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【1話-3】だんだんわかってきた収納魔法!

「だんだんわかってきたぞ。」

最初は10個しか入らなかったけど、今では30個収納できるようになった。

稲も1本から収納の木箱を1個使い、束ねて1束にしてしまえば木箱1個として収納できる。

大きいものを入れることができなかったが、イメージする木箱を大きいものにすることで大きな岩も入れることができるようになった。

収納したものの時間は経過していないようで、家で熱々のスープを皿ごと収納したところ、遊び終わった後も熱々のスープのままだった。

生き物を入れることができるか試したところ、飛んでいる虫を入れることができたので動物にも試したところ、森でうさぎを収納することができた。

うさぎの時間も止まっているようで、森で捕まえたうさぎを村で取り出したら、ここがどこかわからないようですぐ逃げてしまった。

流石に人を入れるのは怖いのでやっていない。



問題点も見えてきた。

「30個も覚えてるの大変だな・・・

 木箱だからこれには石を、この木箱には薬草をとか覚えてないと

 イメージの中の木箱は外から見えないんだよな・・・

 外から見える透明な箱に入れればいいんじゃないか!」

イメージを変更し、透明であるがしっかりと蓋が閉まる収納箱に入れ直した。

「これで外から見てなにかわかるし、薬草と石を間違えて恥をかくこともないね!」


「数が増えると数え間違える可能性があるのも問題だな。

 薬草を6個ほしいと言われたのに間違えて5個渡したときもあるし・・・

 入れるときは収納、出すときは取出、ものを整えるときは?なんて言うだろう」

【整頓】?

ザザザザザッ!

タリスの脳内で保管されている箱たちが集まり始め、乱雑だった収納箱たちが種類ごとにまとまった。


【タリス脳内表示】

石《5》岩《2》薬草《4》パン《1》干し肉《2》

と石やパンの映像とともに数が映し出された。


「すごーい!!

 いままであんなに乱雑に収納箱が置かれていたのに、箱じゃなくて絵?と数でわかりやすい!

 これなら一度に取り出すこともできそうだ!」

【取出】

そう唱えると目の前には小さな石が5つととタリスの背ほどある岩が2つ現れた。



英雄になることは諦めていないので、収納魔法以外も修行し続け、

6属性の初級魔法であれば使えるようになっていた。


そんなある朝、タリスが食事の手伝いで火を起こしていると、父が起きてきて、

「今日も母さんの作る最高の料理が食べたいよ!」

などとイチャイチャオーラを出していたが、タリスはいつものことなので【フレイム】と唱えていた。

「ほんとに、タリスが火を起こしてくれるから料理が楽になったよ!

 タリスが外にいるときも、私多収納魔法でタリスの魔法を収納しておければいいのにね!」

イチャイチャに乗らず母は言っていたが、

「母さん今なんて言った?」

「え??タリスが居て助かってるって・・・」

「違うその後だよ!」

「魔法も収納できたら楽になるのになって・・・」

「それだ!!」


タリスはずっと初級魔法しか使えないことを悩んでいた。

初級魔法も一度唱えた後すぐには次に唱えることができず、10セメリほど経たないと次に唱えても魔法が発動しなかった。

そんな時母は言っていた・・・


「魔法を収納する!!!」


タリスには収納魔法の才能があったので、収納魔法はいくらでも早く唱えることができた。1セメリにも満たないスピードでも収納できたし、何個でも同時に出せるようになった。

魔法を収納することができれば、誰よりも早く、誰よりも多く魔法を放つことができる!!


タリスは朝ごはんも食べず、いつも魔法の練習をしている森に走ってきてしまった。

走ってきたので、呼吸が乱れているのか、胸の高鳴りで心臓が跳ねているのか分からなかったが、少年タリスは落ち着いて唱えた。

【フレイム】

タリスの身長の4分の1ほどの大きさの火球がゆっくりと現れた。

火起こしのときとは違う全力のフレイム。

タリスは火球を収納箱に入れる強いイメージをするために、

目を閉じてゆっくりと唱えた。

【収納】

しばらくしても火球がなにかに当たる様子はない。

ゆっくりと目を開けたら火球は跡形もなく消えていた。

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