セチアとお出かけ。
「とりあえず、王都を廻るぞ。」
「はい、シオン様。」
「おい、呼び捨てで良いぞ。」
「呼び捨てでは、私の存在理由が揺らぎますので、お願い致します。」
「はあ、仕方ないか。」
「ありがとうございます、シオン様。」
「先ずは、最低限の装備を整えよう。」
「そんな、滅相もない。」
「いいから、これはマスターとしての義務だ。」
「分かりました。」
こうして、俺はセチアの装備を整えた。
さて、一先ずの用事を済ました。
何をしようか?
あっ!?
セチアの冒険者登録をしていなかった。
俺達は冒険者ギルドに向かった。
「お久しぶりですね、シオン様。……そちらの方は?」
「俺達のパーティーに参入したセチアだ。冒険者登録をしたい。」
「畏まりました。では、此方の用紙に記入をして下さい。」
セチアの冒険者登録が終わり立ち去ろうとすると、俺達に声を掛けてきた。
「よう、シオン。また女を増やしたのか? いつか、ミアさんやシアさんに後ろから刺されるぞ。」
「大丈夫だ。2人には了承済みだ。」
「かあ~。マジかよ。ミアさんやシアさんが良く了承したな?」
「確かに今後は共に居るが、別に恋人になる訳でも無いし、必要に迫られてだからな。」
「シオン、お前まさか、良い所の生まれか?」
「確かにそうだが、後継者でも無いしな。」
「そうか。なら言う事は無いな。」
「心配してくれてありがとな。」
「良いって事よ。また、組もうぜ。」
「おう!またな。」
「シオン様。先程の方は?」
「以前、合同で組んだ事の有る冒険者だ。
見かけとは正反対に良い奴だよ。」
「説明ありがとうございます、シオン様。」
俺達は暫く散策をした後、王城の地下の俺の部屋に行くと、手紙が置いて有った。
内容は、現国王の孫娘の14才の誕生日が近いらしい。
誕生日のプレゼントに何が良いか聞いたら、城でたまに見掛ける俺に誕生日を祝って欲しい様だ。
俺の正体を知らない筈だが、微笑ましいお願いだ。
俺はこのお願いを叶える事にした。
3日後の誕生日当日
流石に王族の誕生日なだけに、沢山の招待客で溢れていた。
俺は何故か1番最後に挨拶の呼び出しを受けた。
「14才の誕生日おめでとうございます。イベリス=ラングァーデ様。」
「ありがとうございます、シオン様。」
俺はイベリスに花束を渡し、一旦この場を離れる。
国王の挨拶が終わり、歓談等を行うフリータイムに入った。
因みにミアとシアは小さな淑女の意図を察して不参加。
俺は男ながら壁の華をしていると、今日の主賓が俺の下に来た。
「やっとお話しが出来ます。シオン様、宜しいかしら?」
「勿論ですよ、イベリス様。」
「呼び捨てで構いませんわ。」
「イベリス様。そういう訳にはまいりませんよ。」
「シ・オ・ン・様。」
「分かりました。イベリス。」
「はい。」
「イベリス。何からお話ししましょうか?」
「シオン様。貴方は何処の誰ですの? お見掛けするのはこの王城の中で、しかも、王宮の比較的に深い場所で良く見掛けますわ。」
「私が『誰』なのかは、いずれ知る事になるでしょう。そうですね、イベリスが王族としての誇りと覚悟が芽生えたら教えしますよ。それまでは秘密です。ただ、私の身分は国王陛下が保証してくださりますよ。」
「シオン様のイケずですわ。」
「申し訳ないです。」
「もう。そんな固い言い方は良くないですわ。折角の呼び捨てが意味が無いですわ。」
「分かったよ、イベリス。」
「もう直ぐ、ダンスの時間よ。」
「おい! 貴様は誰だ?」
いきなり、俺とイベリスの会話に割り込んだ馬鹿が現れた。
「私達の会話に入るなんて不敬ですわよ。」
「申し訳ありません。しかし、王女殿下が何処の生まれも解らない者と居た所を発見したので御守りする為に参上致しました。」
「貴方を呼んだ覚えはありませんわ。」
「貴様! 名を名乗れ!」
「貴族の一員で在りながら、礼儀も知らないのか?」
「なっ!?」
「礼儀も弁えぬ者に名を名乗る義務は無い。」
「ぐっ! 私の名は、マーケイヌ=トボエだ。伯爵家の次男だ。」
「シオンだ。」
「家名と階級も名乗れ無い程の者か。」
「名乗っても良いが家が潰れるぞ。」
「何を馬鹿な事を言っているんだ?」
「事実だ。」
「どうした?」
「お父様。」
「王太子殿下。実は、生まれ卑しき者が紛れ混んでいたので、対応をしておりました。」
「誰のこ……!?」
「久しぶりだな。アルト。」
「シオン様。お久しぶりです。」
「王太子殿下。何故、こんな奴に敬語を使っているのですか?」
「黙れ! この方は我々王家に取って大事な方だ。」
「ウソだ。」
「ほう。私の言葉を嘘つきと呼ぶか?」
「!? いえ、決してその様な意図は御座いません。」
「立ち去るが良い。追って沙汰を伝える。」
「そんな……」
「聞こえ無かったのか?」
「……御前、失礼致します。」
「シオン様。申し訳ありません。」
「構わないよ。助かった。」
「なら、良いのですが。」
「シオン様。貴方は何者ですの?」
「アルト、イベリスはどうだ?」
「実は近々、お伺いしたいと思っておりました。」
「お父様。どういう事ですの?」
「イベリス。近々、紹介しようと思っていたんだよ。ただ、誕生日のお願いで前倒しになったけどね。」
「そうだったのですか。」
「アルト。俺はイベリスと踊ってくる。明日以降に来ると良い。」
「分かりました、シオン様。」
ダンスの時間を伝える曲が流れだした。
「イベリス嬢。私と1曲踊って頂けますか?」
「シオン様。喜んで。」
2日後の午後1時頃に王宮の1番奥の地下室に王太子とその娘イベリスが現れた。
「お父様。此処は我々王家の者でも、国王陛下の許可が降りないと来る事が出来ない立ち入り禁止だと記憶しているのですが?」
「大丈夫だよ。既に許可は貰っているからね。」
「なら、良いのですが。所で、お父様。この後に正式にシオン様を紹介して下さるのですよね?」
「ん~。大丈夫だよ。」
「お父様。はぐらかさないで。」
「到着したよ。」
ドアをノックする音が響き渡る。
「どうぞ。」
「え!? シオン様のお声?」
「イベリス。中に入ろうか。」
「ようこそ。俺の城へ。」
「どういう事ですの?」
「イベリス。我が王家の初代国王の父親の名は?」
「当然、覚えておりますわ。」
「言ってごらん。」
「シオン=ラングァーデ……!?」
「イベリス。改めて自己紹介しよう。俺の名はシオン=ラングァーデ。イベリスの始祖で初代国王の父親だ。」
「そんな!? 今も生きていられるなんて。しかもこんな若い外見で……」
「イベリス。シオン様はね、創造神様からこの世界の調整者の役目を与えられた方なんだよ。」
「そういう事だ。だから、俺は創造神によって不老不死になった。」
「そんなの嘘よ。」
「アルト。席を外してくれないか?」
「分かりました。」
アルトが一旦、部屋から出た。
「シオン様。本当の事を教えて下さい。」
「本当なんだけどな。ある日に創造神が俺に話し掛けてきた。この世界の調整者になって欲しいと。俺は承諾して世界の調整する者になった。あれから、年月だけで言えば数百年は経つ。だから、……」
「シオン、話は終わった。」
「ミア、シア、まだだ。」
「シオン様は、この方達は?」
「俺の妻達だ。」
「!?」
「イベリスには、こう言った方が良いかな。」
「初めまして。シオンの妻『カルミア』です。」
「初めまして。シオンの妻『ネメシア』よ。」
「その名は初代国王と王族の母親達の名です。」
「そうよ。私達も途中から真実を知って、シオンと共に歩む事を決めたのよ。」
「そんな~。」
「シオンも外に出ていてね。」
「任せるよ。」
俺は既に外にいるアルトに話し掛けた。
「イベリスは真っ直ぐに育ったな。」
「ええ。自慢の娘です。」
「カルミアに初めて会った時を思い出した。」
「それでどうして外へ?」
「許容範囲を越えたみたいで、ミアとシアが相手をしている。」
「そうですか。もし、イベリスが覚悟を決めたらお願いします。」
「そっちも拒絶された時は、慰めてやれよ。」
「勿論ですよ。私はイベリスの父親なのですから。」
「アルト。」
「はい。」
「イベリスが覚悟を決めた場合は、外見はどうにでもなる。じっくり考えれる様に導いてやれ。」
「分かりました。」
こうして、イベリスに真実を告げる日は終わった。
俺は部屋の中でどんな話をしたかは知らない。
あの日から、4年の月日が過ぎた。
俺は部屋の中でのんびりしていると、ノックが入った。
「どうぞ。」
「シオン様。私は決めましたわ。」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願い致します。




