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4話 Secret Ⅱ

輸送艦の護衛任務をしていた映月達だが異変もなく暇を持て余した映月は空からの警戒をしていた。

「暇だー」

ふらふらと武装を纏いながら飛ぶ映月はそう呟く。

「文句を言わない、何も無い事は良い事でしょ」

芙弥の言葉に映月はため息を付き

「この輸送艦の中身ってなんなのだ〜」

「聞いてなかったの?対アルマ殲滅兵器って言ってたでしょ」

「対アルマ殲滅兵器か…人間もやるようになったのだよ」

次の瞬間、護衛艦の一隻が2つに分裂する。

「「!?」」

「一体何が!」

神永、冰渼はモニターを見るがなにも変化が無かった。

「どういう事…」

「ステルスアルマなのだよ!」

「そういう事かっ!全艦海中を警戒!」

しばらくの沈黙の後、海中から迫る影に気づき

「みんな下から…」

映月の言葉よりも早く鋭い棘が船を突き上げ爆発を起こす。

「みんなが…」

海中から現れた巨体は威嚇をするように雄叫びを上げ護衛対象の船に向けて手を伸ばす。その手を四方から放たれた砲弾によって貫かれる。それを囲むように護衛艦が展開され主砲、副砲が向けられる。更に映月は高速で迫るエンジンの音を聞き振り返る。

「F-4…後方に配置されたかがから放たれたのだな…」

映月を追い越し急旋回し巨体に向けてミサイルを放つ。同時に海上の護衛艦からも誘導ミサイルが放たれる。白煙を巻き上げ巨体に向かうミサイルだがいきなり軌道が変わり互いに衝突し爆発する。すると巨体から浮遊するアルマが生み出されF-4戦闘機に向かう。

戦闘機隊は後ろに付かれない様にと旋回を繰り返し無誘導ミサイルを放ち浮遊アルマを落とすがその隙を狙われ機銃を浴び墜落する。浮遊アルマの群れはその状態のまま多段ミサイルを放つ。

すかさず戦闘機隊はフレアをばら撒きミサイルを逸らし防ぐが爆発の煙に紛れた浮遊アルマの機銃にエンジンを撃ち抜かれ次々に落とされる。

「このままだと…!」

浮遊アルマの数を減らしていた映月だが数が減らず最後に残った戦闘機を見上げる。後ろに付かれながらも巧みな動きで振り切り一体づつ確実に落とす。囲まれミサイルを放たれるが再びフレアを巻くがそのミサイルはフレアを無視する。

戦闘機は急上昇しミサイルをかわそうとするがミサイルも共に上昇する。すると戦闘機は機体を回転させミサイルを横切らせる。するとミサイルはその場で半回転し戦闘機に正面から衝突し爆発を起こす。

「あはは、こんなの勝てないのだよ」

海上では巨体アルマの注意を引く為砲撃を繰り返すがその中の一隻が砲塔を回転させ味方の護衛艦目掛けて砲撃する。

「乗っ取られたのだな…」

アルマに奪われた護衛艦は次々に他の船を行動不能に追い込む。

そして主砲が素早く回転し輸送艦に向く。乾いた音と共に砲弾が放たれたが別角度から飛んできた砲弾と掠め軌道がずれ砲弾は水面に着水する。反対に飛んできた砲弾は軌道が修正され護衛艦の主砲を貫く。更に映月の横を一機の戦闘機が横切る。

(F-14!?…いや違う)

と左翼に書かれた文字が目に入る。

(Ja1まさか!?)

「映月大丈夫?」

「その声は蒼嵐なのか!?」

「遅くなってごめん、救援に来たわよ!」

F-14を改装した戦闘機F-14Ja1に乗った蒼嵐が無線で映月に伝える。

「ここから私達がやるからっ!」

機体の下部から刃が突き出し浮遊アルマをすれ違いざまに切り裂く更に機体の上下を反転させ機体の一部が開き3人が落下する。

「良い!綾乃はあのでかいのを私と姉ちゃんで占拠された護衛艦の奪還する」

「えっ…ちょっとあれを私1人で!?」

落下しながら玖由は腕を突き出し親指を立てる。

「ファイト」

と言い綾乃を突き飛ばす。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

向かってくる巨体の腕を見て悲鳴を上げた。

そんな綾乃を無視し護衛艦に乗り込んだ2人は分厚い鉄の扉をこじ開け突入する。

「絶対許さないからぁぁっ徹甲弾装填!放てっ!」

刃の付いたワイヤーをアンカーから放ち巨体の腕に突き刺し狙いを固定させ砲撃する。着弾と同時に爆発し腕を切る。

「次っ!」

そう叫びアルマを見上げた。そして出撃前に玖由から言われたアドバイスを思い出す。

『アルマと戦う時は頭か胸を狙えば文字通り一撃必殺、特に大型のアルマと対峙した時は頭を狙うのは困難だから…』

「胸だけを狙えば良いのよねっ!」

アルマの心臓部にアンカーを向けワイヤーを射出する。ワイヤーが巻き取られ急接近しながらも長身の砲塔をアルマの心臓部に向ける。

「当たってっ!」

徹甲弾は綾乃の狙い通りにアルマの心臓にめり込み爆発を起こし穴を開ける。すると悲鳴のような叫びを上げながら消滅する。

「やるじゃない」

その様子を見た蒼嵐は褒める様にそう呟く。

「蒼嵐前っ!」

後部に座る流星が目の前から向かってくる浮遊アルマに気づく。

「大丈夫、私達も本気出すよっ!」

飛びたしていた刃を収納し加速する。そして浮遊アルマとすれ違う瞬間に再び刃を突き出す。すると警戒をしていなかった為2つに切り裂かれ消滅する。

「まだまだ!」

両翼の下部に取り付けられたミサイルが放たれる。浮遊アルマはフレアを巻くがミサイルはそれに目もくれず浮遊アルマに直進する。それを見た浮遊アルマは逃げるように飛び上がる。ミサイルは浮遊アルマをロックオンし同じ様に上昇し徐々に間合いを詰め接触し爆発する。

「あと2体!」

「了解っ!」

と目の前に居る浮遊アルマを追い立てる。浮遊アルマは急旋回し蒼嵐達の背後に回りミサイルを放つ。

「機銃後方に向けて!」

両翼に取り付けられた30mm機銃が後方のアルマに銃口を向ける。浮遊アルマは構わずミサイルを放つが機銃から放たれる弾幕に撃ち落とされる。更に迫る弾幕をかわそうとするが、目の前から急速に接近する機体に気づき一体の浮遊アルマが再度ミサイルを放つ。接触する直前蒼嵐はF-14aJを旋回させ機体の裏から突き出す刃でミサイルを切り裂く。それが爆発するより速く二体のアルマとの間合いを詰める。

「刃は下だけじゃないわよ!」

両翼が浮遊アルマに接触した瞬間それらは上下に2つに割れ通過により巻き起こった衝撃波が消滅する浮遊アルマを消し飛ばす。

「こっちは片付いたわよ!」

と無線で船内に居る玖由達に報告する。

「了解…」

玖由はそう言いつつも不可解な状況に困惑していた。船内の敵を殲滅しようと試みていたがその全てが何者かに片付けられていたのだった。

「玖由…どう考える…?」

考えがまとまらない瑞鶴は玖由に答えを求めるように問いかける。

(仲間割れ…いやアルマは仲間割れを起こさないはず…なら、アームズの仲間が…けど私達が到着した時にはこの船に人の反応は無かった…となると…)

「第三勢力の出現…あくまでも可能性の中のうちの一つだから正しいとは言えないけど…」

と玖由は拳銃を手に取り銃弾を込める。

「気をつけた方が良さそうね…」

「了解」

と瑞鶴も二丁の拳銃に弾を込めた。そして艦橋の扉を勢いよく開け室内に銃口を向ける。

「誰も居ない…」

「相変わらずですね」

声のする方へ最大限の警戒をしながら歩み寄る。そこには玖由と同じくらいの少女が海を眺めていた。返り血が至る所に付着しているのを見て船内を殲滅した人物だと言う事が一目瞭然だった。

「あなたは…」

銃口を向けたまま玖由はその少女に問いかける。すると少女は玖由を嘲笑う様な口調で

「分かりませんか?ならこうしましょうか、私が誰なのかを当てるゲームを…」

「そんなゲーム誰が受けると」

「あなた達は受けますよ、いや受けざるを得ないです、なぜなら私はあなた達の中に居る裏切り者が誰なのかを知っているから」

「裏切り者…だと…!?」

「今はそれよりも」

少女は輸送艦を指さす。

「手遅れになりますよ」

「っ…!」

「さぁ、刺激的なゲームの開始です」

と言い残し少女は海に飛び降りた。少女の行方を探すが影一つ見つける事が出来なかった。

「玖由!それよりも輸送艦を」

「私が行く!」

無線から綾乃が答える。

「というかもう既に乗り込んでるから!」

綾乃の行動の速さに驚きながらも

「何を勝手に…今どこ!?」

と問いかける。

「とにかく対兵器のある場所に向かってる」

その言葉と同時に

『刺激的なゲームの開始です』

という声が再び脳裏に過ぎる。

「待って!今すぐ引き返して早くっ!」

その言葉をかき消す様に爆音が響き渡る。炎上し沈む輸送艦を見て玖由達は愕然とする。

「刺激的はこういう事なの…」

その時上空から落下してくる何かに気づいた瑞鶴

が玖由を抱き後ろに下がる。その直後、綾乃を抱いたカチが着地する。

「間一髪だったわ…」

「なんだ…生き残ったのね」

「なによその言い方」

不満を隠さない表情で玖由を睨むがそんな綾乃をよそに沈む輸送艦を見た。

(私達の中に居る裏切り者…)

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