あの日の夏の物語 No.3
部長「……というわけで
小泉は今日からマネージャー
の仕事をやってもらう」
拝島先輩「お〜!!!いいね
瑞希ちゃんよろしく!!」
私「はい!!よろしくお願いします」
握手にこたえようとすると…
それを邪魔するように
沢口先輩「小泉!頑張れよ」
と、かたをポンポン…
優しい沢口先輩の言葉に
私「はい!!沢先輩ありがと!!」
夏川先輩「沢先輩??」
私「沢口先輩を縮めて沢先輩です!」
部員「お〜!沢!!沢!!沢!!」
沢口先輩「なんだよー」
部員「ははは〜」
なんだかみんな笑顔になったのが
うれしかった
壁に拳をぶつける音がした…
矢野先輩「おい!!!東
かってなことするなよ!!」
「俺は認めないからな…」
私「…………」
夏川先輩「矢野、お前
過去のことは忘れろよ」
「小泉は何も悪くないだろ?」
私「過去…?」
矢野先輩「忘れられるわけない
だろう…お前はもう忘れたのかよ」
夏川先輩「…………」
矢野先輩「答えろよ!!!」
バシッ
鈍い音が走る
夏川先輩「お前がいつまでも引きずっ たままだからわりーんだろ!!!」
殴り合いになっている
あの日々を思い出す------
あの大嫌いな中3時代を…
私は中3になる直前に
大好きなみんなとお別れをして
野球の名門、聖光中学へ転校…
別れはつらかったけど
野球を上手くなるため
だから大丈夫だった
でも…
聖光中学は私が思っていた
場所ではなかった…
監督の暴力
部員どうしのいじめ
やる気のない試合
笑顔のない…部員
みんなが何かに恐れながら
毎日をすごしていた…
あの怖く暗い日々が
私の頭をよぎった-----
私「やめて!!!やめてください!!」
部員「……………」
私「………ません」
「私、入部したいとか
言いませんから!!!」
「だから…けんかしないでください」
夏川先輩「小泉…何いってんだよ〜」
「仲がいいほどけんかするって言うだ ろ?そっちのけんかだよ〜」
沢先輩「そ!!!夏川先輩と矢野先輩は
いつもこうだから〜本当に仲がいいん だから〜」
夏川&沢先輩「ははは〜」
私「大丈夫です!!!
本当は野球目的ぢゃなかったんで」
部員「え…………」
私「部長がいう通り先輩目的です…」
矢野先輩「結局こんな事だろ……」
私「すいませんでした…」
部室から走り出る…
あぁ、ありがとう言い忘れたな…
私の野球への想いはぐたぐただった