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3ー22・化け物の戦い(空の欠片9)

「な、何かな?」とスブレット。

「あまりいい予感はせんな」

 船が自動で伝えてくる警告データは、彼女にはわからないはずだが、何か別の方法で悟ったようだったアーシェ。

「またいきなりだな」

 そして、リーザのいない今、まず間違いなく一番頼りになるだろうメイリィを見るエクエス。

「いきなりね」

 実はメイリィとしても、それは予想もしていなかったほど唐突だった。


 また、何かに物理的に掴まれたかのように止まってしまったミズガラクタ号。


「リルカね」

 メイリィからすれば、それだけは考えるまでもなくわかることだった。

 ミーケたちももう聞かされている。リルカ・シャーリド、シャーリド一族の長。

「わたしも正直どうやったのかわからない。だけど今この船を、その瞬間までここにいる誰にも気づかれずに、こんなふうな強引な止め方できるやつなんて限られてて、それでここはもうシャーリド星系に入ってるから」

「強引に止められたの?」

「そもそも止められた、てことは進んでたわけなの?」

 聞いたテレーゼもアイヤナも、船の操縦にも、防衛にもあまり関わっていないこともあって、異常事態に気づくのは遅め。

「目的はなんなのでしょう?」とザラ。

「中枢の味方、てことは考えられないと思うけど」

「わしもそうとは思うが、実際のところどう思う?」

 そこで、まさしくシャーリド家の者であるミルルの方を向くミシェリとアーシェ。

「リルカ様は」

 シャーリド一族の者は、長のことを、男なら「おおおじさま」、女なら「おおおばさま」と呼ぶ者が多いが、ミルルはこの時は「リルカ様」と名前で呼んだ。

「中枢を嫌っているのは確かだけど」

 実際のところは、"空の欠片"の一族の多くは、中枢のことを嫌っている。元を辿れば敵同士だったということもあるが、それ以上に中枢側の方の感情的な問題も根深い。

 ようするに互いに嫌いあっているのだが、互いに歩み寄るなら相手の方が妥協すればいいと強く考えていて、それ以上話が進まない訳である。

「ただあの人、普通に自分勝手な人だから」

「餓鬼みたいなところあるわけよ。予定調和じゃつまらないから、本来なら敵側の方につくみたいなことも平気でするようなやつなの」

 それはメイリィが言った。

「完全に外部のおれが言うのもなんだが、よくそんなのが長に選ばれたな」

 そんな疑問を抱いたのは、そう言ったフラッデだけではなかったろう。

「シャーリドは、特に実力主義的なところあるから。そういうのが嫌で抜ける人も、逆に加わろうとする人も多いしね。わたしはどっちかっていうと抜けた派なんだけど」

 もっとも、ミルルの場合は、メイリィに強い忠義心を持っているという個人的理由の方が重要なわけであるが。

「まあ何にせよ。あなたたちもう、シャーリドの星系は離れた方がいいわね。案内も用意してあげる」

 そこで、手のひらに出現させた球体を、ザラに手渡すメイリィ。

 ザラがそれに触れた瞬間、球体は、ミズガラクタ号の周囲、スケールの異なった十数個ほどの三次元空間地図が重なっているような画に変化する。

「それに従って、トルクトの方に行きなさい。今はフラゴのやつも、つまり、もう1人、味方になってくれそうな元帥も、そこに目を光らせてるから」

「メイリィ、あなたはどうするんですか?」

 話の流れから、彼女が船から離脱するつもりなのはザラも悟れた。

「おまえさん、リルカのやつを?」

 それ以外にはないだろうが、一応聞くアーシェ。

「もちろんそれはあるけどね。だけど、今はもう一つ気になることもあるわ」


 そう、ここに来て、リーザが帰ってきた理由に関してちゃんと聞くまで、メイリィも考えもしなかったことだ。だが、今やその可能性は高かった。この国、《ヴァルキュス》は、実体なきものも想定していたのではない。実体なきものを想定していたのだ。

 そしてそうなのだとすれば、まだシャーリド星系には確かめるべきことがあった。


ーー


 リルカは、前の家星系に戻っていた。彼女が新しい管理システムを持ち込んだために、星系全体の中で、今度は透明膜に包まれた恒星も含めて、完全に相対的にそれぞれ静止している各惑星。

 リルカは恒星の内部にいた。体への負担はない、高速で巡るエネルギーはすべて、彼女との干渉を避けるようにコントロールされている。

 今は彼女以外誰も知らないことだが、実はその恒星を包む透明膜は、時空間次元変換の応用でエネルギー容量を拡張した恒星を全活用している、まず間違いなく、《ヴァルキュス》全体でも最高性能の自然基盤コンピューター。

「あなたが離れるのは危険な賭けじゃない? それほどにその船は特別?」

 メイリィが、ミズガラクタ号とかいう船から、時空間戦闘機で離脱したことはすぐにわかった。自らのことはまったく隠さない代わりに、船の方の経路情報は見事に隠していた。いい囮だ。

「いや、それにしたっておかしいわね。メイリィちゃん。あなたその船も使わないで、一機の時空間戦闘機だけで戦うつもりなの? いくらなんでもわたしのこと、いいえ我が一族のこと、なめすぎじゃないかしら」

 ひとつ前の言葉は独り言だったが、今度は普通に問いかけ。すでにメイリィの時空間戦闘機と通信は繋げている。

〔「ひとつ教えてあげる」〕

 通信ごしに、ずいぶん久々に聞く声。

〔「わたしはね、前にあなたたちの最高傑作に、今あなたが言ったのと同じような事を言ったことがある。そんな武器で、そんな戦い方で、たった1人で戦えるのか、てね。であの子は言ったわ」〕

 正直なところ、リルカとしてもちょっと興味深い話だ。

「なんて?」

〔「物理的にありえるなら、物理的に行う手段は必ずある。てね」〕

 当たり前の話だ。たがそれは、彼女が最初に学んだいくつかのうち、最も重要なことだった。


ーー


〔「わたしも、それを証明したくなってきた」〕

 シャーリド星系から順調に離れていく中、メイリィたちの会話を、ミーケたちも聞いていた。

「大丈夫そう? メイリィて子」

 結局、彼女がいた時には姿も見せていなかったメリシア。

「でも聞くところによると、あれは軍のかなり上の人なんでしょう。一族といっても、フィラメントの一部の人たちの長なら、普通に考えれば格が違うと思うけど」

 その場にはいたものの、メリシア同様に話に入ってくるのは遠慮していたリセノラ。

「同じ条件での戦いとかならはっきりそう言えるのかもしれないけど、だけどシャーリド星系だと、やっぱりリルカさまが有利に、わたしには思えるわ」とは言うものの、さすがに忠実な部下だけあり、ミルルは、他の《ヴァルキュス》組の2人と比べ、かなり落ち着いているようだった。

「そもそも普通の戦いでは、構成粒子加速法を極めた者同士、単に武器の強さ、使い方だけが物を言うはず。普通ならじゃが」

 何か気に入らないことがあるのか、ちょっとすねたようなアーシェ。

「軍の元帥も、一族の長も普通ではないってことですね。それこそリーザが普通でないように」

 もう手伝いの必要もなくなったのか、3つのモニターに表示されている、いくつかの幾何学的な模様を指で動かしている、つまり船の操縦をしているスブレットに、当人たち以外には見えていない何かを手渡したようなザラ。

「でも、リーザはいつも自分が何かする時、最初から、最後にどうなるかわかってるみたいだし」

 どんな時でも最適な行動がわかっていて、そしてそれを間違いなく選べる。理屈としてはよくわからないところはあっても、ミーケも、彼女と出会ってからの20年以上ずっと、現に彼女のそういうところを見てきている。

「実はあの次元だと、たいていの戦いで仕掛けた方が有利なんじゃない。だって、どちらも戦いの結末がわかるなら、仕掛けるのは勝つと確信した方になるんじゃないかな」

〔「まあ的外れではないわね。だけど」〕

 ミーケらの方の会話も、逆に拾っていたようであるメイリィ。

〔「問題は相手の目的ね。特に守って時間稼ぐだけとかなら簡単だろうから。まあ」〕


ーー


〔「今は関係ないけど」〕

(関係ない、か)

 別に特定の会話を聞かれないようにはできるだろうが、まったく気にせず自信を見せてくるメイリィを、リルカも少し不気味に感じる。

「いいわ、何かあるならやってみなさいよ。このシャーリド星系で、わたしを相手に何ができるか」


ーー


「通信は切るわ。もっと集中して、あれを何とかするためにね。後は信じてて」

 それらしいことを適当に言って、ミズガラクタ号の方との情報経路はすべて遮断する。

 本当はただ、これから自分が使おうとしているものを、なるべくなら知られたくないと言うだけ。大した理由ではない。ただなんとなく嫌なだけだ。メイリィは、リーザが、おそらくは、《ルーケノ・ギザ》の頃に、シャーリド星系に残していた仕掛けを使うつもりだった。

 妙な話だろうか。シャーリド一族が、自分たちの最高の生ける兵器として作ろうとした破壊少女のおかげで、そのシャーリド相手に、今メイリィは有利だった。

(今の事態を予想してたわけじゃないだろうけど)

 そもそもそれはどう考えても自分で使うためのものではあったはずだ。メイリィがそれを使えるのは、リーザが軍にいて、そして《ヴァルキュス》を出ていくまでのわずかな時間で、勝手に彼女から学んだから。

〔「あなた、わざとなの?」〕

「さあね」

 そう、わざとだが、そうだと言っても、リルカとしては信じきれないかもしれない。


 時空戦闘機を1人で使いこなせるような者なら、特に敵の戦力が大きければ大きいほど、普通は空間次元変換を駆使して戦うものだ。単純に、3次元空間上での数の有利は、4次元以上ではたいていが無駄になるから。そもそも物量がそのまま強さに関連するような兵器は、基本的に3次元空間での機能に特化したものが多い。

 だが今、メイリィは次元変換に関連するシステムは何も使わずに、三次元空間場のまま、まず間違いなくリルカが放ったのだろう小型戦闘機群に囲まれていた。もうあまりにも距離が近すぎるから、次元変換は邪魔される可能性が高い。

〔「偽装の低次元?」〕

 逆の立場なら、いや、あの生意気な娘と出会う前のメイリィでもそう思うだろう。それでも十分ありえないと言えるが、だが仮説としては最もまともだ。三次元空間と見せかけたX次元空間。だがそんなもっともらしい仮説も、囮。


ーー


「水だ」

 メイリィとの通信は切れた。しかし、それは意図的な情報を乗せて運ぶ経路が全て遮断されたというだけで、まったく繋がりが断たれているわけではない。

「どうやってかわからないけど、多分かなり広範囲に張り巡らされてる。まるで、バリアみたい」

 ミーケはそれを感じ取れた。緑液系が受信し、心層空間で理解できた。

「それがわかるのか?」

 聞いたエクエスには、珍しく興奮が少し見えていた。

「わかる」

 水ならわかる。自分の認識を液体が囲んでいるようなそんな不思議な感覚。別にそのような感知機能が自分に備わっていることも奇妙なことではない。水の錬金術師にとってそれは必要な機能だろう。

「pパターン物質」

 水が使われている。それでザラはすぐに連想できた。


(「今はあまり一般的じゃないんだけど」

「pパターンを構成の肝に使った武器は、それの対策してない相手にはいろいろと有効なことが多いの」

「まあ、普通は軍隊内でも、指揮官クラスじゃないと知らないことなんじゃないかしら」)

 そう、リーザが言っていたこと。それを聞いた時のザラは、《ヴァルキュス》のことなんて、それにシャーリド一族の兵器としてのリーザのことも全然知らなかった。だけど、今ならそうかもしれないと思えた。

「pパターン物質は、今の宇宙では不安定。ミーケ、エッグスという特殊空間で、あなたが利用したのと同じ現象です」

 どんな環境においても、調整なしに直接そこに存在出来るはずのない物質が投入されれば、それは実質的に全てを切り裂く障壁。

「一瞬そこにあれば全てを崩す攻撃になります。もっともミーケのように、水の動きをかなり細かくコントロールできることができないなら、攻撃側にとっても危険すぎですが。ただそれよりも」

 攻撃には使えないが、しかし防御に応用すれば、それが結局は攻撃にも使える。

「あらかじめ配置していたら、それは完璧な通常物質の攻撃に対する防御になる」

 もちろんこの宇宙の構造の要素は通常物質だけではない。だが、敵が物量で圧倒的に有利だということを確信しているなら、わざわざそれが無意味にされやすい他の環境、例えば高次元空間などを用意するとは考えにくい。実体なきものと同じ、本当なら存在しないものを利用する。

 たった1機で、たったひとりで多くの敵と戦うための方法。

「でも、いくらpパターンでも、同じものひとつが連続してるだけなら対応もできる」

 エネルギーや物質の利用に関する話に関しては、その場で一番の専門家と言えるだろうエルミィ。

「エネルギー効率が最高でも三重式ぐらいまでしかありえない。一層だけでランダムの切り替えなんてもっとありえない。ループしか」

「ループ壁。すごいや」

 かなり珍しい。他に意味がわかっていない者がまだ何人かいるのに、現状を完全に把握できたらしいルカ。

「重なってる2つのうちの1つ目が崩壊したら、残ったもう1つが破れられる前に、そのすぐ後ろにまた別の壁を作る。p物質でも、普通の物質と原理的には同じなら、調整でたくさんの数使い分けれるし。水はすごく単純な物質って話だから、そういう事なら使うのに適してる」

「問題は、どんなコンピューターの解析よりも早く、ループコントロールを機能させないといけないってことね」

 ルカは驚いているという感じだが、エルミィは呆れているような苦笑い。

「だけどそういうことなら可能だね。リーザと同じように構成粒子加速法を完璧に使えるなら。緑液系は、原理的に最高速度を実現できる物理ネットワークなんだし」

 そう言うリセノラも、どちらかと言うと驚いているより呆れている様子だった。

「ただ、ぼくにはまだわかんないんだけど、これを攻撃に転じることはできるの? ひたすら守るってだけなら可能かもしれないけどさ」

 それに、おそらくは相手の物質攻撃を防ぐためにずっと維持しておかなければならないその防御の仕掛けが、大きくエネルギーを使うことは間違いない。ただの時間稼ぎにしてもそれほど長くは持たないだろう。ルカとしては、それをすることの意味は推測もできない。

「いや、これで完璧に閉鎖された空間なら、そうだと気づかれる時間だけでも、おそらく上手い計画を用意できる。あやつらみたいな化け物共なら」

 そして、アーシェのその言葉の直後。

「水が消えた」

 ミーケにはそれもわかった。


ーー


 水のバリアに足止めされたリルカ側の武器全て、計算されつくした動きだった。だが、予想外のどうしようもない足止めのために隙が生まれる。

 それでメイリィには十分。時空間戦闘機の操縦技術だけなら、リルカにもリーザにも決して負けない自信もある。そしてその包囲網が三次元場のまま突破されるなんて想定もしていなかったろうリルカの位置は、すでに掴んでいた。

〔「嘘でしょう」〕

 驚いているか、あるいは悔しがってもいるかもしれないが、リルカに慌てている感じはなかった。

〔「あなた、プライド捨てたわね」〕

「別に」

 pパターン物質を利用した騙し討ち。そんな戦法を編み出したのがどこの誰なのか、もうわかっているのだろう。だからこその苦し紛れの皮肉だろうが、こうなってはメイリィとしては面白いだけだった。

「あの子なら多分当然て考えるしね。あの子、わたしの方が考えてるよりずっと、わたしのことも友達だって思ってるだろうし」

 そのこと嬉しいと感じていることは、メイリィ自身少し意外ではあった。

 なんだかんだで、やはりあの生意気な娘の厄介なカリスマ性のためだろう。


「さあ、どうする? まだゲーム続ける?」

 また素早く恒星コンピューターの中のリルカの側までワープしてきたが、警戒しているのか戦闘機の外には出ないで、映像で姿を見せたメイリィ。

「実体なきものね、あの子の敵は。そうなんでしょう?」

 まるですぐそばの時空戦闘機にも、その隣の映像メイリィにも気づいてないかのように、顔を伏せたまま、しかしリルカは呟きのような声で聞いた。

「いつ気づいたの?」

 別に隠す必要もないので、メイリィは素直に気になることを聞き返す。

「たった今よ。通常の物質を使った戦いで最強のやつが、最強じゃないわたしたちに助けを求めてきたんだから。最初からそう考えて当然ではあったわ」

「リーザは、もう直接そういう存在と会って、その体1つだけで戦ってもみたらしいわ」

 実体なきもの、《虚無を歩く者》。"世界樹"に現れたソレをリーザは……

「それなら、あの子はうまく逃げたじゃなくて、うまく勝ったんじゃない。いえ、聞くまでもないわね、そうに決まってるし」

 もう敵意もなく、悔しそうでもなく、純粋に嬉しそうだったリルカ。

「だけどそうなると、この国が作られた理由は、最初からそういう存在と戦うためだったって話、本当だったのかしら」

 リルカもそれは聞いたことがあるが、やはり嘘の可能性が高いと考えていた。

「わたしもまだ確信してるわけじゃないけどね。だけど、すぐにその答えもわかると思う。リーザが中枢に向かったから」

「あなたが行かせたの?」

 そこでリルカは、ようやくメイリィの方に顔を向ける。

「いいえ、わたしがまだあの船のとこに行く前よ。まあ、わたしがいても止めはしなかったとは思うけど」

 ミーケたちの話を聞いた後ならば特に、間違いない。後にあるのだろうおそらく避けられない戦い、現実的にそこから破壊しないで盗みを働ける者。どう考えても、中枢の機械を盗むために単独で向かったリーザは正しい。

「さすがに大丈夫なの?」

 理由はともかくとして、本気で心配してる部分はあるのだろう。むしろ少し怒っているようでもあったリルカ。

「わたしは、実はあまり心配してない」

 それも、ミーケたちの話を聞いていたからだ。

「あの子たちの目的を考えるなら、この国を作ったやつらとも利害は一致してるはず。今回ばかりはわたしと同じように考えるはずよ。それならまずは、足枷をとろうってね。中枢なら、必ず力になってくれるはず」

「ミジィね」

 名前を出されるまでもなく、そうだとはリルカもすぐにわかる。

「だけどあの男、それほど役に立つの? わたしからすれば、ずっと昔っから、あの古い連中の近くにいながら、結局何もできない臆病者みたいにしか思えないんだけど」

「そういうところも誰かと同じってことよ。ねえリルカ。わたしはね、ほんとのこと言うとリーザのこと、最初から嫌いで、だけど好きなところもあったのよ」

 そしてメイリィは懐かしそうに、しかしなぜか少しだけもの悲しそうに、それでも笑みを見せた。

「似てる部分がむかつく訳よ。虫も殺せないような性格のくせに、わたしより簡単に強いところとかね」

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