2話
初デートの日の夜、俺は彼女と電話をしていた。
内容は、『明日、一緒に学校行かない?』
と言うものだった。それで、朝一緒に行くことになった。「あ、おはよ〜!」と彼女が朝から元気に手を振りながら呼んでくる。「おはよう」「じゃ、早速いこ?でももしかしたらわたしの友達に会うかも知らないけどいい?」「全然いいよ」
しばらく歩いていると、目の前に女性が現れた。
身長は彼女より少し低めで、髪はショートで第一印象はスポーツが得意そうな人だった。それに、彼女ほどではないが、可愛い人だった。俺に彼女がいなければ、間違いなく一目惚れしていただろう。
「あ、アリス〜おはよーてか誰、その横にいるインキャみたいなやつ」「インキャじゃないよ〜紹介するね、この人は佐伯遥希君。私の彼氏だよ」
「あ、前に言ってた最近できた彼氏ってコイツのこと?なんかこう、もっとイケメンで身長が高い人だと思ってたのになんか、意外だね」
まあ、俺みたいなやつがこんなに可愛い人の彼氏だって聞いたら誰でもこんな反応をするだろうなぁ。
「大丈夫?脅されてない?なんかあったら話聞くよ?」「な、なんもないから〜てかハルキ君が可哀想だよ!」「そっか、ごめんね、佐伯さん」
「い、いや全然。自分みたいな男がこんな可愛い人と付き合ってるなんて疑っても仕方ないですよ」
「てか、自己紹介がまだだったね。私の名前は田中亜希。よろしくね、佐伯さん。あと、さっきのことはごめんね」
「ぜ、全然大丈夫ですよ。よろしくお願いします…」
「仲直りしたんだったらさぁ、3人で一緒に学校行かない?」
真田さんの提案により、3人で学校に行くことになった。しかも、美女2人に囲まれているからか、
他の男子からの視線が痛い。中には、とても悔しそうな顔をしている人もいた。
学校に着くと、早速、クラスの男子たちが席の周りに集まって問い詰めてきた。
「お前、朝のは一体なんなんだよ!」
なんて声や、
「もしかして、お前あのどっちかと付き合ってるのか?」
という声もあった。俺が戸惑っていると、
真田さんが、「みんな、佐伯くんが困ってるでしょ!朝のはたまたまだから!」
と助けてくれた。すると、クラスの男子は、
「やっぱそうかー」「まぁ、こんなやつに彼女ができるくらいなら俺にもできるよな」
という声があった。
その後、俺を問い詰める人はいなくなり、そのまま平和に学校が終わった。
「真田さん、さっきは助けてくれてありがとう」
「全然いいよ〜。大好きな彼氏が困ってたら助けるのが彼女の役目だからね!」
大好きなんて言われてしまった。多分、今俺の顔はりんごよりも赤くなっているだろう。
「あはは!顔真っ赤〜」「…」
「助けてくれたし、何か奢るよ。何か欲しいものある?」
真田さんは、コンビニで今話題のアイスを選んでいた。
「よく考えてみれば、これがハルキ君からの初めてのプレゼントだね」「お、おう」
自分も、アイスを買って2人で並んでコンビニの外で食べることにした。
「最近段々暑くなってきたからアイスが美味しいね〜」「そうだね」「そうだ!折角奢ってくれたんだから一口あげるよ!はい、あーん」
「そ、それ間接キス…」とおそらく顔を真っ赤にした状態で言うと、彼女も少し顔を赤くしていた。
「ま、まぁそれでも一口あげる!」
「じ、じゃあ…」
彼女との初めての間接キス、緊張しすぎてアイスの味がよくわからなかった。
新キャラ登場の3話です。アドバイスなどがあると執筆の励まになるのでよろしくお願いします。