【2話-2】中級魔法が使える気がする
「フレアは火の中級魔法じゃないか!」
タリスは魔法が使える前から魔法の勉強を欠かさなかった。
自分には火・水・雷・風・光・闇の適性があると分かる前から、6つの属性を使えるように学んでいた。
この世界では、魔法の適性がないものは魔法を使うことができず、魔法の適性があったとしても、レベルが上がらないとより上位の魔法を行使することができないことも知っていた。
しかし、タリスが整頓した収納魔法の中には確かに、
初級魔法のフレイムだけではなく、中級魔法のフレアも収納されていた。
「なるほど!
フレイムが20整頓されることによって、中級魔法が使えない自分でも上位の魔法にすることができるのか!
めっちゃすげーじゃん!
いや、しかし、待てよ・・・
親指くらいの炎を20集めたところでそんなに強い炎になるか?
試し打ちしてみるか?」
【取出】
タリスはいつもどおり、いつもフレイムを当てている岩に向かって魔法を唱えた。
そして、青白い炎が現れた。
タリスの拳と同じくらいの大きさで20もフレイムを合わせたとは思えないほど小さな炎だった。
ただ、スピードだけは速く、全力のフレイムよりも、野をかける獣よりも速かった。
「ああ、やっぱり少し速いくらいで
大きさもそんなに大きくない・・・
中級と言っても弱いかなーーーーー・・・・」
炎が岩に触れる・・・・
ゴウ!!!
森の木と同じくらいの高さの火柱が上がった。
タリスは知識としては中級魔法を知っていても、実際に見たことはなかった。
フレアが火柱だということは知っていても、どれほどの火柱になるかは知らなかったのだ。
というか、自分の親指大の炎が合わさってこれほど火柱が上がるとは思ってもいなかった。
「まずいまずいまずい!!!
さっきの比じゃないくらいまずい!!」
【スプラッシュ】
スプラッシュの水球を出すが、全く火は消える様子がなかった。
全力のスプラッシュをまた発動するにはもちろん30セメリかかる。
こんなことならスプラッシュも収納しておけばよかった・・・
なんて思いながら必死に、森の木に燃え移らないように消化した。
消化する頃にはすっかり昼も過ぎ、腹ペコのままタリスは家路についた。