良い朝があなたに訪れますように
見知らぬ場所に僕はいた。部屋はどうやら全体的に白く清潔感がある。僕はベッドに横たわっていた。カーテンに覆われていて横には棚と椅子がある。外はどうやらこの位置では見えないようだ。でも動きたくても動けない。金縛りにあってるかのようだ。横のベッドでどうやら人が死んだらしい。医者や看護師は忙しく、その人の家族が悲しんでいた。そこの音には悲しさが感じら無かったようには感じられなかった。それだけでも僕は救われたような気がした。気がつくと横の椅子に女性が座っていた。その方は僕よりもとても歳をとられているように見える。しかし僕はその人のことは知らない。だが、何処か知っていたような既視感を覚えた。何か忘れてはいけない、大事な存在であったはずだ。
「あなたは1回の人生を送りました。次の人生は私です。」
掠れた声で僕に告げた。目の前が赤青黄色の砂嵐が見えたと思ったら僕は道を歩いている。背中には重いものがあり汗がべとついていていつもでは絶対着ないようなワンピースを着ていた。手はしわ一つない綺麗な小さい手だ。どうやら私は小2の女児だった。見たところ時間は3時くらいだろうか。自分のお腹が昼食で満たされた後のようだ。
しばらく今ある記憶の通り家に帰ってみると比較的新しい現代的な家が立っていた。
「ただいま〜」
帰るといかにも理想的に聞こえる母の声が聞こえた。事実この家の夫婦は仲慎ましく弟も良く言うことを聞く良い子だ。私はこんなとこにいても良いのだろうか。家に上がり台所にある勉強机でランドセルを開き今日の漢字ドリルをやり明日の準備をした。確か遊ぶ約束をしていたはずだ。行ってきまーすと言って公園へ行った。正直子供の頃に戻れたようで、女子特有の話が無ければ最高だった。5:00にもなったので帰っていると交差点で黒いプリウスが止まった。信号が赤だったのでどうやら運転手を交代するようだ。だが何故か運転席に座っていた女が私の方へ来た。7歳の私はなんの抵抗も無く腕を捕まれ、車の中に入れれた。どうやらドアは両方ともチャイルドロックがされていてるようで、今口にガムテープそして手には袋を被せらてしまった。もう一人の人が運転をしてその場を離した。窓からは昨日母と一緒に行ったスーパーが後に流れていった。今日友達と一緒に遊んだ公園も、学校も………
どうやら誘拐されたようだ。
車の中では「ベートーヴェン『運命』行進曲第一楽章」が流れている。
She always tells me to smile and put on a happy face.
She says that I was put here to spread joy and laughter.
母はいつも言うんだ、「幸せな笑顔でいなさい、あなたは喜びや笑いを届けるためにいるのよ」って。