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イベリスの決断は?

続きが気になる方々、御待たせ致しました。

「私はシオン様のお嫁さんになります。」

「イベリス。その意味を判っているのか?」

「判っておりますわ。この4年間悩み続けた事なのですから。」

「家族や友人との永遠の別れより辛い現実が待っているのだぞ。」

「承知しておりますわ。」

「シオン様。どうか、イベリスを受け入れて欲しい。」

「……アルトか。」

「イベリスは充分に思い悩み続けて来ました。だから、イベリスが覚悟を決めたのなら、その意志を尊重したい。」

「アルト、本当に良いのだな?」

「はい。既に家族も承知しております。」

「分かった。なら、イベリスを俺の第3夫人として迎えよう。」

「シオン様。私、第3夫人として立派に勤めあげてみせますわ。」

「おめでとう。イベリス。」

「御父様。イベリスの最後の我が儘を受け入れて下さりありがとうございます。」

「イベリスがシオン様の事を話し始めていた時から、この日が来る事を覚悟していたよ。」

「……御父様。」

「では、冷徹な事務的な話をしようか。」

「はい。」

「いつ頃にイベリスは『病死』になる?」

「実は、潰したい貴族が幾つか有りますので、イベリスの『病死』に繋がる切っ掛けをでっち上げて擦り付けようかと考えています。」

「分かった。イベリス。」

「はい。シオン様。」

「今の内に、充分に友人達との時間を大切にしなさい。」

「……はい。シオン様。」


涙ぐむイベリスとアルトが出て行き、あれから更に、1年の月日が過ぎた。


この1年間に、俺はイベリスといつもいるようになり、2人でアルトが潰したい貴族を釣る為の餌を演じて見事、釣れた貴族を潰した。

それからは、いずれは世界の裏側に廻るイベリスの為に、お茶会や夜会等の社交界に顔を出して、イベリスの思い出を作っていった。

アルトとしては、潰ぶす貴族を切っ掛けにイベリスを表舞台から降ろそうと考えていたようだが、流石にイベリスが若すぎる為にその案を却下した。


「『病死』など、いつでも出来る事だ。」


そう2人に告げると2人に泣かれてしまった。

やはり、無理に我慢していた様だ。


こうして、現在の不安材料を払拭した俺達は、穏やかに日々を過ごした。

今日は、イベリスの親しい友人のお茶会に誘われている。

この友人は潰した貴族のせいで、窮地に立たされていたが、その貴族が居なくなったお陰で立ち直り、今日が復活後の最初のお茶会だ。

イベリスは笑顔のまま、着ていくドレスを真剣に選んでいる。


俺達は、出発の準備が整い、お茶会に向かった。


「ネリネ=ファーブル様今日は素晴らしいお茶会にご招待して頂き、感謝致します。」

「ようこそ。御出下さりありがとうございます。イベリス=ラングァーデ様とシオン様。」


2人の令嬢は、互いに頬が引き吊っていた。


「「もうダメー!」」


「久しぶり。イベリス様。」

「久しぶり。ネリネ様。」


どうやら、互いに似合わぬ無理をした挨拶をした様だな。


「イベリス様。再会出来て嬉しいですわ。」

「ありがとう。ネリネ。貴女も元気そうで安心したわ。」

「イベリス様。ご紹介して頂けます?」

「ネリネ様。此方の方が私の婚約者になるシオン様です。」

「初めまして。イベリスの婚約者になるシオンです。」

「初めまして。イベリスの友人のネリネ=ファーブルです。父の爵位は『伯爵』です。」


ネリネ嬢が意味有り気に目線を向けて来る。


「イベリス。ネリネ嬢の積もる話が有るだろうから、旧交を暖めてくると良い。」

「分かりましたわ。シオン様、少しの間ですが、失礼致しますわ。」


イベリスとネリネ嬢が、旧交を暖めている間に少々腹に入れておこうか。



「イベリス。こうして再びお話が出来る日が来るとは思いませんでしたわ。」

「ネリネ。私もよ。」

「父から聞いたわ。私達の為にありがとう。」

「気にしないで。結果でしかないんだから。」

「それでもよ。」

「分かったわ。これでおしまいにしましょう。」

「ええ。それでイベリス。あの方は何処のどなたですの?」

「ネリネ。貴女に隠し事や秘密なんて持ちたくなんて無いわ。でも、私は王族の1人なのよ。」

「分かったわ。」

「ありがとう。でもね。あの方の身元は国王陛下が保証しているわ。」

「国王陛下が!?」

「そうよ。だから安心して。何らかの脅迫とかでは無いから。」

「それなら良いのよ。でも、何処で見つけたのよ? あんな素敵な方を。」

「うふふ。秘密よ。」

「何よ。先程、隠し事や秘密を持ちたく無いと言っていたのに、もう隠し事?」

「ごめんなさい。でもね。あの方との出会いは私がまだ幼い頃からなのよ。」

「なら、『初恋』ね?」

「もう、ネリネったら。そんなにはっきり言われると恥ずかしいでしょう。」



どうやら、互いの旧交を暖めあっている様だな。

残念ながら、内容までは分からないけど。

しかし、この時代の身分を用意していなかったな。

このお茶会が終わった後にでも用意しよう。

イベリスに恥をかかす訳にはいかないからな。


さて、そろそろ迎えに行くかな。


「ネリネ嬢。失礼致します。イベリス。旧交を暖めたかい?」

「ええ。シオン様。」

「イベリス様。シオン様。この後もごゆっくりと御過ごし下さりませ。」


イベリスとの旧交を暖めたネリネ嬢は、他の招待客の挨拶に向かった。


「あら、お久しぶりですね。イベリス様。」

「お久しぶりです。シェイン=ペアドント様。」

「貴女様もご招待を受けていましたの?」

「ええ。ネリネ様とは親しくしておりますので。」

「そちらの方は?」

「ご紹介しますわ。私の婚約者になるシオン様です。」

「初めまして。イベリスの婚約者になるシオンです。」

「初めまして。シェイン=ペアドントですわ。所で、イベリス様に婚約者が居られるなんて初めて聞きましたわ。」

「婚約者と言っても、内々の事ですので。ただ、正式な発表がまだ無いだけですわ。」

「そうでしたの。身分も言えぬ卑しい方を婚約者にする筈が有りませんものね。」

「そうですわ。近い内に、発表が為されますわ。」

「では、これで失礼致しますわ。」



「イベリス、誰?」

「御父様の第4側室の姉の次女ですわ。」

「また、えらく微妙な立場の御令嬢だな。」

「ええ。だから、王族の私に話し掛けて来る事が出来ますの。」

「あの一族には俺の素顔は秘密だな。」

「分かりましたわ。御父様に伝えておきますわ。」


貴族を潰した後は、不要な混乱を防ぐ為に控えていたが、今回のお茶会からイベリスとの同行を再び始めたが、やはり早急に身分を用意しよう。


「影。」

「はっ。」

「俺の身分を用意しろ。」

「御意。」


「シオン様。今の方は?」

「雑用係りだよ。」


イベリスが感情を特定出来ない微妙な表情をしている。

ちょっと可愛い。

それにしても、あの御令嬢。会話の中に僅かに刺が有ったぞ。

注意しておく必要が有るかもな。


こうして、このお茶会が終了するかと思ったが、まだ終われそうに無い出来事が発生した。



「何をなさっていますの? シェイン=ペアドント様。」

暖かい応援メッセージと星の加点をお願い致します。

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