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魔女の気まま暮らし~元勇者は不老で最強になってました~  作者: ゆっき
第2章 新たな住民と人族と魔族

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土は防御にも攻撃にも使える

 さて、サーベルウルフの気をつけるべき点は何かを考えてみよう。

 まずはその特徴的な牙だ。あれに噛まれたら一溜まりもないのは誰にでもわかる。

 あたしの魔力やレベルが強かろうと、物理的な致命傷を受ければ死ぬのは誰とも変わらないのだから。


「とはいえ、ワンドで攻撃受け止めたら絶対噛み砕かれるわよね」


 サーベルウルフはあたしの事を見極めようと、威嚇し続けてくる。まだもう少し考えられそう。

 さすがに後ろの土の壁作ったのを見たら警戒するか。


 さて、あたしが意識的に力を制御して使えるのは『グランド・ウォール』『グランド・クッション』『ホール・グランド』くらいだと思う。後は覚えた火属性魔法だけど、細かい効果を知らないから今使うのは勇気がいるし、周りに木が多すぎる。

 他にも女神様が言うにはクオリティを無視すれば知ってる魔法は使えるらしい。

 ただ、『エクスブレイク』の前例があるように強い魔法を低ランクで使えば、あたしの魔力や資質の問題でか威力がえげつないことになりそうな予感がしてる。


 つまり、よほど緊急時じゃない限りは意識的に調整をするべきということだ。


「土魔法で他になにか使えそうなのあったかしら」


 あたしは何百年の前の記憶を掘り出す。いや、名前とか大雑把な効果はギルドで覚えた時に頭に入ってるはずなのよ。

 ただ、あくまで大雑把だから命をかける状況では試したくない。ほんと、今回の人生で争い事をあたしは避けてきたんだなと実感する。

 もちろんそれは自分が望んでたからいいんだけどね。


「でも、魔王を倒しても、すべての人が平和になんて、やっぱりならないわね」


 そう言えば、魔王幹部に土魔法使ってくるやつがいたな。『ロックメイク』とかいう魔法が結構厄介だったわね。

 最初からあいつがいる場所の周りに岩とか土の塊とか用意されてて、それの形を変えて攻撃してきて。

 でも、今回りに土の塊も大岩もないから使えないか。


「グゥゥ――ッッ!!」


 あたしが悩んでいると、こっちからは攻撃してこないと考えたのか、サーベルウルフのほうから攻撃してきた。

 一直線に来るようなことはなく、左右にその俊敏な動きを生かしてあたしの気を逸してチャンスを窺ってくる。

 ただ、勇者時代にこの手の相手には慣れてる。そしてあたしの対策は変に動きを追うのではなくて、最後に攻撃してきた所に対応するということだ。


「来なさいよ」


 あたしはそう言ってその場で動かずに待つ。

 サーベルウルフは最後にしびれを切らして、最後にこっちに飛びかかってきた。


「『グランド・ウォール』っと」


 あたしは反射的にバックステップしながら足元の土を盛り上げた。

 サーベルウルフの攻撃は回避できた。ただし、予想外にあの牙は鋭いようで土に刺さりこんでる。

 この魔法かけた土って岩くらい硬いはずなんだけどな。

 ただ、牙が刺さって動けなくもなってる。今ならやりたい放題だ。

 そして目の前には新しい土の塊が出来上がったわけで、これはあたしの望んだ状況を生み出していた。


「試し打ちしてもこれなら問題ない状況ね。『ロックメイク』! 刺され!」


 あたしは槍を想像してその土の塊にワンドを振りかざす。ワンドについている魔石が輝いたかと思うと、次の瞬間に土の塊から突き出た茶色の槍は刺さるどころかサーベルウルフの体を貫通した。


「うわっ、思ったより威力でちゃうのね。これも練習しないとだめそう。ただ、盾とかも作れそうだし、良さげな魔法ね」


 あたしは土を元に戻してサーベルウルフも地面に寝かせてやる。

 後ろは大丈夫かしらね。あたしはでかい土の壁も手を触れて元に戻した。

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