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第4話 ディアマンテの性能

〜時は少しだけ遡る~


ギャレンはディアマンテに乗って宇宙船から外へと出た。それは宇宙海賊ゴードンの3機のアンドアーマーを迎え撃つため。


「すごいなこの機体は……この感じだと()()()に書かれていたことは事実って考えていいのかもな……」


あそことはディアマンテについて書かれていた書類のこと。そこにはノヴァシリーズが宇宙の大国オルタシア帝国の(すい)を集めたアンドアーマーでありそれは乗り手を選ぶものばかり。より優秀な者でなければまともに動かすことすら困難なほどにノヴァシリーズのアンドアーマーはどれも機体性能自体が高いと記されていた。


第0~第4号機まで作られたノヴァシリーズはそれぞれにテーマが存在する。その中でもっとも操縦困難な機体が第0号機"ディアマンテ"。これは技術者たちが興味の向くままに限界まで機体性能を上げた機体性能特化のアンドアーマー。超高速戦闘が可能となる反面それゆえに何百万何千万もの軍人を抱えているオルタシア帝国の中でトップの8人しか存在しない特等軍人ですら完璧に乗りこなせたのはわずかに2人のみ。そのデータを参考にそれ以降のノヴァシリーズの機体性能は下方修正された。


そしてそれを知りながら特に気にしている様子のないギャレン。逆に()()()()していた。


「初めてになるかもしれないな……セーブなしで()()でアンドアーマーを動かすのが」


今までギャレンは学校において幾度もアンドアーマーを動かしてきた。それは地上だけでなく宇宙でも。しかしどのアンドアーマーに乗ってもギャレンの操作感度に対してアンドアーマーの動きが()()()()。それは訓練用のアンドアーマーだけでなくオルタシア帝国にて正式に採用されている機体でも同様の感覚に陥っていた。ギャレンは今の今まで本気でアンドアーマーを動かしたことがなかった。しかしそれもディアマンテの登場で変わる。


「うん……こいつなら……いける気がする」


先に動いたのは相手の3機のアンドアーマー。色は茶色と黒を基調としており斧を構えた機体とレーザーアサルトを構えた機体とロケットランチャーを構えた機体が並ぶ。


「あれは確かブリーブ社のマキシム8か」


アンドアーマーは各国家が自国を守るために作成している物のほかに企業が民間に向けて作成・販売も行っていたりする。そんな中でもブリーブ社は量産機に特化した大手の企業。


「食いやがれ!!」


ズギュン!ズギュン!ズギュン!ズギュン!


放たれるレーザーアサルト。三つ子の算段としてはレーザーアサルトを回避した先にロケットランチャーを放ちそれを逃れても斧を持った最後のひとりが攻撃。しかしその考えは最初の段階で頓挫(とんざ)した。


ディアマンテの武装は2本のレーザーソードのみ。盾もレーザーアサルトさえも存在しない。しかしギャレンはそれを気にも留めずディアマンテの動きを確かめるようにいくつもの放たれる光線をレーザーソードで斬る。


ザン!ザザン!


「「「なっ!?うそだろ!?」」」


まさか光線を斬られるとは予想外の三つ子。そのありえない光景に動きが止まってしまう。


「止まったらだめだろう」


その隙だらけの3機に向かってギャレンは襲い掛かる。最初はゆっくりと。しかし徐々に速度を上げて3機の周りを縦横無尽に動き回る。


「「「はっ!?速すぎる!?」」」


それに対して三つ子も最初はそれぞれ斧でレーザーアサルトでロケットランチャーで抵抗を試みるも、そこにはすでにディアマンテはいない。超高速で動くディアマンテをギャレンは完璧に難なく制御してみせた。三つ子はもはや動きを追うことすら困難な状況に何もできずにいた。


「ディアマンテの確認もできたしなんか宇宙海賊っぽくないし。 ちょっと壊して声をかけてみるか」


ザザン!!


宣言通りにギャレンはすれ違いざまに3機の片腕を切り落とす。そうしてギャレンから声をかけようとすると"ゴードンの教え"が発動する。


『『『殺さないでくれ~!!??』』』


そんな情けないような声がギャレンの耳に届く。


「は?」


これこそが意地汚くてもどんな手段を用いても生きることを諦めるなという()()()()()の教え。

/////

三つ子のその第一声に虚を突かれたギャレンの動きが止まる。しかし三つ子の言葉はまだ続いた。


『『『俺らはあんたの下僕でもなんにでもなる!だから許してくれ~!』』』


その声にもともと殺す気のなかったギャレンだがすっかりと戦う気をなくしてしまった。


「別に下僕はいらないんだけど……どうしよう……」


悩んでいると向こうから声がかかる。それは宇宙海賊ゴードンの船長バーグからだった。


『俺は宇宙海賊ゴードンの船長バーグ・ゴードンだ。俺たちは降伏する。望む対価も支払う。どうだ?』


船長バーグからのその言葉に悩むギャレン。


「対価……対価か。 そうだ、だったら」


何かを思いついたギャレンは敵戦艦に対して回線をつなぐ。すると向こうの戦艦にギャレンが映し出される。


「俺はギャレン・ノートン。あんた達は宇宙海賊を名乗ってるけどとてもそんな残虐そうには見えない。なんで宇宙海賊なんかを?」

「っ!? 生きていくためだ……俺たちは宇宙に逃げるしかなかった……」


どうやら訳ありのようすの宇宙海賊ゴードン。バーグのその言葉にそこにいる全員が苦い表情をする。


「なんか訳ありっぽいけど……だったらなんで傭兵じゃなく犯罪者の宇宙海賊なんかに?」


それは当然の疑問。何らかの理由で宇宙に逃げ出さなければならないほどにその国で生きていけなくなったというのは理解した。であれば傭兵になればいい。わざわざ宇宙海賊なんていう犯罪者に身を落とすこともない。


「……()()()だ。だがそれも今では後悔してる……」


詳しい話はバーグたちの宇宙戦艦内にて行われることになった。

読んでくださりありがとうございます!


もし少しでも面白いと思ったら☆☆☆☆☆をつけてくれるとそれが作者の描き続ける原動力となります!よろしくお願いします!

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