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あなたの心を開きます  作者: missile
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出会い

ここは、夢野原町。

人口が多いわけでもなく、大きな施設があるわけでもない。ごくごく普通の所謂、田舎町と呼ばれる所だ。


僕の名前は、由良 心(ゆら しん)、夢野原学園高等部の二年生だ。


「心ちゃーん。」


こちらに手を振りながら向かってくる。ツインテールの幼女は、二面 未来(ふたおもて みらい)小さい頃からの付き合いで所謂、幼馴染という奴だ。具体的な思い出はないのかと聞かれればとくに思い出すことの無いような存在だ。


「おはよう未来。」


「おはよー心ちゃん。置いてっちゃうなんてひどいよー。」


毎日、遅刻ギリギリのお前を待っていられるわけ無いだろ。こっちは、学級委員や生徒会の役員の仕事もあって忙しいのに。


「僕も忙しいんだ。生徒会や学級委員の仕事があるからな。どっかの誰かさんと違ってな。」


皮肉交じりにかえしてやる。普段迷惑を掛けてくるお返しだ。


「ぶぅぅ。あっ、そういえば心ちゃん知ってる?最近の噂。」


頰膨らませ、バツが悪そうに話題をそらす。


「興味ないよ。噂は、噂でしか無いんだし。」


「そんなことないよぅ。実際に見たっていう人もいるし。」


「見たって何を?幽霊とかそういうベタなものじゃないのか?」


「違うよぉ〜。宙に浮く赤いトカゲとか、最近悪夢をみるとその人は夢の中に囚われて死んじゃうとか。」


「なんだよそれ?実際に見たのか?」


「・・・他の人が話してるのたまたま聞いただけ。」


「やっぱりな。所詮噂は、噂だそんなこと考えてる暇があるなら少しでも勉強するんだな。」


「何よー!さんちゃんのバカァ!!」


余程気に障ったのであろう。未来が心に向かって他愛もない暴言を吐いている。

その相手をしていたからこそ気づかなかった。曲がり角から走ってくる一人の少年に。


「「うわっ!?」」


くそっ。制服が汚れたこいつと関わるとろくなことがない。


「すみません。大丈夫ですか?」


倒れている少年に手を伸ばす。見たところ同じ夢野原学園の生徒のようだが・・・


「あぁ。ごめんこっちも余所見してしまっててそっちこそ怪我ない?」


少年は心の手を掴み立ち上がる。足元にはキーホルダーが散らばっていた。

すると少年の後ろにいた未来が声を上げる。


「うわぁ。綺麗な錠前・・・でもなんでこんなに錠前を持ち歩いているの?」


「へ?やっべ。拾ってくれてありがとう!」


少年は、未来の手からキーホルダーをひったくる。


「ところで、見たところ君たち二人とも夢野原学園の生徒だよね?」


「?そうだけどそれを言うなら貴方もでしょ?」


何言ってんだこいつ?と言わんばかりの目で未来は見つめている。


「いやぁ。実は俺今日転校してきたばかりでよくここら辺の道がわからなくてさ。もしよかったら一緒に学校に連れて行ってくれないかなって。」


転校生か通りで見ない顔だと思った。


「それくらいなら構わないよ。僕は、由良心、こっちのちんちくりんは二面未来。」


「ちんちくりんゆうな!!」


「あはは。俺は、辰巳 焔(たつみ ほむら)。夢野原学園の二年生として編入するんだ。」


同い年の割にはキーホルダーの多数所持など前も見ずに走り回る姿は、いささか幼すぎる気がする。


「へぇ。同い年だねもしかしたら同じクラスになるかも。」


「そうだったら嬉しいな。」


他愛もないない会話をしながら3人で夢野原学園へ到着した。


「入り口から入って右に回れば職員室だから。僕はこれから、生徒会の仕事があるからこれで。」


「あぁ。二人ともありがとう。」


「じゃあね〜辰巳くん。」


心は生徒会室へ、未来は自分の教室へと向かっていった。


二人が離れた後、カバンの中のキーホルダーから声が聞こえる。


『おい焔。アイツ、由良とか言ったか?匂うぜアイツかなりやばいな発症しかかってる。』


「まじ?どうやら情報は本当らしいな。放課後は、由良をマークしておこう。」


鞄に入れた錠前を制服のポケットへと移動させ、職員室へと向かう。


この時彼は何もないところで一人話していたという。











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