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雑文集  作者: 土竜
3/4

集ノ三

ハロウィンに合わせて久しぶりに投稿しました

みじかめのほんのりダークです

冥府鉄道


初めまして。


私は冥府鉄道・現世駅で駅員を務める者です。

冥府鉄道とは、御察しの通り、死者を冥府まで運ぶための公共交通機関でございます。

MRメイフレールウェイズと略する方もおられますな。


この冥府鉄道の目的地までには、視界を埋め尽くす見事な花畑や、雄大さと神秘を感じさせる森、悠久の流れを湛える大河など、様々な風景を楽しむことができます。


御乗客の皆様は1人1枚、

大人もしくは小人と書かれただけの小さな白い切符(ホワイトチケット)と、お札程の大きさで、乗客の名前・行き先・座席番号・管理番号・見映えのよい装飾までついた緑の切符(グリーンチケット)のどちらかを持っていらっしゃいます。


おっと、アナウンスの仕事があるのを忘れていました。

ちょっと失礼。


プルルルルルルルルルルルルルル

『まもなく、2番ホームに列車がまいります。緑の切符(グリーンチケット)を御持ちの御客様は、高架橋をわたって2番ホームへお急ぎください。まもなく列車がまいります。白線の内側に下がっておまちください』


お待たせいたしました。

これは大事な仕事なので。


ほら、列車が入って来ましたよ。

最近は現世の列車をモチーフにした車両が人気でして。

おっと失礼。またアナウンスをしないと。


『御乗車ありがとうございます。●●時●●分発・冥府行き。間もなく発車いたします』

プルルルルルルルルルルルルルル


ふう。無事なにごともなく出発してくれました。


え?どうして切符が二種類あるのか?ですか。


まあ緑の切符の乗客が居なくなったのでお話してもよろしいでしょう。


実は、豪華な装飾のある緑の切符は地獄行きの切符なのですよ。


理由としては、昔は天国行きの切符が緑。地獄行きが白だったのですが、地獄行きになる人間は、強欲で身勝手な方が大半を占めています。

そのような方が、天国行きの切符を持っている方がいたら奪い取るのは必然です。


以前はよく、横行していました…。


その対策として、切符の色を取り替え、緑の切符を大きく豪華にし、列車も、現世の豪華列車を参考にしたものを使用し、地獄行きとはわからないようにしたのです。

さらに切符自体に、自分が天国行きだと疑わない仕掛けも施したのです。


最初からそうしておけばいいだろうと思ったのは私も一緒ですよ。

その辺りが御役所仕事なんですよねぇ…こまったものです。


ちなみにこの駅は終点なのですが、下り列車に御客様が乗ってくるのは年に2~30回ほどです。

貴方のお国でいうところの、お盆のような行事に合わせてお乗りになってきます。


あとは、ハロウィーンの時に人間ではない方々が乗っていらっしゃるぐらいですかな。


プルルルルルルルルルルルルルル

おや、そろそろ貴方の乗る上り列車が到着するようです。

では、貴方様が下り列車でお越しになるのをお待ちしております。

貴方のもってるのはどっちの切符(チケット)ですか?

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