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50話 Devil resurrection Ⅰ

「居なさそうね」

鏡を洞窟出口から出し死角に敵が居ないことを確認し玖由と瑞鶴は洞窟から脱出する。

「とにかく頂上を目指そうかな」

「どうして?」

「今私達がいる場所が分からないから上に行けば大体は把握できるでしょ」

そう言いながらある程度舗装された道では無く草木がおおい茂る場所に飛び木の枝を掴む。

「そっち!?」

「当たり前でしょ、舗装された道なんて罠がありますって言ってるようなものでしょ、それにこれ以上時間を無駄に出来ないから最短よ」

自身の身軽さを利用し木々を飛び移り山を登っていく。僅かに諦めた表情を見せた瑞鶴も大きく飛翔し同じ様に木々を伝う。

その道中、足音と話し声が聞こえ玖由は立ち止まりその横に瑞鶴が着地する。

「本当にあの儀式をするのですか」

「教皇はそうお考えだ」

「ですがそんな事をすれば」

「あぁ京都は消滅するな」

会話を聞いていた瑞鶴は驚き玖由に声を掛けようとするが隣には誰もいなかった。

「まさか!?」

瑞鶴は二人の信教者に視線を向けた。

「あの儀式って?」

「アークアルマを復活させる事さ、京都(ここ)には昔から負の流れが濃い場所でありそれを浄化する為に神々が集まる、我々は負の流れで神々を飲み込みアークを復活させる」

「なるほどそんな儀式があるのね」

「ぐはっ…」

片方の信教者が倒れるのを見て我に返る。

「だっ誰だ!?」

「気づくの遅いわよ」

呆れたように言い放ち頭部を強打し倒した。

「なにやってんのよ!?」

物陰から飛び出し玖由に詰め寄る。

「事情を聞けたからいいでしょ、それより急ぐよ、聞いた限り時間に余裕はないわ!」

そう言い収納していたランチャーを一振りし玖由の背丈と同じ大きさに拡張させる。

「今度は何する気!?」

「離れてて!」

と言いつつも瑞鶴に退避する猶予を与える暇を与えずに引き金を引く。

光が一点に集中、容器の中で光が飽和する直前レーザーのように光の一筋は山を抉りながら山を駆け上がる。

上空から玖由を探す京也は光の柱を見つける。

「あれは…」

玖由が放ったものでは無いかと考えた京也は光が放たれた場所に向かった。

そしてその光が遥か遠くに居た者達の目にも届いていた。

「あそこに向かってくれ」

彼は輸送機を操縦する者にそう指示をした。


「教皇様!早くお逃げ…」

教皇にそう呼びかけた信教者の背後に光の一閃が通過した。

「なんだ!?」

その直後駆け上がった玖由が姿を現し教皇に斬り掛かる。

「小賢しい!」

杖を地に突き刺した瞬間、地から触手のような物が生え玖由の刃を受け止める。同時に触手から更に触手が勢いよく突き出され玖由の腹部を押し当てその状態のまま玖由を空中に持ち上げる。

「なにこれ…」

玖由を宙に押し上げた触手はしなり背後に回りこみ玖由を地に叩き落とした。

「玖由!?」

「かはっ…」

それを見て笑みを浮かべ教皇は更に力を入れる。すると触手の先端が鋭利に尖り玖由に向けて降下する。

「まずい…」

地に突っ伏したままの玖由だが腕を伸ばしワイヤーを離れた木に巻き付ける。それを確認したのと同時にワイヤーを巻き取りその場から離れる。地面に突き刺さる触手は玖由の着地地点から再び湧き現れる。玖由は飛翔し空中からランチャーを地に立つ教皇に向ける。

「そんなガラクタでどうするつもりだ」

杖を玖由の持つランチャーに向ける。すると地から槍が放たれランチャーを貫く。

素早くランチャーから手を離す。しかし至近距離で爆発を起こした為玖由に衝撃がもろに直撃した。防御体制をとったが完全には防ぎきれずに落下する。そんな玖由に触手が絡みつき首を絞める。

「ぐぁ…っ…」

両手を縛られ宙に浮いている為もがく事が不可能だった。

「玖由っ!」

瑞鶴は魔法陣を展開し艦載機を放つ。しかし触手から無数の針が放たれ艦載機を撃墜する。

「隙ありっ」

杖を突き出し教皇に攻撃を仕掛けるが教皇の杖に触れた瞬間瑞鶴の纏う武装が消滅する。

「えっ…武装が消滅した…」

教皇の杖の一撃は軽々と瑞鶴を吹き飛ばした。

「ま…ずい…」

徐々に意識が遠のくのが分かり、身体の力も抜けていった。その時

「先輩っ!」

両手に持った剣を振り下ろし触手を切断し落下する玖由を受け止める京也は地に滑るように着地した。

「助かったわ」

首をさすりながら玖由は京也を見つめる。

「な…なんですか…」

「列車砲は片付けてくれたのね」

「は…はい、なんとか」

「怪我してない?」

本当は自分が真っ先に聞こうとしていた事を先に聞かれてしまった。

「俺は問題ないです」

貫かれた手の平が痛み脂汗が滲んでいたが応急処置をしたため問題はないと思っていた。しかし心配してくれる相手に対して嘘をついてしまった為に、僅かながらも罪悪感を感じ玖由を心配する言葉をかける事が出来なかった。

「そうなのね、良かった」

もちろん玖由は京也の嘘には気づいていた、それよりも自分を心配されないように京也を心配したが狙いどうりに京也は心配の言葉を言い出せない状態になっていた。

「それよりあいつは…」

「ワーストの教皇らしいわ、倒さないと京都が消えるわ」

「なら倒すしかないな」

立ち上がる京也の腕を玖由は掴み

「あの杖は気をつけて武装を強制解除させる力があるみたいだから」

「厄介だな…なにか作戦はあるんですか?」

「いいえ…打開策は思いついてないわ」

「なら俺があいつの相手しておきます、その間に作戦を立ててください」

「大丈夫なの…って聞く必要は無いわね、任せたわ」

「了解」

京也は教皇との間合いを詰める。それを見て教皇は杖を地に突き刺し再び黒い触手を生やす。

「くっ…!」

京也の動きに反応するように触手が分裂する。

「はあっ!」

立ち止まり振り返る勢いと同時に剣を大きく振り衝撃波が触手を粉砕し開いた隙間に向けて飛翔それを追うように触手は急旋回する。

(小回りもよすぎる…振り切る方法は無いのか)

追いつかれると思った京也は爆薬をばら撒き触手にそれを貫かせ爆発を起こさせる。

(なんだ…触手の動きが)

爆煙の中で京也は触手の動きを観察するがそれは京也を見失い探るように動いていた。

(もしかして…)

京也は加速し黒煙から脱出、降下する京也に教皇が気づくと一斉に触手は京也の後を追ってくる。

(京也君のあの動き…まさか!)

「京也君!聞こえる!」

無線機を起動させ京也に呼びかける。

「はい!」

触手の猛攻を避けながら京也は応答した。

「確認だけど爆煙の中で触手はどんな動きをしてた?」

「俺を見失っていました」

「やはりそういう事ね」

玖由は京也に作戦を伝えた後、瑞鶴の元に向い作戦を伝える。

「分かった、まだ武装は使えない状態だけどそれぐらいならやれるわ」

「お願い」

バリュキリーシステムを起動させ素早く教皇との間合いを詰める。それに気づいた教皇は玖由に対しても触手を向けるが動きは僅かに遅く数も少なかった為に容易に対応出来た。

(やっぱり、触手を動かしているのは教皇の視界!)

「瑞鶴!」

「了解」

物陰に隠れていた瑞鶴が両手に溢れそうな程のグレネードを手にしておりそれをばら撒く。地面に落下したグレネードは勢いよく煙を巻く。噴射する勢いでグレネードが地面を回転しそれにより更に煙が周囲に撒き散らされる。それを見て京也は煙の中に飛び込む。

「なんだと」

煙に隠れ二人を視認出来なくなった教皇は動揺の声を漏らす。その間にも煙は広がり教皇をも飲み込む。

(京也君いくよ!)

鏡を使い太陽光の光を反射させる。

(あそこか!)

反射し点滅する光を目指し京也は急降下する。

「はあっ!」

「なにっ?!」

教皇は驚ろきとっさに杖を降ってしまう。

「そうくるのは分かっていたわ!」

身体を仰け反らせ足を振り上げ杖を上に向ける。そこに京也が通り過ぎざまに爆薬を取り付け起爆、杖が粉々に砕け、衝撃で仰け反った教皇にヴァルキリーシステムを起動集中させた拳を突き出し周囲を舞う煙を吹き飛ばす程の衝撃波を放ち教皇を吹き飛ばした。

勢いよく木にぶつけられた教皇は口から血を吐き出すがすぐに笑い出す。

「感謝するよ!我々の儀式を手伝ってくれて!」

教皇がその言葉を放った直後、大地が大きく揺れた。

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