サナ=ブルクハルト・ヒガシヤマ
今回は超絶暇人さんとのコラボ企画です!今回はかなり短いですが……。
私が剣の修行をしていたその瞬間。
霊斗様の手によって、一人の女性が白玉楼に突き落とされた。
「いったぁ……なんなんだ、あいつ!!」
露出度が高めな薄着を着て、帽子にデカデカと火と書かれたその女性は、辺りを見回し……私を見つけた。
「お前が私の対戦相手か? こう言っちゃ悪いが……弱そうだな」
その言動に、私はカチンときた。まあ、まだ怒るほどじゃない。
「迷惑なんで、帰ってもらえます?」
「あいつも探さなきゃな……。ん? 何か言ったか?」
人の話を一切聞いてない、その態度。清々しくて、かなりイラってくる。
「いいでしょう。相手になって差し上げますよ。私の名は魂魄 妖緋。我が主、西行寺 幽々子様の名に誓って、あなたを打ち倒す!」
「私に刃を向ける意味を、わかっていないようだな? 超世界連合軍『九将』が一人! 第7将軍! 我が名はサナ=ブルクハルト・ヒガシヤマだ!いざ尋常に、勝負ッ!!!」
こうして、唐突に私とサナさんとの戦いは始まった。
◇◆◇◆◇
「『鬼焔斬』!!」
サナさんは技名を言いながら、金色の炎を纏った斬撃を私に飛ばしてくる。
「なるほど、私と同系統の能力ですか。ですが、甘いです!」
私はそれを全て受け流し、サナさんの懐に入る。
「な……!」
「『斬空』」
私の空間すらも切る斬撃は、サナさんの持つ刀によって防がれるが、それすらも切れる。
「刀が切れるだと!?」
「刀には刀の使い方があるんですよ!!」
見た感じだと、サナさんは刃物の扱いには長けているようだけど、刀という武器の扱いにはかなり疎いようだった。まあ、それもそうだろう。現実世界には真剣を使う人なんてもう居ないらしいし。
武器を失ったサナさんは、刀を捨て、素手で私に向かい合った。
「やっぱ、こっちが合ってんな。かかって来なよ。九将第七将軍の本気を見せてあげるからさ!!」
「ふん。刀を折られた分際で何を言っているんだか」
私は呆れながらそう言い、刀の切っ先を向ける。
「そうだ、先ほどあなたは刃を向ける意味、と言いましたね。その答えを教えて差し上げましょう。私が怒ってるってことですよ!!」
私はそう言いながら、刀のリーチを活かして素手のサナさんに攻撃を仕掛ける。
サナさんは刀をかわしてそのまま接近し、攻撃に転じようとするが、私は腕が届かないギリギリの距離を保つ。
「チッ!!」
舌打ちしたサナさんの腕を、受け流して流れるように切り落とす。
「ぐっ!?」
腕を片方失ったサナさんに対し、私はもう一度切っ先を向ける。
「今降参するなら見逃してあげますが?」
「誰が降参なんぞするか!! 『種子島煉砲』」
そう言って残った片手からたくさんの金色の炎を発射するサナさんの炎は、着弾した地面が溶けていくほどだった。
「斬符『全てを断つ刀』」
私は自分に当たりそうな弾のみを選び、それらを斬り伏せていく。
やがて弾が収まって周りを見渡すと、溶けた地面でできた穴が足の着く場所もないくらい広がっていた。
「これで囲んだわ、覚悟しなさい!!」
「……」
確かに、普通の人間なら超えられないような大きさになっている。けど、大天狗のクォーターである私にとってはなんてことない立ち幅跳びですね。
私は足に力をそこそこいれ、サナさんの目の前に着地する。
「……え?」
「ふふっ。そんなことしてていいんですか?」
驚いてあっとなるサナさんは、私の挑発で我を取り戻したのか、急いで距離を置いた。
良い判断です。もし今、拳を突き出していたら、もう一本腕が斬り落とされていた所です。
「『地龍覇獄炎』」
黄金の炎を纏った拳で地面をサナさんが叩くと、地面はたちまち炎が噴出し、私はその中に取り囲まれる。
「これでお前の負けだ!!」
「……仕方ないですね。先祖返り『魔神再臨』」
私はそう唱え、霊奈様のように全細胞を活性化させ、天魔の元であるとされるインドの魔神、マーラに姿を変える。
マーラは釈迦が悟りを開くことを邪魔しようとした煩悩の化身。これだけ聞くと弱そうに聞こえるけど、その言葉の意味は『殺す者』。
禍々しく変化した私の愛刀、百斬剣……間違えた、黒斬剣を握りしめ、思いっきり振るう。
すると、斬撃が発生した炎を全て斬り伏せた。
「……いきましょうか。こうなった私は、強いですよ」
片腕を失ったサナさんに全力の半分を出すとは思わなかったけど……まだまだ、サナさんは戦えそうですね。
続く……
今後の展開もあるため、今回はここで終わりです。
次話、その次の話も超絶暇人さんとのコラボになります!