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第10話 配達依頼

--数日後--


晴れて傭兵団を結成したギャレンたちだったがお金もあるということですぐには依頼を受けず数日は遊んで暮らした。


「「「なあなあ団長!もう一日だけ遊ぼうぜ!」」」

「あなた達はただカジノに行きたいだけでしょう?」

「「「それはこの国のカジノが面白いのが悪い!」」」

「開き直るな馬鹿どもが。ほかのやつらと同じくさっさと準備に行け」

「「「へ~い」」」


というわけで傭兵ギルドに行くのは団長のギャレンと副団長のバーグ。さらにオペレーターのピナの3人だった。ちなみにリーシャは技術班の班長としてアンドアーマーや戦艦の点検を行っている。弟のドラグもあの体格で技術班に所属しているためリーシャのサポート。一応来るか聞いたギャレンだったがリーシャは


『一度見たからいい』


とすでに興味をなくしている様子だった。


「それではこちらの依頼を受諾されるということですが……本当によろしいのですね?」

「はい。お願いします」


3人は傭兵ギルドへと入りデバイスにてすでに話し合って決めていた依頼を受託する。その依頼は配達依頼のひとつ。依頼内容は惑星レビルにあるサッダー国のアーテル財閥からの手紙を惑星カイナにあるレイドール国のセミス大臣へと届けるというもの。


「こちらがお預かりした手紙となっております。サッダー国とレイドール国は現在も戦争中の敵国同士。そんな両国の上位の立場同士の秘密文書。ほかの方には決してバレることのないように」


というわけで依頼を受諾して無人タクシーにて宇宙エレベーターまで移動中の3人。一番最初に口を開いたのはギャレン。


「……まさかあんな内容の依頼だったなんて……」

「だから言ったじゃない。最初の依頼なんだからもっと簡単そうなやつからにしようって」

「だがピナ。お前も途中から乗っただろうが。最後まで反対していたのは俺だけだ」


どういうことかといえばデバイスで確認した依頼内容には、


"秘密厳守につき受諾した方にのみ公開。なおこの依頼内容を他社に漏らした場合は傭兵ギルドへの反逆の印として指名手配いたいします"


という風にいかにもなにか大事(おおごと)で面倒くさいことが起こりそうな依頼内容だったが報酬がよかったこともありギャレンがこれに決めた。そしてその決めた張本人をにらみつける両者。


「いやでも!?最初に案を出したのはリーシャだろ!?報酬が高いからって!?」

「それで?"あなたとディアマンテなら大丈夫"とか言われて調子に乗ったのは誰だったかしら?」

「そ、それは……ごめんなさい……」


結局は文句を垂れたとしても受諾した限りはこの依頼を全うしなくてはいけない。幸いとして惑星クリスタから惑星カイナまでは2週間ほどであり配達依頼というものは()()さえ入らなければちょっとしたお使いと変わらない。そう邪魔さえ入らなければ……

/////

--2週間後--

『おらあ!』


ザン!


『ぐわあ!?』


ギャレンはもう少しで惑星カイナに到着するというときにその手前で宇宙海賊カリブスと戦っていた。その強さは1人1人の戦闘力は宇宙海賊コーザよりも弱いのだがそのアンドアーマーの数が厄介だった。


ズギュン!ズギュン!


『くそっ!?数が多すぎる!?』


すでに10機以上を撃破しているギャレンだったが目の前にはまだその倍の20機は存在した。数が多いというのはディアマンテには不利に働く。特に三つ子や戦艦を気にしながら接近戦特化のディアマンテでは守りながら数を減らすのは時間がかかる。


『耐えてギャレン君!私たちも援護してるから!』

『やつらは海賊だ!割に合わねえと思ったら自ら引き下がる!』

『『『そのいつかっていつだよ~!?俺たちは何回も死にそうになってるんだぞ~!?』』』

『しゃべってねえでお前らも相手の数を減らすのに協力しろ!相手はお前らと実力は変わんねえだろうが!』

『『『数が違えよ~!?』』』


そんな風に弱音を吐きながらも三つ子としての連携力にて1機ずつ撃破している三つ子。文句を言いつつ時にはギャレンに危機を助けられながらもマキシム8の破損はない。


『チッ。なんてバケモンだよ。 今はこれ以上数を減らすわけにはいかねえ。ずらかるぞ!てめえら!』


そう言って去っていく宇宙海賊カリブス。そんな相手に対してガガが思い出したように動く。


『あっ!?いっけね!?忘れてた!?』


そうして去っていく宇宙海賊カリブスの戦艦に対してなにかを発射。それは戦艦に張り付くがどうやら向こうは気づかずにそのまま立ち去った。


『ふう~。あぶねえあぶねえ。あとで怒られるところだったぜ~』


安堵しているガガだったがその行動はガガともう1人以外は知らないこと。ゆえにそんな勝手なことをしたガガはピナに詰められるようになる。


『ガガ?』


その一言の声色だけでピナが怒っているのを瞬時に理解し慌てて自身に頼んだ人物を暴露する。


『ち!?違うんだよピナ姉ちゃん!?リーシャに脅されて仕方なく!?やっただけなんだよ!?』

『リーシャが?』


リーシャの話を聞くと"もし相手が撤退するなら発信機をつけて。ガガの機体に装備させたから"という話をリーシャに言われていたらしい。


「宇宙海賊はお金になる」

「あのねリーシャ!そういう作戦なら共有しておいて!」

「次からそうする。でも装備させただけで使ったのはガガ。ガガも同罪のはず」

「いい!?なんでだよ!?俺は脅されて!?」

「大体4つも下のやつに脅されてやるなんざ情けなさすぎんだろ。こりゃあ暇になったら三つ子にはみっちりと鍛えてやんねえとな」

「「ええ!?なんで俺たちまで!?」」


というわけでいろいろありはしたものの傭兵団ノヴァは無事に惑星カイナのレイドール国に到着した。しかしただただの配達依頼は予想外の方向へ進んでいく。その先に待つのはギャレンの()()()()()()()との出会いだった。

読んでくださりありがとうございます!


もし少しでも面白いと思ったら☆☆☆☆☆をつけてくれるとそれが作者の描き続ける原動力となります!よろしくお願いします!

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