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第14話 勝利のその後

 

 アバとシンが火口から出て来ると、霊魂だけのアボが入り口付近をうろついている。

「どうした、アボ、お前何だか棺桶に片足突っ込んだような情けない風体になって居るではないか」

「あぁ、無事に戻ったのか。良かった、良かった」

「なんだ、俺等の活躍が分かっていなかった様じゃないか、どうなっているんだアボ」

「アボは本物の御神刀を我に渡すために、精魂尽き果てておられるようじゃ。お蔭て命拾いした。いや、我はもう死んでおったが、兎に角助かった。アボのご尽力で魔王は退治したし、小物も片付けた。当分この世は安泰じゃろうて。もう心配はいらぬよって、日の国に戻られても良いのでは」

「そうなのか、では帰る事にしようと言いたいところだが、シンの想像通り、私は精魂尽き果てて、実体はのびている。当分、動けまいな」

「では、我が運ぶよって、実体に戻ってゆっくり休んでおれば良いがの」

「・・・」

「アボ、死んだのか」

「いや、まだ少しは、気は吸えているのだが」

「死にかかっているのだな。実態に戻れぬのか。重症じゃないか。アマズン川に浸かってみてはどうか」

「それは遠慮しよう」

「しかし、以前翔がアマズン川に落とし込んだから、あんなに回復しただろう」

 シンはアボが瀕死と解かりすっかり気落ちしてしまったが、アバの話でまた気分が上向く。

「そうなのか、では我が落としてみようぞ」

 そうと分れば霊魂の行動は早い。


 真太の所へあっと言う間にやってきたシンだった。

「あ、シン戻って来たんだね。パパ、うまく御神刀を飛ばしたね。でもシン、見て。アボまた昏睡状態だ」

「そうよな。アボには何時も世話になって居る。真太、これから我はアボをアマズン川に入れてみるぞ。さすればなじみの気を吸って元気になるとアバが言っておった」

「そうなの、アバも無事なんだね。良かった」

 無事でないのはアボなのだが、シンは黙ってアボをアマズン川に運んだ。

 真太もついて行きながら、シンは今も舞羅の事を気にしていないのに気付いた。アボを一番に構っている。真太は思った。ひょっとして、アボパパは危篤って言うのになっているのだろうか。ぞっとした。

 シンはアボを川に入れた。その時、真太は前世の事を思い出した。

「シン、川に入れたら、アボはワニに食われちまうよ」

「では、見張って居ようかの」

「うん、でも俺が見張るよ。シンは疲れているんじゃない」

「また我の心配か。言っておこうかの。我は死んでおるから疲れないのじゃ」

「ふうん、じゃあいっしょに見張っていようか」

「真太は良い子じゃな。アボの自慢の子だ」


 アボの命がけのワザと、皆の力により、龍神界は魔界の奴らとの戦いに今回は勝利した。

 しかしシンは、アバ達龍神の代は終わりに近づいていると思った。

アバの跡を継ぐ龍神は誰になるだろう。とは言え、まだまだ先の話と思いたい。


「生まれ変わっても 第2部」は、一先ずこれでお終いです。


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