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51話 Devil resurrection Ⅱ

「な…なに!?」

突然の揺れの中更に地面に亀裂が入り黒い塊が上昇し腕のようなモノが生える。

3つの斑点が両目と口の位置に配置されそれが玖達を捉えていた。

「蘇った!アークアルマよ!予想外の存在に敬意を!」

教皇はそう言い玖由を見た。

「私がその予想外だと?」

「その通り貴方は…」

教皇が言葉を発しようとした直後玖由の意識が一瞬飛んだような感覚に襲われる。

『黙れ…』

「!?」

脳裏にその言葉が浮かんだ直後、巨体のアークアルマがよろめく。アークアルマには足が存在せず全体で身体を支えているが未だバランスが取れないのかふらついていた。その時それは教皇を飲み込み踏み潰す。

「なっ…!」

教皇の思わぬ最期に京也は言葉を失う。

(今の感覚…なんなの…)

「先輩!」

京也で我に返った玖由の目の前にはアークアルマの巨体が迫り飲み込もうとしていた、それを京也は玖由を抱き上げ救出した。


「立花さん…あれって…」

見た事ない巨大な生物を目にし立花に見間違いで無いかを確認するように問いかける。

「アルマに似たような感じだけど…見た事ない…」

数十キロは離れているはずの場所からでも確認できるそれを目にし立花も自身の目を疑った。ビーニは嫌な予感を感じ思わず口にしてしまう

「もしかして…あそこに玖由と京也も」

「確かにあっちは愛宕山の方だね」

「なら急いでいかないと!」

その言葉を聞き立花に判断を仰がずに綾乃は履帯を回転させ愛宕山に向かおうとしたが、線路沿いに辿ってきた虎狼達が現れる。

「避難民はもう大丈夫よ」

南帆が避難状況の報告をしアレを指さす。

「あれは何かわかる?」

「分かりませんだから今から向かって確認してきます!」

「待ちたまえ!君一人では無謀だ!」

綾乃の腕を虎狼は掴み制す。

「離してください、早くしないと玖由も…京也も…死んじゃうかもしれないんですよ!」

綾乃の言葉に驚いた拍子に掴む力が緩むのを感じ振り払い綾乃は巨大なアレに向かった。

「綾乃君を追うぞ!」

虎狼達も綾乃を追うようにして向かった。


そしてその巨体は夕立達にも見えていた。

「あれはなんですか…?」

(まさか…あれが復活してしまったのですの!?)

「夕立なにか心当たりあるのですか?」

葵は夕立が僅かに動揺しているのを見て尋ねる。

「い…いえ…わたくしもあれを初めて見たので…葵、松根を連れて京都支部に向かってください、わたくしはあれを見てきますわ」

夕立は葵の返答を待たずに飛び出す。余裕があるように振舞っていたが焦りを隠しきれていない夕立の後ろ姿に葵は嫌な予感がした。


「京也君!」

「了解です」

京也達は怪物の頭上まで飛翔し爆弾をばら撒く。爆弾はそれに飲み込まれ起爆しその衝撃波が顔面を粉砕した。

「効いてる…のか?」

「残念だけど…そうはいかないみたい」

粉砕した筈の顔面が瞬時に再生し口のような斑点が開く。

「っ!京也君降下して!はやく!」

玖由の言葉に疑問をもちながらも切羽詰まった玖由の言葉に従い急降下する。直後それの口から黒い光が放たれた。

「あんなものに触れたら…!」

「まぁ死ぬわね」

「冷静に言っている場合ですか!?」

口から光を放ったまま逃げる京也達を向こうとする為、光も同じように追いかけてきていた。

「とにかく光を吐き切るまで逃げるしかないわね」

「だから冷静に分析して言わないでください!」

京也は加速し光との距離をとる。

「京也君手を離して!」

「でも…!」

「大丈夫だから!」

玖由の言葉を信じ手を離す。落下する玖由は光が目のまで前に近づいた瞬間空中に装甲が現れそこに着地し重心を前に倒し足を伸ばした勢いをばねにアークアルマに突っ込む。

「はぁぁぁっ!」

刃渡りの長い剣を展開し口に向け振り上げ切り裂く。光を放つ口が傷つけられ光線が途絶える。すかさず巨大な手が伸び玖由を掴もうとする。

「はあっ!」

武装が復活し身にまとった瑞鶴が装甲を足場に飛び上がり切り裂くが瑞鶴の持つ武器では腕を切断する事は出来無かった。

「玖由っ!」

その時背後から回転する大鎌が玖由を避けるように左右に大きく膨らみながら通り過ぎ瑞鶴のつけた傷を貫き切断した。

「夕立!?」

「玖由前ですわ!」

しかし一瞬で再生を初めアークアルマはその再生速度を利用し腕を再生しながら高速で玖由に向け腕を伸ばした。

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」

それに対し玖由は剣を構え突き出す。腕が剣に触れた瞬間腕が玖由を中心に四方に裂ける。

「ぐっ…ぁぁぁぁぁぁ!」

武装を纏っていない人間の力ではアークアルマの力を押し返す事が出来ず徐々に玖由が押される。玖由は絶叫とともにバリュキリーシステムの力を全開にし腕に集中させる。しかし全開のエネルギーが一点に集中したことにより腕のシステムから火花が散り始める。

「もう少し、持って!」

その言葉を放った瞬間一瞬玖由の周囲に光の粒子が現れる。その直後スパークが収まり容量を超えている筈のエネルギーが伝わる。その状況に玖由は理解できなかったがこのチャンスを逃さないように剣を回転させ四方に裂けた腕を本体から再び切断する。それと同時に全身のバリュキリーシステムにスパークが走り爆発を起こした。しかしその爆発の威力が低かったため全身システムが破損し肌が露になり至る所から血が流れているだけで済んでいたが力無く地に向けて落下していく。それを京也が受け止め素早く離脱した。

しかし京也も列車砲戦での傷が痛み我慢の限界を迎えていた。

「っ…」

地面に着地したのと同時に京也の纏う武装が解ける。

「お互い限界のようね…」

息が荒く苦しそうな表情で玖由は京也に声をかける。そんな二人を見てアークアルマが背中からミサイルのような弾丸を放った。それは迷い無く二人に向けて突き進む。

それを見た夕立、瑞鶴がミサイルを打ち落とそうと試みるが数の多さから全てを打ち落とすのは不可能だった。

『夕立!瑞鶴!そのまま迎撃をして!』

二人の無線に声が届いた直後、遠方から砲弾が降り注ぎミサイルを爆発させていく。

「今の声…綾乃!?」

「間に合って良かったわ」

息を切らしていながらもそれを隠すように振る舞う綾乃に玖由はくすりと笑う。

「来てくれてありがとうね」

玖由のその言葉に綾乃は顔を赤らめ顔を逸らした。

「も…問題無いわ、仲間として当然の事をしただけだから」

綾乃はアークアルマを見上げる。

「うわぁ…あれ倒せるのかな…」

目の前で見るアークアルマの大きさに立花がそう呟く。

「図体がデカいだけのアルマ、そう考えれば恐れることなんてないさ」

虎狼が二人の目の前に立つ。

「よく頑張ってくれた二人とも、ここからは我々がアレの相手をする!」

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