登場人物紹介
【ヴァーミリオン公爵家】
リリアン(14)
ヴァーミリオンの至宝、と言われるほど家族に溺愛されていることで有名。
四六時中付き纏う父親に嫌な顔ひとつせず、それどころかお茶とお菓子を勧めるくらいには慣れきっている。
14歳という年齢に似つかわしくないほど成熟した性格をしており、すでに崇高な精神を有している。それはひとえに反面教師が身近にいるからだろう。父親の未熟な精神を彼女が補っていると言っても過言ではない。
真面目だが、思い込みの激しいところがある。
魔法の属性は水。使う機会があまりないので、魔法の腕前はそこそこ。魔力量は多い。
銀髪碧眼。
アルベルト(46)
主人公。イケメンお父さん。容姿端麗頭脳明晰高身長、その実は娘命の超親馬鹿。
王国始まって以来の魔法使いで、その実力は折り紙つき。通常ひとつの属性にしか適正がないはずが、確認されている全属性に適正を持つ。膨大な魔力も有しておりあらゆる魔法を使う。また、魔法研究者としても名を馳せている。
それよりも有名なのは、その魔法と生まれを最大限に娘に使っているということ。
公爵家の財産と王国随一の魔法の腕を娘リリアンの為だけに使用している。
まず第一にリリアン。なにを置いてもリリアンが最優先。徹底して自身よりも優先させる親馬鹿っぷりを随時発揮している。
リリアンには甘いが、それ以外の物には一切興味がない。
基本的に人間性に欠陥がある。控え目に言ってクズ。顔と魔法と資産で見えなくなっているだけなのだ。
銀髪碧眼。
レイナード(20)
ヴァーミリオン公爵家嫡男。
真面目で努力を惜しまない性格。容姿を含めて母親似。顔つきと妹への溺愛ぶりは父親似。
マクスウェルとは兄弟同然に育ったため気安い間柄。
何よりも妹を優先するシスコンお兄ちゃん。どう見ても甘すぎなのだが、彼自身は一般的な範囲だと思っている(比較対象が父親のため)。
魔法の属性は土。魔力量・技術共に高い水準で使え、剣も得意な魔法剣士。
金髪青眼。
ソフィア(享年29)
リリアンとレイナードの母親。
リリアンを産んですぐ亡くなった。金髪青眼の穏やかな性格の女性。その色合いは息子レイナードに受け継がれている。
貴族女性には珍しく、レイナードを自らの手で育て教育した。彼が真っ直ぐに育ったのはソフィアのお陰。仲の良い兄妹であることを、天国で喜んでいるはず。
聡明で美しく、凛とした女性であったそうだ。
シエラとは友人だった。
*ヴァーミリオン家の使用人*
ベンジャミン(50)
ヴァーミリオン家の筆頭執事。
一見武人のように見えるくらいがっしりした体格の持ち主。実際武術の腕前はかなりある。
元々グレンリヒトの護衛だったところを、グレンリヒト本人からの依頼でアルベルトに仕えるようになった。それからは苦労の日々。
ヴァーミリオン領の家令、ドラセナはベンジャミンの養子。
シルヴィア(20代)
リリアン付きの侍女。生まれて間もない頃から付き従っている。
幼少期のリリアンはあまりにも可愛らしかったことから、主は本当に天使なのではと思っている。
忠誠心はぴかいち。
護衛も兼任しているのでそれなりに戦闘能力がある。
ガブリエル
侍女長。
元々はフリージアの侍女だったが、フリージアの意向でソフィアに仕える事になり、その後はリリアンを支える立場となった。
厳粛な性格ではあるが、幼くして母親を失ったリリアンには従者以上の感情を持っており、その原因となったアルベルトに対して厳しい視線を向けることも。が、基本的には身分に則った行動をするので、それに気付いているのはごく僅かだったりする。
シルヴィアの実の母。
デリック
リリアンの護衛騎士。エル=イラーフ王国出身。元孤児。
孤児を集めて盗みを働く男に育てられた。
色々あってリリアンに命を拾われ、尽くすことに。
待機時間に薪で彫刻を作るのが趣味。
ボーマン
元は近衛兵だった大柄な男性。色々あってスカウトされ、リリアンの護衛に抜擢された。
寡黙だが優秀。リリアンに忠誠を誓っている。
ヴァーミリオン領に妻子がいる。
【トゥイリアース王家の人々】
グレンリヒト(48)
現在のトゥイリアース王。アルベルトの兄。
賢王として名高い人物。元々周辺諸国の中では大国として知られていたトゥイリアースを更に押し上げた。現在では流通・経済の中心として大陸の内外で注目を集めている。
個人としてのグレンリヒトはおおらかで家族思い。冗談の通じる人物で、甥や姪にも優しい。
アルベルトがリリアンの為に動いたことで生じた諸々の尻拭いをさせられる人。頭痛の種はいつもアルベルトだったりする。
シエラ(46)
グレンリヒトの妻。トゥイリアース王妃。
良き母、良き妻として国を支えている。
幼くして母を亡くしたレイナード、リリアンをよく気に掛けていた。現在も伯母として二人の成長を見守っている。その点においてアルベルトと言い合いをする事がままある。
本作の肝っ玉母ちゃん枠。
マクスウェル(21)
トゥイリアース王国王太子。
レイナードとは兄弟同然の仲。
カリスマ性があり頭も良く、魔法の腕前も確かで剣の才能も持ち合わせている。
次代の王に相応しい人物。
そんな彼の最大にして唯一の懸念が叔父の存在。制御できないのは火を見るより明らかなので、リリアンにはしっかり手綱を握って貰いたいと思っている。
クロエ=シャリアフルール・フィリルアース(22)
フィリルアース王国第二王女。マクスウェルの婚約者。トゥイリアース王国で生活をしている。
婚約者というかもうほぼお妃様くらいの感覚。
王女でありながら幼少時より魔物研究をするなど、王族にあるまじき行動が目立っていた。
家臣の中にはそれを快く思わない者もいたが、彼女はそれを気にしたことがない。
間延びした口調が特徴。
ルーファス(15)
第二王子。
セレストと婚約関係にある。アズール公爵家への婿入りが決まっている身でありながらリリアンに片想いをしていて、隙を見ては近付こうとするのでアルベルトに嫌われている。
4話で改心してからは良好な関係を築こうとしているものの、まだ一番はリリアンのままである。
【ヴァーミリオン領の人々】
ドラセナ
ヴァーミリオン家の家令。アルベルトの無茶な指示による事務処理なんかを実際にやっている人。
あまりにも激務なため常に寝不足で目付きが悪い。
養父のことは尊敬しているものの、もしかして仕事押し付けられているのではと疑っている。
ゴットフリート(60代)
先代トゥイリアース王。アルベルトの父親。
筋肉に手足が生えたような脳筋。魔法の属性は土。
ゴットフリートが即位した頃は国内が権力争いで荒れており、なかなか強行な手段でそれらを抑えつける。反発はあったが、文字通りそれごと潰して回った剛の者。
子供達のことは国を治めるための駒としてしか見ておらず、そのせいでアルベルトとは険悪になった。
あまり人の心が分かる人物ではない。
孫のことは打って変わって可愛く思っており、特にリリアンには非常に甘い。
フリージア(60代)
ゴットフリートの妻。先代の王妃。アルベルトの母親。
凍えるような冷たい瞳が特徴。夫と共に国を鎮めた女傑。
王妃としての立場を優先した行動を取っていたため、母として子供達に接する機会が少なかった。
愛情がないわけではなく、王族としての振る舞いの方が大事だったというだけ。
【王都の人々】
シュナイダー・アズール
アズール公爵家の当主。
アルベルトとは知り合い。かつての同門で少し関わりがあったものの特別親しかったわけではない。
が、生来の面倒見の良さが災いして、なにかと周囲と揉め事を起こすアルベルトに構ってしまい、彼の記憶に残ってしまった。
とても真面目で常識人。ツッコミ体質。
セレスト・アズール(14)
アズール公爵令嬢。シュナイダーの一人娘。
幼い頃、ルーファスがリリアンに一目惚れしてしまい、それが原因でリリアンを敵視していた。
リリアンを邪険にするなどしていたが、ルーファスの本音を聞いて吹っ切れたらしく、真っ向から対峙することにしたらしい。
服飾・装飾品、美術品を取り扱うアズール家の令嬢として服飾部門に携わっており、自らもドレスのデザインをするなど造詣が深い。
リリアンのドレスには最新の技術や素材が使われているため、それに釣られて協力することも。
父親同様、とても真面目な性格。
クラベル・ランバル(20)
フィリルアース王国のランバル公爵令嬢。レイナードの婚約者。
公爵家令嬢ながら料理を趣味にするなど変わったところがある。
レイナードよりリリアンの方が好き。
一日でも早く嫁ぎたいと思っているが、実家の継承問題がゴタゴタしており、なかなか思うようにいかずにいる。
礼儀作法などはきっちりしているものの、それに囚われることのない女性。
ガードマン・ハウリング
第二騎士団副団長を務める騎士。声がでかい。
第二騎士団は王城警備の他、罪人の護送、牢の見張りなどを行う。
そのため、なにかと騒ぎを起こすアルベルトとは面識がある。
声が大きくうるさいのでアルベルトはガードマンを嫌っているが、ガードマンの方はアルベルトの魔法の大ファンなので、喧しさに拍車がかかっている。
役割はしっかり果たす騎士らしい男。
ヴァイオレット・プレート伯爵令嬢
シャロン・トラウル侯爵令嬢
ミオラル・レンブラント
リリアンの親友たち。いずれもよくリリアンを信奉しており、心から崇拝している。
アンバー・サングロー
サングロー公爵家の女当主。
サングロー家は交易を統括する役割を担っており、それに付随する形で安全面も管理する。トゥイリアース王国の冒険者組合の元締め。そのためとても多忙。
思い切りがよく快活な性格で、細かいことは気にしないタイプ。
当主となる際にアルベルトが関わっており、一応借りがある。