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52話 Devil resurrection Ⅲ

「みんな行くぞ!」

「「了解!」」

虎狼の指揮のもと残りの生徒会長メンバー三人が散開、的を絞られないように動く。初めに仕掛けたのは綾乃だ。

「はあっ!」

砲弾がアークの腹部を貫くがすぐさま回復、そしてアークの注意が綾乃に向き背中からミサイルを放つ。

「来たきた!」

その場から引き返しアークとの距離を開く。

「そろそろだね!」

立花の言葉に佑は静かにしゃがみ全てのミサイルをロックオンする。そしてそのデータを立花の武装に転送する。

「ありがとう、来たわ」

虎狼が持ってきた多段ランチャーを両肩に上下2つずつ装備した立花は空中のミサイルに向けてランチャーの火を吹かす。

4つの多段ランチャーから放たれたミサイルはアークから放たれたそれを軽く上回る数で次々に撃墜し弾幕を掻い潜ったミサイルはアークに着弾、流石のアークもミサイルの着弾の衝撃で徐々によろめく。そして目標を変え立花達を狙おうとし腕を振り下ろした。そこに素早く南帆が割り込み刀を構える。

「っ!」

手が触れる直前に南帆は刀を振り腕ごと粉砕する。しかし瞬時に再生し再び伸びてくるが刀を持ち替え振り下ろす。

「玖由さんから聞いていた通りです、瞬間回復は初見だと防げなかったでしょうね、ですが知っていれば対処は可能です!」

再生しかけていた腕が再び粉砕する。

「そして続けて怪我をした後、暫くは再生出来ないこともです!」

腕を再生出来なくなったアークは口を開け光を圧縮する。

「そうしてくるのも予想はしていたよ!」

虎狼は大きく飛翔しアークの顔の前に現れ両脇に抱えた単発ランチャーを放ち顔面を直撃、更に光の圧縮点に限界まで近づき光の塊に向け砲撃、光に飲み込まれた砲弾は誘爆しアークの顔をまきこむように大爆発を起こし虎狼の狙いどうりアークの顔が消し飛ぶ。その自爆の威力は凄まじくアークが自己再生を行えない状態になっていた。

「これで再生能力は封じれた!」

「こんな連携ができるなんて流石生徒会長ね」

着地した虎狼は綾乃達と共に一度玖由達の元に戻って来る。しかしその時だった。アークが周囲を破壊するように身体を振り回し初め消し飛んだ首元から無数の槍が放たれ降り注ぐ。

「もう一度散開だ!」

四方に散開した玖由達だったがある違和感に気づいた。

玖由、京也の二人には全く槍が降り注がず武装を纏う綾乃達、そしてクリークである瑞鶴達三人のみが狙われていた。

「なんかすごい狙われてる気がするんだけど!?」

「確かに…わたくし達だけ狙ってきてる感じですわね」

軽々と回避し直撃しそうな槍を大鎌で弾く。

「相変わらず余裕そうで!」

皮肉を込めた言葉を放ちながら瑞鶴は艦載機を放つが槍の雨により放たれた直後になすすべなく撃ち落とされる。

「すぐ撃ち落とされてたら為す術が…」

「私が…止めてきます…!」

「待って!ビーニ!」

瑞鶴の制止を聞かずに槍を回避しながら突撃した。

「まずい!」

頭上から降り注ぐ槍を見て瑞鶴は玖由を力一杯突き飛ばす。軽々と吹き飛ばされた玖由だったがある程度まで吹き飛んだ所で瑞鶴の装甲が受け止めた。直後瑞鶴に槍が降り注ぎ瑞鶴がそれを掠めながらも回避する。

「いっ…」

(痛み…!?クリークは痛覚を感じ無かったはずなのに!)

次々に掠め痛みを感じながらも自身の真上に装甲を展開した。

「はぁ…はぁ…」

「瑞鶴!」

「来ないで!」

近づこうとする玖由を精一杯の叫びで止める。その間に槍が装甲を貫き始める。

「瑞鶴さん!」

ビーニはふと脳裏に記憶のような映像が過ぎる。

身代わりになる彼それを止めようと手を伸ばしたが目の前で心臓を貫かれた、目の前で絶望している所に無数の槍が私を貫いた…

「だめぇっ!」

引き返したビーニは背中からアークの槍が刺さりながらも止まることなく瑞鶴の元に向かい突き飛ばし瑞鶴が受けていた槍をも自身で受けた。

「ビーニっ!」

全身に無数に刺さった槍を見て

「あぁ…そうか…私達は…いや私達も…」

ビーニを突き上げられアークに飲み込まれた。

「まさか…!アークアルマも大和の時と同じ…」

飲み込んだアークは人型に変形を初める。

「はぁ…やっとなれた…」

ビーニと同じ姿、口調、声をしていたアークは紅い瞳で瑞鶴を見た。

「良かったね…私…ビーニ…のお陰で命拾いして」

「お前ぇぇぇっ…!」

怒りを露にする瑞鶴の目の前にアークは現れ

「残念…ビーニは無駄死に…だね」

突き出した拳の衝撃波が瑞鶴を貫き地面に亀裂を起こさせた。

「なっ…」

アークの拳が瑞鶴に当たる直前京也が横から手を伸ばし受け止めていた。

「許さない…お前はこの手で殺す!」

片目が紅く輝きツクヨミの力を引き出す。

「はあっ!」

宙に鋭利な結晶を創り出しアークに向けて放つ。素早くアークは後ろに下がる事でそれを回避した。

「それが…神の力!」

アークは目を輝かせ京也に突っ込む。全身の傷が癒え、結晶で創造した鎧を身に纏いアークの攻撃を受け止める。

「驚いた…傷一つ付かないのか…」

「そんな攻撃何発喰らおうが効かない!」

地から結晶が突き出しアークを目の前から遠ざける。その結晶に京也が触れた瞬間結晶が砕け剣が現れ抜き取る。

「はあっ!」

アークに斬り掛かる京也の剣は一度振る度に細かな結晶が放たれる。

「攻撃する度に…回避が出来なくなっている…!?」

「言っただろ!俺はお前を殺すと!様子見をしてる暇があるなら死ぬ気で交わせ!死にたくなければな!」

その時京也の一撃アークの腕を切り飛ばした。


その様子を見ていた玖由達は加勢する隙を伺っていたが想像以上の激戦に玖由だけではなく虎狼達までもが割り込む隙を見つけられずにいた。

「京也…あんなにツクヨミの力を使いこなしてる…」

綾乃の呟きに玖由は

「そうね…何より恐ろしいのはあれでもまだ半分の力って事よ…」

そう答え玖由は京也とアークの動きに目を向けた。


「わぁ…すごいね…これが神の力…」

宙を舞う腕を掴み再生させた。

「はあっ!」

アークから放たれたアルマの塊の柱を京也に押しつけ更に木に押し付け挟む。

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」

結晶の力がアルマの柱を侵食し砕く。砕ける柱の残骸を押し退け京也はアークを突き上げ身体を宙に浮かせそこに拳を連続で打ち付ける。

「かはっ」

「逃がさない」

軟化した結晶をしならせアークの身体縛り地面に叩きつけ京也は腕を横に振る。それに合わせ結晶がアークを地面に引きずりながら投げ飛ばした。

投げ放たれたアークはソニックブームを巻き起こし木々をなぎ倒す。

「まだだっ!」

間合いを詰め再び攻撃を仕掛けようと京也は動く。

「まだ…か…ふふっ」

「なっ!京也君近づいたら駄目っ!」

「えっ」

アークの表情の変化に気づいた玖由が叫ぶ。

「遅いんだよぉ!」

口調が豹変したアークは吹き飛ばされながら体制を立て直し木に着地向かってくる京也の武装を掴み地に叩きつける。京也を中心に地面に亀裂が走り京也の纏う結晶が砕ける。目を開けると自身に銃口が向けられている事に気づき素早く地を蹴りその場から離れる。次の瞬間銃口が火を噴き銃弾が放たれる。その銃弾は地に着弾後も回転力が衰えず銃弾は方向を変え京也を囲うように跳ぶ。

「跳弾!?」

地に指をなぞらせ細い結晶が地から網状に伸び跳弾する弾の進路を無くし、銃弾は結晶に切り裂かれる。

「あははっ!ははっ!」

アークは拳を突き出すと細い結晶はいとも容易く粉砕し銃弾をばら撒きながら接近する。

「助けに行かないと…!まずいよ!」

「そうね…なら綾乃お願いできるかな?」

「えっ…?」

京也は結晶の創造を駆使しながらアークとの距離を一定以上詰められないように立ち回る。そこに無線で玖由の声が届く。

『5秒後に目の前にアークの視界を隠すように結晶を創って、同時になるべく高く上に飛んで!』

「えっ…あ…わかりました!」

(3…2…1…今っ!)

京也は前面に結晶を展開しアークの視界を遮る。

「無駄…だって言ってるじゃない!」

アークは蹴りで結晶を破壊する。しかし目の前に京也の姿は無かった。その代わりに遥か先に砲塔を構える綾乃の姿があった。

「よくも…京也をっ!」

轟音を響かせ砲弾を放ち京也ね足元を通過し不意打ちだったアークは砲弾の直撃を喰らう。黒煙が巻き上がる中アークが姿を表さないのを見て京也は綾乃達の元まで戻る。

「どうだ…」

「あーあ危なかった」

その声に京也達の背筋が凍った。すると黒煙から黒い光が玖由達に向けて放たれた。

「あれぐらい!」

京也はふらりと立ち上がり結晶を創造し受け止めようとしていた。

「京也君…!これ以上したら…!」

「それでもこうしないと先輩達を守れない…やっと守る側になれたのに何もしないなんて出来ない!」

「そうよね!なら私も手伝うわ!」

上空を通過したジェット機から結彩が飛び降り京也達の前に着地する。既にツクヨミの力を纏い腕を黒い光に向け、手に光が接触した直後光が結晶化し粉砕する。

「よく頑張ったね、みんな」

長い髪を靡かせながら結彩は優しい笑みを向けた。

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