かくれんぼ
前回投稿した短編は正式な投稿作品にならなかったので、あらためて書き下ろしました。
しっかりと要項などみないとだめですねぇ・・・
僕はかくれんぼが好きだ。
息をひそめて、鬼を待つ間のどきどきとした時間がこの上なく楽しい。
今日も近所の子供たちとかくれんぼをやっている。
数を数えている子供が見える位置に隠れるのが僕の決め事だ。
「もういいかーい」
誰の声も聞こえてこない。
みんながかくれ終わったという合図になる。
鬼の子はすぐさまあたりを見回し始める。
こともあろうか、こちらに視線を定めて歩き始めた。
僕が隠れているあたりを少し見ると、あきらめたかのように反対側へとかけていった。
この焦燥感!
この上なく素晴らしい!
もしかしたら、見つけられてしまうんじゃないかと思うほどに、胸の鼓動が…
しばらくすると、僕以外の子供がみんな見つかってしまった。
あらためてじゃんけんをして新しい鬼が決まって、かくれんぼは繰り返される。
そのたびに僕はどきどきした感じを味わうことになる。
陽もすっかり傾いてしまった。
僕を残して皆が帰っていく。
広い広場の中に僕一人を残して、皆が帰っていく。
この寂しくなる気持ちはいつまでたっても慣れない。
はやくだれか、僕を見つけてほしい。
だれでも、いいから
だれでも、いい
ぼくをみつけて
はやく