プロローグ_嵐の晩
『パン』火薬が摩擦により急激な化学変化を起こし、爆発する。
『パン』再びあの、手を思い切り合わせたような乾いた音が響き渡る。
銃弾が何かを突き抜ける。
鈍い音と共にドロリと垂れる赤い液体が足元に付着した。
しかし、銃口から一直線に進んだ先にはすでに何も無かった。
ポツリ。
ポツリ。
と降り出した雨。
雷までも鳴り出す。
ピカッ 電光が冷たく世を見据える。
『人間』という名の生き物が決して犯してはならないことを。
嵐の晩。
一人の男の矛盾した思いがそれを実行させた。
数え切れないほどの人々の死体の山。
人体の合成を彼はやってのけたのだ。
彼は実験の成功により一時の欣喜を得たものの、儚く散った。
樹林から響く叫び声と共に彼は逝ったのであった。
それは無残な最期であった。
目は剥き出し、数ヶ所には獣に付けられたと思われる爪跡。
そして皮膚が剥がされていた。
それでも彼の顔には薄気味悪い笑みが浮かんでいた。
それから千・・・。
そう、二千年の月日が経過したのであろうか。
赤く染まったいつの日の嵐の晩。
この日の呪いは今でも続いている。
きっとこれからも延々と続くであろう。
-…この不幸の連鎖は代々消えぬものとなっていたのだ。
私の初の作品です。
作品といえるかどうかわからないぐらい下手ですが、これから力を付けれるようがんばろうと思います。
気が向いたらこれからも読んでほしいです。