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溺れた蟻

作者: 秋葉竹



常夜灯も届かない

暗い路地裏にできた

ちいさな水たまりで

溺れた蟻みたいだな

まるで僕は


月光だけが

斜めうえからうすくその存在を

清めるみたいに

照らしてくれている気がする

やさしい光で


息を吸うのさえ

難しい不器用さでなお生きるだなんて

僕のちいさな胸は

まるで悲しみに押しつぶされた

いっぴきの蟻のようではないか

いったい

どこへゆけば

この時間の止まったような痛みを

やわらげることができるのか


口うつしで

教えてほしいのは

君にだ


月光のようにやさしい舌をからめて

しあわせな時間を

永遠にしてほしい


いっぴきの蟻の僕は

そのときには

翼の生えた裸体を

君になら晒せるかもしれない


君の目が

なにかの色に

染まれば

いいな


けどきっとそんなことにはならないだろう

君の心は鋼の強さでじぶんを律し

そんな君をみて僕は

ごめん

ちょっとだけだが

君のことを憎んでしまったり

するのだろう


気づけばとっくに

君の虜の

くせしてさ








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