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怪報告──20代までの出来事

作者: たぶれっと


視えるだの聴こえるだの感じるだの、霊能だったり超常だったり──そういうのは、血縁者で居たからその素養は自分にもあったのだろう。

生業でも無く、ただそうなだけで。




ネロ魔身。


小学校低学年で見た夢。

カラーだったので、恐らく明晰夢。

母親の「助けてー!!」の悲鳴を聞き、馳せ参じる。

窓ガラスが割れて雨風が外から吹き込み、外は真っ暗な夜。

マンションの2階、現実通りの間取り。

その闇夜にネロ魔身が浮いていた。

ビックリマンに出てきた、悪魔のヘッド?魔肖ネロの魔力出し尽くして、カラカラの状態の奴。

これが、怖かったw

まんまのキャラデザやねんけど、母親を守るのに正面に立ったんやけど………瞬間ソイツは俺の胸に飛び込んできた。

ズボッ!って、感じ。

そこで目が覚めたけど、やっぱり夜中で俺は冷や汗をかいて心臓はバクバク鳴って、母親はスースーと寝息を立てて寝ていた。

リアルな夢だった(ネロ魔身以外は)

守れたなら、ええかと思いもう一度寝た。

因みに流行っていたビックリマンシールの収集には、乗れなかった(余ったチョコを貰ってた口)




ミズムシ。


幼い頃、小学低学年の頃。

婆ちゃんが「視ててみ」と自分の右足の親指の間を指差す。

じっと視てると、「コンニチワ」て言いそうな白い糸のような蟲が、婆ちゃんの親指の間から出てきた。

ご丁寧に、絵文字のような顔らしきものもあった。

婆ちゃんは、話しを盛ったりするのが好きだったと後で聞いたが、担がれたのだろうか?

だとすると、ジョーカーのフォリアドゥ(感応精神病)か。

「な、視えたやろ?」

でもそう言った婆ちゃんの顔は真顔やった(担いで愉しんだ顔では無かった)

それは嘘では無く、2人で視た幻だとしても、視た事は事実。

俺は酷く興奮し、長らくその秘密を独り抱えて愉しんだ。

他は明晰夢だったりあったけど、これが現実によく分からないモノを視る初体験やった。

ミズムシは調べても無かった(そらそうだ)




白竜。


小学校低学年の明晰夢。

明晰夢という単語自体知らないけど、後から当てはまった。

夢の中で夢と気付いた。

それならばと、夢なんだから荒唐無稽なんだろうと、自宅の部屋を探検した。

外に出る玄関のドアが無い、ワクワクした。

押し入れの襖を開ける。

布団が在るはずの場所にトイレがあった、ケラケラ笑った。

母親は料理を作っている。

でも、外も見てみたい!

マンションは2階、ベランダから雨樋を伝って降りる。

鍵を忘れた時に、よく登った雨樋だ。

降りて外に出れると、満月の明るい夜に白竜が浮かんでいた。

夢の中と分かっていても感動した。

ネバーエンディングストーリーで観たファルコンそっくりだけど少し違い、犬のようだとされた耳は無く、日本昔話のアニメのOPの竜のような角。

鱗では無く、ファルコンのような毛並みに、ファルコンと同じ優しい瞳。

彼はゆっくりと降りてきて 俺は背中に乗せて貰った。

低空飛行で夜の空を飛んでいく。

いつもの登下校の道を電信柱の線ぐらいの高さから見下ろして ゆっくり飛び、2年後に通う中学校の校庭についた。

夜は昼間になっており、校舎の中を見ると詰め襟学ランを着た中学生の自分が授業を受けていた。

ここで目が覚めたら、満月の明るい夜だった。




金縛り。


初めての金縛り。

中学2年の頃、テスト勉強をしていた夜中の1時ぐらい。

強烈な眠気に負けまいと起きているのが限界になった時、夢か現か境界が曖昧な時、意識はハッキリと覚めたのに体が動かない。

これが金縛りか!

でも変な霊を視た聴いたは無かったから、怖さは無かった。

ただ、遠くから「ワーン、ツー」と、スリーカウントを数える声がした。

不味い3カウント入ると思い、体を肩を跳ね上げたら動いた。

当時プロレスにはまり、友だちとよく技の掛け合いをしていた。

だからと言って、金縛り中にフォールカウントを取られるだろうか………?

あのまま、3カウントを聴いていたらどうなったのかは

分からない、連れて行かれていたのかもとも夢想する。

ただこの話しも、ネタ過ぎて人に言えなかったから、ここに書いときます。




車で引きそうになった犬の散歩する幽霊。


普通免許を取った20代前半の頃。

夜間運転で山の中、家路を急いだ。

外灯と外灯の間、暗くて車のヘッドライトでしか判断出来ない時に。

ヘッドライトの視界に入ってきたのは、リードに引かれた子犬と、サラリーマンのような革靴にビジネスパンツ。


──轢いた。


距離と速度で、そう思った。

ハンドルをきる事も出来ず直進、すり抜けた。

ヘッドライトに照らされた全身は、足元だけ。

青く透き通った膝から下の足と、同じく青く透き通った子犬。

当たる感触も無く、スッ──と、通過した。

「………………」

パニックにならないように何も考えず、運転も止めずに家へ帰った。






ドッペルゲンガー。



男友達2人と同居、ルームシェアをした20代前半。

友達の部屋から、ジッポで煙草に火を付ける音がした。

ライターが見当たらず、火を貸してもらおうとノック。

鍵はないのでは開けてみたけど誰も居ない。

煙草を吸いそびれた。

そんなマンションを出て、2週間ぐらいして友達から電話。

「昨日の晩、ウチに来たか?」

引きつるような声で聞かれて、首を横に振った。

その友達も勘のいい方で、視えたのは俺のドッペルゲンガーか、生き霊か…….。







死神。


ルームシェアから実家へ帰って1年。

夏の暑い夜。

図書館で借りた本を読む。落語の「死神」の話し。

読み終わり、電気を消して床につく。

──で、死神が出た。

寝ていて寝苦しくウンウン唸りながら意識が半分覚醒する。

足元に何かいる。

黒い影。

黒い影としか言いようが無く、鎌とかは視えなかった。

猛烈に焦り厭な予感──体は動かない、金縛りか。

落語では、 足元に死神が立ったなら1度は追い返せる。

枕元に立たれたらお終いだよ、と。

幸い足元だ。

寝る前に読んだ、死神を追い返す呪文がある──忘れた…………!

死の淵を感じた瞬間、叫んでいた。

金縛りを破り、体を上半身起こし、全力の叫び。

…………暗やみの中でも分かった。

厭な気配は消えている、黒い影も視えない。

電気をつけて家人に謝ろうとしたが、父も母も寝転けていた。

あんなに全力で叫んだのに…………叫べていなかったのかも知れない。

一応メモ。

「アジャカモクレンセキグンハテケレッツノパー」

と、唱え手を2回叩く。

これで足元の死神は祓えるとのこと、枕元は無理。





周りのそういう体験ある人の話しを聞いて、俺はそんな怖いのじゃなくて良かった………と、思います。

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