6話
次の日、学校に行くと、教室に入った瞬間、嫌われてる教師が教室に入ってきた時のような目をその時クラスにいた人全員にされた。首を傾げながら自分の席に座り、準備をしていると、なにかヒソヒソ声が聞こえた。耳をバレないように澄ますと、どうやら俺のことについて話しているらしい。そのまま聞いていると俺が真田さんのことを脅して付き合ったなんてことが言われていた。アイツが広めたんだろう。そんな事実はないのでとりあいず無視することにした。放課後、学校の下駄箱で真田にあい、体育館の裏の一目のつかないところに連れて行かれた。 「今日クラスの人たちに変なこと言われなかった?」「言われたのは言われたけど…」「やっぱり!ハルキ君も言われたんだ。絶対沙也加のせいだよね」「真田さんはなんて言われたの?」
「なんか、『真田さん大丈夫?脅されて付き合ってない?』みたいなこと。ハルキ君は?」
「俺は直接聞いた訳じゃないけどクラスの人たちに『真田さんのこと脅してるんでしょ?』みたいなこと言われてた気がする」その時の真田さんの顔はすごく悲しそうな顔になっていた。
「ほんと、沙也加、許せない。友達だと思ってたのに…」その時の彼女は目に涙を浮かべていた。
「…」「私、なんかしたかなぁ…。ごめんね、ハルキ君。ちょっと泣いちゃった」「真田さんは悪くない。悪いのは沙也加さんだ」「うゎーーーーーん」
彼女が泣きながら抱きついてきたので優しく抱き返す。そこには彼女の泣き声と鼻水を啜る音だけがなっていた。
「ごめんね、ハルキ君。急に抱きついてきちゃって。涙とか着いたよね。洗って返そうか?」
「いいよ別にそれぐらい。大切な友達に裏切られて泣くのは普通だと思う」
「でも、少しスッキリしたかも。ありがとうね。途中まで一緒に帰ろ?」「い、いいの?また何か言われるかもしれないのに」「いいの別に!だって彼氏だもん。何言われたって気持ちは変わらないよ」
「…」顔が赤くなっているのを隠すように斜め前を見る。
「さ、早く帰ろ?」「う、うん!」
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