6話_食堂
目の前にはとても長い道と、廊下鳶がいる。
柊は廊下に一歩、足を運ぶ。
そして体の角度を90度左に曲げる。
廊下は横に4人は通れそうだ、もしかすると5人はいけるかもしれない。
柊は私がしっかり付いてきてるか、少し後ろを見て何事もなかった、という顔をして前を見直した。
私も柊と同じ表情で後を付いていく。
20分は経っただろうか、もうすでに1kmは歩いている。なのに辺りの景色は全く変わる様子はない。
同じところをぐるぐると回っているとしか思えなかった。
柊が突然足を止める。どうやら行き止まりのようだ。
「こちらが食堂です。バイキング形式になっているのでご承知ください」
目の前には2,5㍍ほろの扉がある。
引くと開くらしい。
そのまま柊は後ろを向き、来た道を戻っていってしまった。
でも止める気も毛頭なかった。
柊の姿が見えなくなったとき、私は目の前の扉を引いた。
そこにはあの3人、竜と楓と淳が同じ机を前にして座っている姿があった。
竜が私に気が付いたらしく、箸を置いてこちらに近づいてきた。
それを見た淳たちも私に気が付いたようだ。
「あはよう。椎名瑠璃。向こうで朝飯取ってこい」
私は歩幅を極力狭くしてゆっくりと食堂の列に向かう。
それを見た竜が強制的に私の背中を押してバイキングの長い行列の尾に付かせた。
長いといっても20人程度であった、が、お腹がすいた者ならこの人数はとても長く感じた。
しばらく並んでいると自分の順番が回ってきた。私の後ろには新しく5人当たり並んでいた。
私は朝食を大人4人前ぐらい取った。
私の想像よりはかなりバイキングの使用されている食べ物の種類があった。やきそばやコロッケ、寿司、デザートにはヨーグルトやケーキ、種類豊富な果物などがあった。
ほかにも沢山の食べ物あったがとても私にはわからないものは多かった。
私は4人分の食料を持ち、竜達がいる席へと向かった。
「おはよう」
私は3人に挨拶する、3人も軽く私に挨拶する。
「そういえばルーちゃん、三番隊になったんだってね」
・・・ルーちゃん?私のことか?こいつめ人に許可なく勝手に微妙なあだ名を付けやがって。
「僕は2番隊、竜が3番で淳が1だよ」
「1番隊とかはどうやって分けているんだ?」
しばなくの間、答えが返ってこなかった。ようするに沈黙であった。
「一番隊が『防』侵入者を処理したりここ(フェルンス)の雑業をしてくれる隊だよ。で2番隊、これはルール上により他の隊に話すのは禁じられてる、まぁでもいうなら治療などの戦闘後の処理をする隊さ、で三番隊が『攻』ここ(フェルンス)にとどまっている者は侵入者の処理、だいたいの者は邪慈子を倒しに出る隊だよ、後時には行方不明者などを探しにいったりするよ、わかる?」
楓がいきなり説明を始めた、わたしは楓にきかれた『わかる?』という問いに頭を縦に振り返事をした。
「じゃあ、この後、一回に下りて2号室に向かいなよ」
「なんで?」
「君の隊長さんがいるんだよ。え・・・と剄狼旭っていう猫耳野郎」
猫耳?本物なのだろうか?本物でもいまさらそんな猫耳なんて、どっかの漫画の話じゃあるまいし。
ふと竜が口を挟む。
「猫耳じゃないだろう、あれは犬だ」
いや、猫でも犬でもあんまり関係ないから。
ようするに私の隊長は狼人間なんだよな。それなら満月の夜は2号室の近くにいってはいけないな。
ひょっとすると食われるかわしれない。
もし食べられたらこの人達はどうするんだろう・・・?
「お前今自分が満月の夜食われるかもって思ったろ?」
・・・竜、あんたまで人の心を読めるようになったのか。
「大丈夫だ、お前のような変人、餌に飢えていようが食おうとしない」
失礼な奴だ。
「それが女にいう台詞?」
私は竜に言い返す。
すると竜となぜかほかの2人も変な顔をした。
もしかして私は女じゃないのか?ってことはニューハーフ!?そんな!記憶を失う前の私!名にやってんだよ!
突然
点滅する赤いと共に耳障りなサイレンが聞こえてきた。