第9話 傭兵ギルドへ
今更ですが主要なメンバーの年齢を記載します。
バーグ(43歳)*ピナ(28歳)*三つ子(22歳)*リーシャ(18歳)。
ギャレンたちは惑星クリスタのルビル国に到着。宇宙エレベーターにて地上へ。
「俺初めてだな。ほかの国に行くのって」
「その年齢だと大体がそうなんだろ。ただでさえあの国の貴族出身だったらな」
「敵のほうが多いもんね~。オルタシア帝国は……」
ちなみにギャレンは自身についてすでに話している。特に隠すほどのことでもないと考えて。そして脱走した目的についても。
「だがどうなったらあのヒューマン至上主義に凝り固まった貴族に生まれてエルフたちに会いたいって思うってんだ?子供なら周りに影響されるもんだろ?」
「いや~、なんでだろう?」
さすがに転生者のことは話していないのでバーグのその疑問にはスルーした。するとちょうどタイミングよく三つ子がギャレンに絡む。
「「「なあ団長!俺らもほかの国ってのは初めてなんだよ!だから観光しようぜ!大金も入ったことだしよ!」」」
「観光か~まあ確かに『駄目よ』いいかもってあれ?」
三つ子のその提案に賛同しようとするとピナがギャレンの言葉を遮り否定する。
「ダメに決まってるでしょう?その大金も傭兵ギルドに申請しないともらえないのよ?」
「「「え~!?別に今日中にやったらいいことなんだからちょっとぐらいいいだろ!?ピナ姉ちゃん!?」」」
ブーブー!ブーブー!
ぶつくさと文句を垂れる三つ子。するとほかのゴードンたちからも文句の音が鳴る。どうやらほかのゴードンたちも観光がしたいらしい。するとそこにリーシャが助け舟を出す。
「傭兵ギルドに行くのにこんなに要らない」
「まあ確かにな。特に団員を書き記すとかはねえって話だし」
「「「お?お?ってことは?ピナ姉さん?」」」
リーシャに追随したバーグの言葉が決め手になりピナが折れた。
「はあ……わかったわ。それじゃあ傭兵ギルドにはギャレン君とバーグさんと私も行く。他は自由にしてもらっていいわよ」
「「「「「よっしゃー!!!」」」」」
「あ、やっぱり俺は行くんだ」
こうしてギャレンの傭兵ギルド行きは確定した。ちなみに宇宙エレベーターが地上に到着すると蜘蛛の子を散らすようにほとんどのゴードンが消えていった。残ったのは先ほどピナが名前を挙げた3人とあと2人。
「2人は行かないの?」
「こっちのほうが興味ある」
「……」コクン
1人はリーシャだった。そしてもう1人は大柄な男。
「リーシャと……ええっと…………そうだ!ドラグだ!」
「……」コクン
ギャレンはこれから共にやっていく仲間として十数人いるゴードンたちと自己紹介はしていた。しかしさすがに全員の名前と顔を一致させるのはこの数日の間では簡単ではなかったらしい。
「ドラグはお姉ちゃんが行くならってことでしょ?お姉ちゃんっ子だから」
無人のタクシーを捕まえて傭兵ギルドへと向かいながら車中でピナがそんな言葉を吐く。
「お姉ちゃん?」
ギャレンがそのピナの発言に疑問の声を上げる。
「あれ?知らない?リーシャとドラグは姉弟なのよ」
「ええ!?この2人が!?」
「口数が少ねえリーシャにそれ以上に無口なドラグ。どうだ?似てんだろ?」
「……そう言われれば……確かに……」
だがその貫禄はとてもリーシャの弟という18歳以下の若さのそれではなかった。そんなこんなで一同は傭兵ギルド第23支部に到着。そこはさすがは宇宙中に支部があるだけありこんな高さが必要なのかと思ってしまうほどに高いビルだった。
中へと入り中央の受付を済ませる。
「傭兵ギルドへの申請ですね。それでしたらあちらです」
そう言って誘導されたビルに入って左側へと移動。そこにはそこそこの人がいたが複数の受付があるために待つことはない。
「(案外と人が少ないな~。赤字になってないのかな?)」
そんな関係ないことを思考する。申請は主にピナが行っているのでギャレンは話半分で聞いているだけ。小さいころから宇宙に出て傭兵になることは自らのうちで決定していたのであらかたのルールは覚えている。
〈傭兵ギルドとは〉
*護衛依頼・討伐依頼・配達依頼・戦争依頼という主に4種類の依頼ジャンルがある。
*護衛依頼はそのまま。討伐依頼は宇宙海賊だったり指名手配されているような人物を。戦争依頼は戦争への参加。
*配達依頼とは宇宙にある惑星間を飛び回る惑星間郵便局が届けることができないような危険地帯などでも配達可能。
*傭兵ギルドにはランクあり。☆→☆☆→☆☆☆。ほとんどの傭兵は☆。
*依頼を受託したにも関わらず失敗すると罰金あり。☆☆や☆☆☆の場合は降格の可能性あり。
「人員はどれほどでしょうか?我が傭兵ギルドはほかの傭兵団へ繋げることも可能です。さらに戦艦・アンドアーマー・人員の貸し出しも可能となっていますが?」
「大丈夫です」
「かしこまりました。それではこちらに傭兵団名と団長の名前。さらに任意の数の人員の名前をご記入ください」
そういって受付スタッフが画面を空中に表示する。そこにピナがペンで勝手に書いていく。
「人員はここにいるメンバーでいいわよね?」
「……いや、それはいいけど……なんで傭兵団名がノヴァ傭兵団なの?」
ノヴァとはギャレンの愛機であるノヴァシリーズ第0号機ディアマンテのこと。
「これがカッコイイかなって思ったんだけど……それじゃあノートン傭兵団にする?」
「……それでいいかも……」
さすがに家を出てきたのにノートンの名前を使いたいとは思わなかったギャレン。
「それではこれで手続きに進ませていただきます」
受付スタッフが入力する。それが完了すると次は手の平サイズのデバイスを渡される。
「こちらは傭兵ギルドに登録されている傭兵という証です。このように起動すると傭兵団名に現在のランクも表示されます」
さらにそのデバイスで各支部の依頼を確認できたり近くの支部に救難信号も送れるらしい。
こうしてギャレンたちは晴れて傭兵となった。
ドラグ(16歳)
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