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名作散歩  ナメゾウ物語 第一回「星の王子様編1」

作者: 大空夢源

ある日、森の中をスイカぐらいの大きさの動物が歩いていました。

長い鼻に大きな耳、太い足に細い尻尾、小さいけれどもそれはゾウでした。

そのゾウが歩いていると、目の前にヘビが現れました。

とぐろを巻き、体を持ち上げ、威嚇するように大きな口から舌を出しています。

しかし、その小さなゾウはヘビに気付く様子もなく真っ直ぐ歩いていきます。


突然、ヘビが口を大きく開いてゾウに襲いかかりました。

ゾウを口の中に入れたかと思うと、そのままごくりと飲み込んでしまいました。

そして、ゾウをお腹の中にいるゾウをゆっくりとこなそうとしています。

外から見ると、その形はまるで帽子のように見えました。


一方、ヘビのお腹の中をゾウは鼻を動かしながら興味深く眺めていました。

おもむろに、ゾウは後ろ足で立ち上がると鼻を真っ直ぐ上に伸ばしました。

外から見ると、その形はまるで東京タワーのようでした。

それから、ゾウは寝そべると4つの足を外側に目いっぱい伸ばしました。

そして、ヘビの顔のほうに向かって鼻も伸ばしました。

外側ではまるでカブトガニのような格好をしていました。

今度は、ゾウは鼻から思いっきり空気を吸い込みました。

ゾウの体はみるみる丸く膨れ上がっていきます。

ゾウがジャンプするとヘビの体はボールが跳ねているように見えました。


そのうちに、ゾウはヘビのお腹の中にいることに飽きてきました。

そこで、お腹の中に溜め込んだ空気を抜き、元の大きさに戻りました。

そして、大きく開いたままになっているヘビの口から出て行きました。

ヘビは体の形が元に戻らず、パックマンのような格好で固まってしまいました。

そして、泣き叫ぶように飛び跳ねながら去っていきました。


残されたゾウはまたゆっくりと歩き始めました。

好奇心の強いこのゾウはナメゾウと呼ばれていました。

どこからきたのか、どこへ行こうとしているのかは誰にも分かりません。

そして、今日もナメゾウは好奇心を満たすためにゆっくりと歩き続けるのでした。


-おしまい

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