膝枕の始まり
彼女との出会い…その日は高校の入学式の日…。
入学した高校は…自宅から一番近いバス停から一番近い電車の駅のところのバス停で降りた後、3分ぐらい歩いたところにあるバスターミナルから出発するバスに乗り継いで30分ぐらいの…山奥だが住宅地の近くにあった。
彼女とは同じクラスで…彼女の席は私の前。
彼女との一番最初の会話は…入学式当日の教室で…担任から配布されたプリントなどを彼女の席の後ろの私に渡そうとした瞬間で…
私が持っていたアニメキャラのペンケースに気が付いた彼女は、彼女もそのアニメのファンで同じクラスにアニメファンがいることを喜んでいて…私も彼女と一緒にその事を喜び…嬉しい瞬間だった。
中学生の時からアニメ好きで…中学2年の時の友人から「BL2次創作同人誌」を勧められてからは腐女子の私だったが…しばらく、その事を彼女にも誰にも言わずに1年が過ぎた。
高校2年に進級し…彼女とは違うクラスになったが1年の時と変わらずに仲が良くて…
ある時、彼女が好きな少年漫画でアニメも放映している作品のキャラが好きなので原作を読んでと勧められて…読んでみたら私も別のキャラに惚れ込んでしまってて
彼女からその作品の同人誌を購入したいので「同人誌即売会に行こう」と誘われて…初めは購入目的だったのに…
いつの間にか…一緒にBL同人誌を作るようになって…彼女はイラストや漫画…私は…小説を書くことになっていった。
だんだん、行動がエスカレートしてきて…キャラのコスプレ(BL小説の主人公二人)を二人でするようになっていった。
ある日…彼女の家に行って同人誌の原稿を書いている時に…
(BL設定の会話の)「ボイス録音、してみようか?」と…言ったのは…私だったのだろうか?…彼女だったのだろうか?…。
BL設定で会話の原稿を書いてから…初めは…冗談交じりで笑い合いながら…
でも…その日、一日だけで終わらずに…
(何回、何日…録音したのだろうか?)
いつしか…原稿無しでのBL設定会話はアドリブになり…演技・動作付きで…
BL設定の彼(私)は 彼(彼女)の髪を撫でて…
彼の名前を 彼の耳元で囁きながら…
「愛しています」と…。
そんな遊びをしたのは…2年生の一時期だけで…
3年生になってからも…クラスは違ったけれど…
彼女は私と同じ選択科目の授業時間中に
私の膝を膝枕にして横になるようになり…
私は…私の膝の上で目を閉じている彼女の髪を…撫でていた…。