激闘!!ユトランド沖大海戦(1)
1914年6月 サラエボ
数発の銃声が鳴り響いた。大衆はわが目を疑った。皇太子夫妻が撃たれたのである。
犯人は自殺しようとしたが取り押さえられた。
翌月、オーストリア政府はセルビアに対し最後通牒を突きつけた。セルビアは2点を除き受け入れたが、オーストリア政府は宣戦布告した。それに続くようにドイツ、イギリス、フランス、ロシアが宣戦布告を行った。さらに、日本も8月に日英同盟を理由に参戦した。
ここで、ひとつ問題が起きた。
欧州戦線に援軍を派遣するかどうかである。当初は太平洋方面のドイツ軍を駆逐するだけであったがイギリスからの度重なる要請に日本政府は頭を悩ましていた。
連合国に恩を売っておきたいところであるが、場所が場所である。遠すぎるのである。そこで、日本は援軍第一弾として通商保護部隊を出した。そして、真打ちは第二弾であった。無理矢理竣工を早めた戦艦「扶桑」「山城」を主力としそのほか「河内」「摂津」を含めた艦隊であった。本来は金剛型4隻を出すべきであったであろうが、新戦艦の実力を見ておきたかったのである。
そして、1916年4月末、欧州派遣艦隊は日露戦争時のバルチック艦隊のように地球を半周してイギリス本国艦隊根拠地スカパフローに到着した。
翌月の末イギリス軍はドイツ海軍が大規模な作戦を計画していることを察知した。そこで英海軍はジェリコー大将率いる本国艦隊をスカ・パフローから翌日にはビーティー中将率いる高速艦隊がフォース河口を出撃した。日本艦隊はジェリコー艦隊とともに行動した。
5月31日 1420
「南東に敵艦あり!!」
ビーティー指揮下の偵察隊からの情報が伝わったのである。
すぐさま、巡洋戦艦部隊が突撃を開始した。
1530
英独艦隊はほぼ同時刻に敵艦隊を視認した。ヒッパーはシェア率いる主力艦隊にビーティー艦隊を誘導するように変針した。
ドイツ艦隊 旗艦「リュッツォー」
独海軍の戦艦は前弩級戦艦を含め26隻だが、英海軍は30隻を超える。まとも撃ち合っても勝ち目はない、各個撃破するため主力のところまで誘導するしかない。
「取舵だ、艦長」
「了解、取舵」
ドイツ艦隊は南東に変針した。
そのころ、イギリス艦隊では・・・
「長官、あちらは5隻、こちらは6隻、数で勝っています。追いましょう!!」
「うむ、だがしかし・・・」
「わかりました。第5戦隊にも続かすようにもしましょう。」
「ならば、そうするとしよう。信号旗を揚げろ」
こうすることによって、第5戦隊も続いてくる・・・・・
はずだったが、濃霧によって視認することができなかった。よって英独ともに巡洋戦艦のみの砲撃戦を行うことになっってしまった。
独艦隊 「リュッツォー」
「距離14000、目標敵1番艦、主砲、ってぇー!」
振動が艦橋に伝わる。また、後続の4隻も続く。
「だんちゃーくぅ、いまっ」
イギリス巡洋戦艦の3隻に命中した。
「幸先いいぞ、このまま撃ち続けろ」
約10分後、ようやくイギリス艦隊は初めて命中弾を出した。しかし、
「敵艦中央部に命中!!!、火災発生の模様」
だが、ドイツ海軍の幸運もそう長くは続かなかった。それはクイーン・エリザベス級戦艦4隻からなる第5戦艦戦隊が接近してきた。
それでも、ヒッパーはおとり作戦が成功している考えた。
「ライオン級巡洋戦艦轟沈!!」
「デアフリンガー」の主砲弾が「クイーン・メリー」の弾薬庫に命中したのである。ちなみに下村忠助中佐も艦と運命をともにした。
その後、両軍ともに主力が戦場に到達した。
戦いの行方はどうなるのか?
1週間に1,2回のペースで更新していく予定ですが、遅れることもあります。
ご了承ください。
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