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36話 Signal of annihilation Ⅰ

「機械人形…?」

自らを人じゃないと明かした二人に綾乃は驚く。

「私達はここの警護の為に作られた」

と作れた経緯まで自己紹介をした。

「そうそうだから侵入者は追い返すのが仕事だから君達が居なくなれば終わるんだよ」

「そういう訳にもいかない!俺達はヘルプの情報が欲しいんだ!」

京也の言葉に二人はキョトンとした表情を浮かべお互い顔を見合わせる。

「「……」」

「分かった、教えてあげる」

「いいのか?」

疑う口調で京也は尋ねる。

すると姉の機械人形は頷き

「理由は知らないけどあなた達がヘルプと敵対してくるならこちらとしても利があると判断したからよ」

「私を利用しようと…!」

怒りの表情を見せ機械人形達にぶつけようとする綾乃を冬菜が制止する。

「ここで情報を聞き出せなくなるのは愚策です…堪えてください」

先程の発言が癇に障ったのは京也も同じだったがその感情を表に出すのを抑えて話を続けていた。

「何が知りたいの?」

そして京也達はヘルプについての情報を聞き出す事ができた。

「最後に聞きたい」

と京也は二人の自己紹介を聞いてから疑問だった事を聞いた。

「二人はここの警護をしていると言ったな?」

その言葉に素直に機械人形姉妹は頷く。

「警護対象は施設なのかそれとも人…どっちなんだ」

質問の意図が読めず不審に思いながらも

「人だよ」

と妹が答えた。

「ならその人が全滅しているのに何故ここに居る必要があるんだ?」

「どういう事!?」

「ここの人間が前滅してるって言ってるんだ、嘘だと思うなら確認してみるといい」

すぐさま姉妹は耳に手を当て確認を始める。

その隙に横目で京也は二人に視線を送りこちらに来るなと言うような仕草をする。それを見た綾乃は

(こっちに来るな?…いや違う…逃げるぞ…それだ!)

京也の意思を察した綾乃は冬菜の武装を静かにつつきその事を伝える。

「分かりました…」

冬菜の返答を聞き綾乃は京也に向けて小さく頷く。それを見た京也は音を立てないように気をつけながら後退りを開始する。それを見て後ろの二人も後退を始めた。

「確認完了…登録ID者生命反応ゼロ…これは一体!」

姉は京也達に理由を尋ねようとするがそこには人気が無くなっていた。


「玖由!応答できる!?…玖由!」

廊下を駆け抜けながら綾乃は小型の無線を付け玖由に呼び掛ける。

『………』

無線から聞こえるノイズから繋がっている事は分かった。しかしそれでも応答しない玖由に不安を抱き始めた。その時

『 こちら…玖由…』

「良かった!ヘルプの情報は入手したわ!」

『了解…こちらも夕立の救出に成功…入り口で合流しましょう…』

無線の通信が悪いと言っても明らかに辛そうなのが伝わり綾乃は不安に思う。しかしそれを尋ねても返ってくる返答は容易に想像出来た。

「分かったわ、気をつけて」


無線が切れたのを確認し玖由は一息付き壁にもたれ込む。

「大丈夫…なの?」

夕立を背負う瑞鶴は心配そうに確認をする。

「気にしないで良いから、急ぐよ」

「なんで急ぐ必要が…これ以上無理をしたら!」

「どうやって入手したかは分からないけど綾乃の呼吸からして走ってる、騙しを使ったか…強奪したか…どちらにせよ追っ手が来る、もたもたしていられないわ!」

と綾乃から送られてきたヘルプの情報を憐斗を送る。

「そうね」

自分よりも他人を心配する玖由を見て溜息をつき

「それで玖由が潰れたらどうするのよ…」

と瑞鶴は呟いた。


モニターの前に座る憐斗は画面が明るくなるのに気づきすぐさま反応する。

「来たか」

立ち上がり準備を整えていた結彩達を見る。

「玖由達がヘルプの情報を入手してくれた!ここからは俺達の番だ!」

そう言い集まった全員を鼓舞した。

「みんな蒼嵐の為に…やっぱり蒼嵐はすごいんだね…」

「そうやね…」

結彩が憐斗の姿を見て微笑みながら呟く。

「そんな憐斗だから私は。」

「その憐斗の姿が…私は…」

(記憶が無くなっても結彩はそのままやね)

加奈も安心したように作戦を指示している憐斗の姿を見る。

「さーてうちも久々の出撃や!気合い入れるで!」


そしてヘルプの情報は明歌の元にも届いていた。

「ヘルプの基地の位置が分かったわ」

と松根と葵の二人に伝える。

「ありがとうございます…でもどうやって…?」

不思議思った松根は尋ねる。

「ふふっ暗部の情報網は凄いでしょ」

「そうですね…」

そういうものなのだと松根は自信に言い聞かせる。

葵は報告を聞き同時に素早く準備していた武器を仕舞いその一部を松根に渡す。

「ありがとう」

「………」

松根の感謝の言葉に反応する事無くその場を離れる。松根は気持ちに余裕がない事が容易に理解出来た。それは松根も同じだったがそれ以上に葵の気持ちが強かった。

「私はここからバックアップするわ」

「分かりました、お願いします」

そう答え松根は葵を追った。

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