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魔導兇犬録:哀しき獣  作者: HasumiChouji
第一章:悪いやつら
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(5)

 おかしい。

 絶対におかしい。

 元雇い主のクソ百姓から奪った金。

 2〜3日前に「飛ばし」の携帯電話(ケータイ)屋と、その「親会社」であるヤクザらしき連中から奪った金。

 その金は、まだ一応残っている。

 だが……大した豪遊をした覚えが無い(ねえ)のに、たった2〜3日で、並のサラリーマンの1月の給料より少々少ないぐらいの金額が財布から消えていた。

 いや……消えた金は、それだけで済むのか?

 でも、財布の中の金を数えるのは、何故か気が進まない。

 どうなってんだ?

 俺は……何をやった?

 まあ、いい。

 この昼飯代は余裕で支払える金は、まだ残っている。

「すいません、肥後褐牛(あかうし)の特上カルビと特上ロース。あと、特上タンもお願いします」

「は〜い」

 あ……マズい。

 上から下まで、昨日買ったばかりの服を着て焼肉屋に入ったのは失敗だったか?

 黒毛和牛に比べて脂は少ないが、その分、大量に食える赤身肉をたっぷり胃に収めた後、喫茶店に入って、これまた買ったばかりの中古のモバイルPCを立ち上げフリーWi−Fi経由で、まずはフリーのメールアドレスを取得。

 続いて、例の「魔法使い」を募集してた奴に連絡を取る。

 すぐに返信。

 水前寺近くの居酒屋の個室で、今日の夜に会う事になった。

 しっかし、俺、ホントに何に金を使ったんだろ?

 ケーキセット2人前を胃に収めて、ブドウ糖は十分に補給した筈なのに、何故か俺の脳は、その疑問に対する回答を出してくれなかった。

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