」

 『ペティは、MPが少なかったからな、今までは、アミュレットのMPを使って練習してたから、熟練度は上がるが、経験値が入らなかったみたいだな。』

 「過去形なのはどうしてですか?」

 『MPの量が倍になったからな。今までの倍も練習できるんだから、更に上がるだろ。』

 「つまり、効率よく上げるには、MPを消費すればいいという訳ですね?」

 『そういうこと。』

 「がんばります!」

 『前もそんな事言ってた気がするが。』

 「き、気のせいですよ・・・。」


 装備の更新もしたし、タックアーンをやっと出られる。

 タックアーンを出発して少し行くと、久々の茸の山に到着だよ!さぁ!みんな!モルトファンガスを狩りまくれ!


 『モルトファンガス狩りだー!!』

 「「「「「「おー!」」」」」」」

 『モルトファンガスって何?、美味しいの?』

 「パンが柔らかいのは、モルトファンガスのおかげだ。」

 『がんばるぞー!』


 ソフティーに気合が入った!

 そうだ!狩って狩って狩りまくれ!


 「フライアガリス!来ます!」

 『ソフティー捕まえて。』

 『はいー』


 網に包まれてじたばたしてるフライアガリスを実験台にして、


 『コルス、針で倒せるか試してみて』

 「はーい」


 ブスブスと30回も刺しても生きてる。31回目に石突の辺りを刺すと死んだ。

 フライアガリスは石突を攻撃だな!。

 試してみたい事その2で、アンチドートが利くかどうかだ。


 『アンチドート』

 シュワシュワシュワシュワ


 炭酸飲料みたいな音を出してたが、20秒ほどで消えた。

 毒の色も消えたので、割ってみた。

 切っても特に砕ける事は無いので、軽く茹でて食べてみた。


 『・・・うんまっ!?、なんだ?この、濃厚な味わい、歯ごたえもいい。美味いなこれ。』

 「味見してもいいですか?」

 『食べてみて』

 「ぅんー、美味しい!ジューシー且つ旨味が爆発しますね!これは最高に美味しい!」

 「う、うわぁ!モルトファンガスとホーンマッシュルーム、グリフォラファンガスその他未確認ファンガス多数接近!」

 『捕まえろー!』


 何だ?スタンピード?ファンガスの大群が、押し寄せてきたんだけど。


 『魔力感知が、役に立たないくらい出て来たな。広範囲に効く魔法は、何かいいのは・・・まずは胞子を対処するか。[ウォーターミスト]!』

 「何か動きが鈍ったぞ?今のうちに倒せ!」

 「〆てディメンションホールに放り込みましょう。」

 『そうだな。動きも止まったし、動き出したらウォーターミストで止まるから、それぞれで対応してくれ。』


 ファンガスってさ、濡らすと大人しくなったんだよ。

 だから、大群に向けてウォーターミストで霧雨降らせたら、簡単に殲滅できたよ。

 霧雨の中じゃ胞子を飛ばせなくなって、攻撃手段が無くなって、大人しくなるんだろうね。

 なんでこんなに集まったのかは、判らないけど、大収穫だったよ。

 季節的にも、茸狩りの時期だから、風流だね・・・、無理があるか。


 ディメンションホールに入れると、勝手に分類されるから、種類ごとに分かれた中で、判らないやつの鑑定をしていったよ。

まず、黒い平べったいのが、ロックモス、これは多分岩茸だね。

 岩の表面に張り付いてる黒いゴムみたいな茸だね。

 しかし、これは茸じゃなくて苔だった気が・・・。

 次に、スライムファンガス、これはなめこかな?ヌルヌルしてるんだけど、こんなデカいの調理難しそうだ。

 次がウッドファンガス、これ!欲しかったやつ!。

 木耳(きくらげ)だよ!でも形がきもいんだよね。

 そのまんま人間の耳のデカい奴、というか、福耳だな。

 次は、ハイフォローマファンガス。

 なんだこれ?タモギダケって奴かな?、いや、栗茸かもしれないけど、美味しいんだよね。

 次が、ファットファンガス、形が太ってるからかな?これは多分ポルチーニだな?美味そうだ。

 イタ飯かぁ、作ってないなぁ、というか、チーズが無ぇ。

 次はショーロファンガス。

 これ、松露って事かな?所謂トリュフかも?、食べた事無いんだよ、大蒜みたいとかよく聞くけど、ほんとかなぁ?

 しっかし、まだまだ未鑑定の茸がたくさんある。

 これ全部調べたら、大変だね。薄っすら光ってる奴もあるから、ちゃんと調べないとやばいね。


 『なんで、あんなに沢山、襲ってきたんだろうね?』

 「さぁ?、こんな事初めてだよ。」

 『大漁だったけどね』

 「美味しそうだ。」

 『そろそろお昼だし、きのこ料理でも作ろっか。』

 「よし、開けた場所で休憩しよう!」


 森の端っこに、少し開けた場所を見つけて、馬車を停めた。


 『カレン、きのこの種類を勉強しながら、料理をするんだ。』

 「はい、全部毒無しですか?」

 『毒ありも入ってるよ?、でないと勉強にならないだろ?』

 「そうなんですか?」

 

 日本でも、きのこを食べて死亡する事故が、毎年起こっている様に、きのこの判別は、熟練者でも難しい。

 こちらの世界では、スキルや魔法によって、毒の有無や、毒を除去する事が簡単に行えるが、スキルや魔法を持っていない場合は、やはり毒による事故は、避けられない。

 特に、今は魔王軍と神聖王国によって、侵略を受けている状態の為、普段食べているきのこにも、毒が入っている可能性もある。

 なので、折角だから、毒感知を覚えてもらえないか、試しているのだ。


 『こっち側が毒無し、そっち側が毒あり。判る?違い。よーく観察してみて。』

 「うーん、毒無しはヒダがあるけど、毒ありには無い?。質感も少し違う感じがする。」

 『こっちのヒダ無しは、このスポンジを取り除くとあるんだよ。』

 「あ、ホントだ。こうなると違いが判らない・・・ん?、匂いが違いますね。」

 「ここも違うし、石突も感触が違う。傘の方も模様があるのと、無いので違いが・・・あ!」

 『ん?』

 「スキル取れました!」

 『どんな感じに見える?』

 「毒有の方は、何か輪郭が赤っぽく見えます。」

 『よし、じゃぁ、次は[アンチドート]使ってみようか。』

 「はい!」

 「[アンチドート]」

 シュワシュワ

 『できたね。じゃぁ調理しちゃおうか。』

 「はい!」


 馬車の横で、カノエとヒノエが、羨ましそうに見ていたので、訓練させる事にした。


 『さっきのとは、別の毒キノコの判別だ。よく調べてくれ。』

 「ヒノエは別のきのこなんですか?」

 『スキルは個人の物だからな、二人では駄目だ。取得したいのなら、一人でやれ。』

 「はい。」

 『よーく見て、観察するんだぞ?』


 料理ができるのを待っていた連中も、やってきた。


 「何をやってるんですか?」

 『毒感知スキルの取得だ。』

 「やりたいです!」

 「私もやりたい」

 「俺も、そのスキル欲しいです。」

 「私も欲しい!」


 仕方ない、みんなの分を出して、やらせてみよう。


 『人と相談しては駄目、自分で判別して、違いを見極めなければ、取れないよ。』

 『隣のとは違うきのこを出しているから、隣を見ても無駄だからね。よーく見てね。』

 『ペティ判る?』

 「ここの形と傘の模様と、質感かなぁ、あとは・・・うーん。ここの色の違い?」

 『それは、ただの汚れだね。』

 「違うかぁ・・・」

 『視点を変えたり、匂いを嗅いだり、触ってみたり、叩いてみたり、色々やってみて。』


 この毒感知スキルの取得が、何故全ての毒に対応できるのかは、判らない。

 だが、全ての毒を把握するなんて、そんな事は、日本の科学者にだって無理な話だからな。

 毒を発見する為のプロセスを、学ばせるのが目的なんだろう。

 スキルになれば、そのプロセスを省略できるようになるだけだ。


 このスキルの利点は、無味無臭の毒でも判るところだ。

 人間にとっては、空気すら毒になるけど、毒になる物と毒の物では、違うのだ。

 だから、このスキルの欠点は、()()()()()()()物が判らないところか。


 たとえば、量が増えると毒になるとかね。

 ビタミンAとか、獲りすぎると皮膚に障害が出たりするが、そういう感じの物だね。

 毒を排除する為の魔法[アンチドート]、これにも欠点はある。

 例えば、植物に含まれる、シュウ酸カルシウムは、生で食べれば死ぬことがある程の毒だが、[アンチドート]では、排除できないのだ。

 熱で分解できるのは、一部の毒きのこの毒と同じなのだが、毒として認識されない理由が、よく解からない。

 神のみぞ知るってやつかな。


 「アルティス様ちょっといいですか?」


 カレンに呼ばれた。


 『どうした?』

 「このきのこなんですが、煮ても焼いても、[アンチドート]をかけても、毒が抜けないんです。」

 『ちょっと調べてみよう。[鑑定]』


 名前:ポイズンファンガス

 特徴:体内にあらゆる毒成分を含んでおり、全てが毒で構成されている為、食用にはできない。


 『これは駄目だな。このきのこは、魔王軍のお土産用にでも使おう。』

 「そんな物もあるんですね。」

 『あるぞ?、魔薬になる茸もあるからな。今回の狩りでも、いくつか出て来たし。』

 「そんなの、何に使うんですか?」

 『決まってるじゃん、魔王軍用だよ。』


 食事ができあがる頃には、全員〈毒感知〉を取得した。

 

 この森を抜けると、あのクソみたいな平原なんだよな。MPたっぷり使って解毒してやろうか・・・。補助タンクも沢山あるし、使っておこうか。


 「シーベルト平原?駆け抜けるよ。何も居ないし。」

 「獲物が居ないのでスルーですよね。1時間ほどで抜けられるので、問題無いですよ。」


 アーリアとルースは、獲物が居ないからスルーする気満々だな。

 街道は、以前、[アンチドートピラー]を並べたから、かなり安全になっている。

  

 夕方にナットゥに着いた。相変わらずここの街は臭い。


 水路は所々にゴミが溜まり、どぶ川の様相を呈している。何とかしろよ、町長。

 この街の地下には硬い岩盤があって、地下に処理施設を作れないって話だったっけ?。

 前回、ペティにチラッと話をしていた、川沿いに木を植えて浄化云々言ってたが、水路沿いに木がずらっと並び、その周辺だけ臭いが薄くなっていた。


 「前回聞いた話をお父様に手紙で話したのよ。そしたら、浄化作用のある木を植えるって返信が来てたから、それがこの木って事のようね。」


 この木は、浄化作用があるのは、葉っぱだけで、根っこの方は凄い栄養吸収率を誇り、土地に生えれば、その地を、干からびさせてしまうくらいに、強力なんだそうだ。

 別にモンスターという訳では無く、高さもそれ程伸びず、葉には、デオドラント効果と、悪臭のもとになる、メタンガスや毒などをぐんぐん吸収していくらしい。

 では、その吸収した物はどこに行くのかというと、一年中花を咲かせて蜜を出しまくるそうだ。

 前回宿から見えた空き地には、ハニービーという魔獣が巣を作っていて、せっせと蜜を集めているらしい。

 ハニービー、名前は可愛らしい姿を想像するが、働きバチの大きさが30cm程あり、虐めると、集団で襲ってくる様だ。

 ハチミツは巣に入りきらず、下に垂れてくるので、巣の下に回収施設が作られていて、垂れてくる蜜を集めてるんだと。

 巣は専用の建物を作って守ってるそうだ。


 ここの巣は、まだまだ規模が小さい様で、大きな巣になれば、働きバチが数万いるらしい。

 そんな巣が街の中にあるなんて話は、聞いた事が無いとアーリアもペティも言っていた。

 この浄化の木が増えれば、巣も大きくなるんだろうか。

 とりあえず、街のど真ん中にある以上、蜂が暴走するなんて事態になったら、大変なので、何かしらの対策は必要だと思う。


 『あ、そうだ、カノエ、ヒノエちょっと来て』

 『『はい』』

 『ヒノエには、アミュレット渡してあるから、カノエにも渡しておく。』

 「ありがとうございます!」

 『それでな、この街に悪魔がいないか、探ってくれ。タックアーンにいて、この街に居ないなんて事は無いと思うんでな。』

 「確かに、その通りです。了解しました。ヒノエ、行くよ!」

 「アイアイさー」


 『精神魔法で狂わされない様に、精神防御魔法でも付与しとこっと。』

 『あ、ソフティー、ちょっといい?』

 『どうしたの?』

 『ちょっと、この建物に、精神異常耐性と、精神干渉耐性と、状態異常耐性の魔道具を設置したいんだけどさ、悪魔に悪戯されない様に、篭に入れたいんだよね、作ってくれない?』

 『いいわよ、大きさはどれくらいかしら?』

 『んー40㎝四方くらいかな。』

 『結界にしちゃった方がいいんじゃない?こんな感じかしら、光魔法で結界を作れば、悪魔は近寄れないと思うわよ?』

 『これの持続時間ってどれくらい?』

 『魔力を供給すれば、100年くらいは持つわ。』

 『ほうほう、って事は、ソフティーの糸を使って、網目状の箱を作って、その中に結界と魔道具を設置しておけば、壊されないし触れないって事だね?』

 『そうね、燃やされたら糸は無くなっちゃうけど。』

 『ん?ソフティーの糸は、多分燃えないよ?』

 『何で?』

 『だって、火炎耐性付けたもん、アミュレットに。』

 『ちょっと試してみて?』

 『ほら、燃えないでしょ?』

 『ホントに燃えない!!アルティス凄い!ありがとう!』


 ハニービーの巣のある建物の屋上に、魔道具を設置した。

 結界は、ガラスの温室をイメージしつつ、光属性の魔法とソフティーの糸で作った。

 魔道具には、マナを吸収する機能もついているので、半永久的に稼働できる。


 魔道具を起動すると、一匹の働きバチがやってきて、クイーンからの伝言を伝えてきた。


 『クイーンヨロコンデル、アリガトウイッテル。』

 『お役に立ててうれしいよ。』

 『デモ、アラクネコワイ。』

 『大丈夫だよ、ソフティーは優しいから。君たちの味方だよ。』


 ハニービーの巣に魔道具を設置した頃、街の様子が少し騒がしくなってきた感じがする。


 『コルスー』

 「またですか?」

 『またとはなんだ、またとは。』

 「だって、ほら、ねぇ・・・」

 『教会の鐘を調べてきてくれ。』

 「あー、それですか。何かやってると思いますか?」

 『街の様子が、おかしいんだから、真っ先に調べるのは当然だろ?』

 「じゃぁ、行ってきます。」

 「戻りました。」

 『早いな、おい。』

 「だって、すぐ隣ですから。」

 『で、その子は?』

 「こいつは、師匠の手下ですね。鐘の所で気を失ってました。」

 『[鑑定]』


 名前:コリュス           状態:気絶

 職業:密偵 シーフ

 HP:148

 MP:1460

 STR:126

 VIT:139

 AGI:191

 ING:128

 MAG:146

 攻撃スキル:投擲

 感知スキル:空間感知 殺気感知 気配察知

 耐性スキル:状態異常耐性 毒耐性

 魔法:自動回復 風魔法 生活魔法 隠ぺい 念話


 『うん、何かで気絶してるみたいだ。そのまま起こすと、暴れるかも?』

 「どうします?、捨ててきますか?」

 『後輩に向かって酷いな、お前。』

 「だって、この程度で潰れる程度の実力じゃ、この先何もできませんし。」

 『アミュレットを付けてやれ。』

 「あーぁ、こんな物に頼らなければならないなんて、名折れですよ。」

 『じゃぁ、お前のを返せ。』

 「え?嫌ですよ?何で返すんです?」

 『俺のアミュレットを「()()()()」と言っておきながら?、「こんな物」に頼りまくってるお前も、名折れじゃないのか?』

 「ピュー、ピュー」

 『ぶっ飛ばしてから奪うか。』

 「ごめんなさいっ!、すみませんでした!!、アミュレットに頼っても名折れじゃありませんでした!!」

 『ちなみに、この子の名前がコリュスなんだが、お前の親戚か?』

 「コリュス!?い、妹です・・・」

 『ほう?お前は妹を捨てようとしたのか。酷い姉だな。』

 「ち、違うんです!、数年会ってなかったので、判らなかったんです!」

 『数年でそんなに判らなくなるものか?』

 「私の記憶の中の妹は、ちっちゃかったので・・・」

 『そのイメージだと、妹は10歳前後か?』

 「えっと・・・13歳かな?」

 『・・・こんな姉に憧れちゃったのか、かわいそうに。』

 「ちょ、何でかわいそうなんですか!?、私そんなに、酷くないでしょ?」

 『捨てようとしたのにか?』

 「くっ・・・そ、それは、組織の体裁を保つためにですね・・・」

 『先輩の癖に、後輩を育てようとか思わないとはなぁ・・・人間味を忘れた、酷い姉だ。』

 「そんなーぁ、ど、どどど、どうしたらいいですか!?」

 『早くアミュレットを付けてやれよ!』

 「はいっ!」


 「う、うーん、お姉ちゃん、おサルさんみたい・・・うーん。」

 『おサルのコルス、妹をベッドに寝かせてやれ。』

 「コリュス・・・起きてますよねぇ?」

 「おねぇちゃん・・・ひどいよぅ。」

 「コリュス、寝たふりはこうですよ!」

 「いだだだだだ、いだいいだい」

 『微笑ましいな。』

 「どこが微笑ましいんですかっ!?」

 「お初にお目にかかります。コルスの妹、コリュスと申します。アルティス様へのお目通り、感謝いたします。」


 シュタッと片膝をついた姿勢になり、挨拶をしてきた。


 『お目通りは別に許可してないけどな。まぁいい。それより、何で気絶してたんだ?』

 「はっ!、鐘の魔道具を破壊する為に近づきましたところ、時報の鐘が目の前で鳴り響き、気を失いました!」

 『それ、堂々と言える内容じゃないぞ?、時報の時間を避けろよ。』

 「それは、姉譲りというか。」

 「コリュス?、私そんなにドジじゃないよ?」

 『俺も、コルスがドジなところは、見た事が無いな。』

 「・・・違いましたか・・・。」

 『こういうところは、そっくりだな』

 「ちょ、ちょっと、アルティスさん!?こんな適当な事なんて、言ってませんよね?私。」

 『先程、適当な事言ってごまかそうとしたじゃないか?』

 「あ・・・、そうでしたっけ?」


 『で、おサルとドジっコリュスは、魔道具を破壊できたのか?』

 「おサルじゃありません!、破壊しましたよ!」

 『その割には、喧噪(けんそう)が治まってないな。』

 「私のせいではありませんよ!?」

 『誰もおサルのせいとは、言ってないだろ?』

 「おサルじゃありません!、もうっ!コリュスのせいで、変なあだ名が付いたじゃないですかぁ!」


 アーリアがやってきた。


 「騒がしいな、何かあったのかい?」

 『コルスの妹の、コリュスだ。』

 「お初にお目にかかります!、コルスの妹のコリュスと申します。アーリア様とお会いできて光栄に思います!」

 『コルスと違って、礼儀正しいんだけど、ドジっ子属性なんだよなぁ。』

 「ドジっ子属性?、ドジっ子リュスだな。」

 「アルティス様と同じことを言った!?」

 「発想が同じだったか。嬉しいな。」

 『!?、照れるな。』

 「ご愁傷さまです。」

 『コルス飯抜きな。』

 「冗談ですよ!冗談!、そんな事、思ってる訳ないじゃないですかぁ!」

 『じゃぁ、今から、二人で手分けして、外の喧噪の原因を突き止めてこい。』

 「・・・はい。行くよ!コリュス!、ちゃっちゃと終わらせて夕飯にありつくよ!」

 「とばっちりだ、姉さんのとばっちりで、こんな目に・・・」

 「ほらっ!早く行くよっ!」

 『行ってらっしゃい。』

 「アルティス、夕飯の支度できたよ。行こう」

 『カノエ、ヒノエどうだ?』

 『魔道具を設置して歩いていた男をとっちめた所です。』

 『一旦、コルス達と合流して、作業にあたれ。』

 『了解です。』


 コルス達が戻ってきたのは、午後8時頃。きつそうだったので、夕飯を食べてから報告をしてもらう事にした。


 「ふぅ、お腹いっぱいになったら、何だか眠くなってきました。」

 『寝たらハニービーの巣に放り込んでやるぞ?』

 「ひっ!、ほ、報告します!」

 「喧噪の原因は、各所に設置されていた魔道具による物でした。魔道具は精神干渉及び錯乱の効果があり、発見した魔道具は全て破壊してきました。」

 『発見できてない魔道具の可能性は?』

 「無いとは言えません。」

 『どんな所に設置されていた?』

 「家の屋根の上が殆どで、たまに路地裏にもありました。」

 『破壊した魔道具を持って来たか?』

 「これです。」


 出されたのは、ごく一般的な壺の中に入っていた。

 普通は塩などの調味料や、塩漬けなどを入れておく壺だが、屋根の上にあれば当然目立つ。

 コルス達は、その目立つ壺の中にあった魔道具だけを破壊してきたと。


 『ルベウスが追えないかな?』

 『んー、悪魔の臭いが少し残ってるけど、無理かも?』

 『悪魔か・・・この街にもいるんだろうなぁ。』

 「まずは町長の側近から調べるか。」

 『[マルチホーリーライト]』


 街の上空に、[ホーリーライト]を複数浮かべた。

 『煙出してる奴と、光を浴びて、苦しんでる奴全員を捕縛!』

 「「「「「了解」」」」」


 この街に居た悪魔は、今までとは少し毛色が違った。居たのは、人間に寄生した虫型の悪魔で、パッと見人間なんだけど、外から見えない場所に隠れて張り付いていた。

 おもに、上半身にだよ?下半身じゃ脳が遠すぎて、操れないからね。

 コリュスが、寄生されたフリをして、コルスのパンツを脱がそうとしてたのを、コルスが必死に止めるコントを見せられたけど、笑ったのは、()()()()だけで、アーリアは、コリュスにヘッドロック極めてたよ。

 コリュスは2秒で白目剝いてた。

 

 尋問は、寄生されてる人間を拷問しても意味が無いので、トルスファンガスという使い道のない茸に、寄生虫を寄生させてみた。

 真実の茸の実力は如何に!。

 ファンガスに寄生したら、寄生虫が喋るみたいだ。


 「魔道具の設置は貴様らが寄生した人間にやらせたのか?」

 「はい、そうです。」

 「魔道具はまだ街の中にあるのか?」

 「はい、そうです。」

 「設置を指示したのは誰だ?」

 「ニヌルタ様です。」

 「魔道具を設置した場所は覚えているか?」

 「いいえ、覚えていません。」

 「魔道具を設置した個数は覚えているか?」

 「覚えていませんが、用意した数は30個です。」

 『コルスが破壊した個数は?』

 「25個です」

 『残り5個か。』


 「魔道具を止める方法は?」

 「破壊するか、遠隔スイッチをオフにすれば、止まります。」

 「遠隔スイッチはどこにある?」

 「ハニービーの巣の下です。」


 『コルス探してきて。』

 「死ねというんですか!?」

 『真下の採取する所に行けばいいじゃん?』

 「見つけても巣には届きませんよ?」

 『巣の中にあるとは言ってないだろ?、巣の下にあると言ったぞ?』

 「触れない場所だった場合は?」

 『無理しなくていい、その場合は本体の破壊だ。』

 「本体を探すのは?」

 『全員だ』


 「行ってきます。」

 『俺、コルスを殺したいと思ってるって思われてるのか?』

 「どうだろう?」

 『コルスを殺したりはしないよ。コルス居なくなったら、つまらないじゃん。』

 『え?私は、暇つぶしの為に居るって事ですか?』

 『そうだな。』

 『そこは、否定して下さいよ。』

 『じゃぁ、こき使うために。』

 『暇つぶしでいいです。』

 『どっちだよ?』

 『暇つぶしがいいです!』

 「コルスとアルティスの会話は、いつも面白いな。」

 『俺も楽しい。』

 『複雑!』

 「いいなぁお姉ちゃん、私も混ぜて欲しい。」


 『ってか、コリュス、お前、執事の命令で、教会の鐘に付いてる魔道具を破壊しろって言われてるんじゃないのか?』

 「言われてますが?」

 『こんな所で油売ってていいのか?』

 「バレなきゃいいんですよ。」

 『この会話、執事も聞いてるぞ?』

 「すぐ行きます!!」

 『執事も大変だな。』


 執事を労うと、執事の返事が返ってきた。


 『恐れ入ります。』

 『モコスタビアは、大丈夫?』

 『一応、配下には異変が無いか、調べさせておりますが、精神干渉となると、耐えられる者が少ないので、不安には思っております。』

 『執事もかかってる様だな。』

 『そうですか?』

 『[ディスペル]』

 『・・・アルティス様、助けて頂き、ありがとうございます。』

 『口調が変だったからな。何個必要だ?』

 『大変申し上げ難いのですが、兵士と騎士の分も合わせると、120個程になります。』

 『判った。作っておこう。そこには、メイドは含まれているのか?』

 『メイドは全て、私の配下でございます。』

 『判った。できれば、結界で街全体を覆いたいんだが、できるか?』

 『すでに施しておりますが、私程度の魔力では、太刀打ちできていない様子でございます。面目ありません。』

 『悪魔が相手では仕方が無いな。なるべく早くそっちに行ける様にするよ。』

 『よろしくお願い致します。』


  コルスはハニービーの巣の下のハチミツ採取場に来た。

 作業員が多数働いていて、せっせとハチミツを壺に貯めている。

 ハチミツの入った壺は、蓋をされ、外に運び出している様だ。

 作業員の間を縫う様に歩き、探すが見つからない。

 上を見上げると、巣から流れ落ちるハチミツと、その横に設置されているスイッチを見つけた。


 ドカッ

 「痛っ!何するんですか!?」

 「なっ!?、何で刺さらないっ!」

 『アルティスさん、採取場の部屋で襲われてます。』

 『判った。応援を向かわせる。』

 『スイッチは巣の横に設置されています。』

 『スイッチには触らなくていい。今は自衛しろ。』

 『了解』


 「くそっ!そいつをぶっ殺せ!」

 『ここは退避ですね!』

 「すばしっこいぞ!退路を塞げ!」

 バタン

 『あらー、扉閉められちゃいましたか・・・。』


 バキンッ!

 「扉が壊れた!?」

 「ギャーッアラクネだー!」

 「ひっひいぃぃ」

 「助かりました。ソフティーさん、ありがとうございます!」


 作業員に扮した暗殺者達は、反対側にある扉の前で、尻餅をついて泣いている。


 『このハチミツを垂れ流すのは勿体ないから、ディメンションホールに貰っておくか。コルス、暗殺者はどいつだ?』

 「全員です。」

 『そか、全員捕縛ね。』

 『はーい。』

 『で、スイッチってどれ?』

 「あれです。あの蜜が出てくるところの横にある、アレです。」

 『あれか。ハニービーの女王さんいるかー?』

 「そんな事で通じますかね?」


 『何かしら?』

 『そこのスイッチをオフにしてくれない?』

 『どれ?・・・これかしら?』

 ポチッ

 『これでよろしくて?』

 『ありがとー!助かったよ!』

 『この程度の事なら、いつでも言ってください。貴方に受けた恩は、この程度では返しきれないのだから。』

 『気にしないで!』

 「ちょ、アルティスさん、いつの間に仲良くなったんですか!?」

 『建物に精神攻撃防御の魔道具置いただろ?その時だよ、働きバチが、言う事を聞かなくて、困ってたんだって!』

 「はぁ、凄い事をサラッとやりますね?」

 『偶然だよ。』

 「こうも偶然が続くと、何かもう、呆れてきますね。」

 『でも、楽しいだろ?』

 「ええ、凄く楽しいです。」


 晴れやかな笑顔で、コルスが返してきた。

 俺もコルスといると楽しいよ。


 『ところで、これっていつまで、貯めてなきゃいけないんだ?』

 「あ、正規の作業員を連れてきます!」


 正規の作業員と交代し、建物の外に出てくると、働きバチが飛んできて、四角いゼリーを差し出してきた。

 鑑定してみると、ロイヤルゼリーだった。

 一か所が少し凹んでいるけど、我慢しきれなくて齧っちゃったのかな?


 『なんか齧られてるね?』

 『・・・・・・』


 話せないのか、プイッと顔を横に向けた。

 仕草が可愛かったので、手の届かない俺の代わりに、コルスに働きバチを撫でてもらった。

 ロイヤルゼリーを受け取ると、カードを渡してきた。


 『全国花の蜜収集協同組合?なんだこれ?』

 『そのカードは、ミツバチの巣から蜜を貰えるようになります。』


 女王バチが、念話で説明してきた。

 つまり、このカードを見せれば、ハニービーが巣のハチミツをいつでも分けてくれるという訳か。

 ありがたい!


 『女王ありがとう!凄く嬉しいよ!。今度この辺来たら、立ち寄るね!』

 『お待ちしてますわ。』


 ラッキー!。

 それにしてもロイヤルゼリーか、これ、精力増強効果なんだよな・・・。

 オークの玉も大量にあるのに、どうしよ?


 宿に戻って、捕らえた暗殺者を尋問すると、あっさり吐いた。

 相当にアラクネが怖かったらしい。

 白状した内容では、命令したのは町長だった。

 どうやら、町長は洗脳状態にあり、こちらに敵対する意思を見せている、と言っていたが、そんな事は全くなく、鑑定しても洗脳は解けていた。


 「ようこそいらっしゃいました!、前回も前々回も、お立ち寄り頂けなかったので、何か不備でもあったのかと、冷や冷やしておりました。」

 「そうか、それは済まなかった。今回来たのは、町長殿が我々に、暗殺者を仕向けたとの情報があったのでな、確認に参った次第。」

 「うっ・・・、実は、私は何かの精神魔法にかかっていた様で、伯爵家の一行を殺せと、命令されておりました故、何度か暗殺者を仕向けてしまいました。申し訳ございません。何卒!、ご容赦の程お願い致します!。」


 町長が土下座をしている。


 「こちらでも、精神魔法の魔道具を確認している。まだ街中に残っているから、明日から、魔道具の回収を頼む。」

 「ははぁー、ありがとうございます!。誠心誠意この街の為に尽力致します!」

 「それと、暗殺者を捕らえてきたので、牢に入れておくぞ。逃がす事の無い様、しっかり管理しておくようにな。」


 『町長の話は、古かったって事か。』

 「そうらしいな。」

 『念の為に来てはみたものの、何もすることが無いな。』

 「帰って寝よう。明日もまた、旅が続くのだからな。」

 

 町長の屋敷の屋根に、魔道具が設置されていたので、破壊せずに、精神洗脳の魔法を、精神魔法反射に書き換えて、再設置した。

 この魔道具には、遠隔指令受信の魔法陣が書かれていたので、消しておいた。

 精神魔法反射とは、精神攻撃魔法を跳ね返し、術者を攻撃するという魔法だ。

 効果としては、反射を掛けた術者のMAG値に、比例するらしいから、次回から、かけてきた術者は、精神攻撃を自分に食らう事になるだろう。


 捕まえた暗殺者達は、町長の使用人達に、拷問の仕方を教えておいたので、楽しんでもらえるだろう。

 見本として一人にやって見せた時、全員の手がワキワキしていたので、飽きるまでやるかもしれない。

 ちなみに、暗殺者達の胸には、蘇生の効果と攻撃&抵抗不可を付けた、魔石を埋めておいた。

 魔石はゴブリンの物だよ。

 魔力が多いと魔獣化しちゃうからね。

 ゴブリンの魔石は、冒険者ギルドに行けば、幾らでも買えるよ。

1個銭貨10枚らしいから、銀貨1枚分買ったら、1000個もあったよ。


 拷問は、やり過ぎて死なせちゃっても、100回くらい生き返るから安心してね。

 蘇生は、本当に生き返るのではなく、AEDみたいなもので、病気やケガじゃない場合に、心臓に電気ショックを与えて、再始動させるものだ。

 この世界の人間は、即死攻撃以外では、Gの如く死なないんだよね。

 死なせるには、HPとMPがゼロにならないと死なない。

 仮にHPが無くなって、MPが残っている場合は、仮死状態になる。

 そして、時間と共にMPを消費して、HPがじわじわ回復してくる。

 その代わり、即死になる条件は、元の世界と同じく、脳の損壊、心臓の損壊、首チョンパ、失血、臓器の損傷等々。

 だから、牢に入ってる暗殺者達には、即死なんてあり得ないから、死ねない日々が続くって訳だ。

 え?酷い?この世界に人権なんてほぼ無いし、ましてや、殺人者に人権なんてものは存在しない。

 処刑や鉱山送りにならないだけでも、まだマシな方だよ。

 今までに何十人も殺してきたんだから、死んだ人の苦しみを味わえっての。

 コルスを殺そうとした罪は重いんだよ。


 「私の為にそこまで・・・。」

 『コルスの為じゃないぞ?、俺の心の安寧の為だ。』

 「私が狙われたから、激怒したんですよね?」

 『まぁ、そうだな。コルスがいないと、揶揄う相手が居なくなって、旅がつまらなくなるからな。』

 「またまたぁ、本当は私の事が大好きなんですよねぇ?」

 『あぁ、好きだよ?、当たり前じゃないか。』

 「え?、あ、いや、そんなに、普通に肯定されると、何か調子狂っちゃいますね。」

 『何がだよ?、嫌いな奴を揶揄ったら、ただのイジメじゃないか。敵でも無いのに、そんな事する訳無いだろ?』

 「・・・それは、喜んだ方がいいんですか?」

 『知らん』

 「何か素直に喜べないんですが。」

 『そっか、じゃぁ、コルス大スキー!明日からもバンバン揶揄うからよろしくねー!』

 「揶揄わなくていいですよ!?」

 『でも、さっきは、暇つぶしに使って欲しい!って言ってたじゃん?』

 「こき使われるより、いいと思いません?」

 『さぁ?』

 「まさか、私が普段何もしていないなんて思われてます!?」

 『知ってるけど、無視してるな。』

 「なんで無視するんですか!?」

 『そんな事気にしてたら、こき使えないだろ?』

 「それはそうですけど!、少しは評価してくれてもいいんじゃないですか!?」

 『評価してるじゃん?、執事に叱られるのを免除してくれって頼んでるし、そもそも評価の低い奴はここには居ないからな?』

 「あうー。」

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