裏側で居続ける支配者
前回の話にコメントを入れて頂いた方に本当に申し訳無い事をしました。
次は無い様にしないと。
誰が居たかは解りますよね。(笑)
「おう!リング、やっとカルミアの許可が降りたんだな。」
「父さん!? 生きていたんだね。いや? それにしてはあの頃の若いままだし?」
「リング。父さんはね、『グランド・ダンジョン・マスター』なのよ。だから、不老不死であの外見のままなのよ。」
「グランド・ダンジョン・マスター?」
「ええ、そうよ。父さんは、創造神様から世界の調整者の役目を背負っているのよ。」
「じゃあ、父さんはあの時は死んでいなかったんだね。」
「その通りよ。何時までも若いままの領主なんておかしいでしょう。」
「何て事だ! 父さんが生きてずっと此処に居たなんて。」
「だから、リングが国王になった戴冠式も遠くからだけど見ていたし、リングとカリンの結婚式を見ていたわ。」
「リング、悪かったな。立場上、祝いの場に行って祝いの言葉を言えなくて。
今更だが、リング、戴冠式は立派だったぞ。
そして、結婚式は素晴らしい式だった。カリンさんはリングにお似合いの女性だよ。」
「父さん。ありがとう。でも、何故、会ってもいないカリンの事を知っているの? 母さん達から聞いたの?」
「この部屋で景色を写す道具で見ていた。後、安心しろ。寝室と風呂や脱衣場にトイレは見えない様にしている。これは、カルミアとネメシアに掛けて誓う。」
「父さん、母さん達には弱いもんな。
信じるよ。」
「それは良かった。」
「……父さんは、これからどうするの? 僕はどうすれば良いの?」
「俺は世界の調整者という立場が有る。だから、基本的には、この一室。この王城が家で有り、拠点だ。まあ、何か有れば外に出る必要は有るがな。そして、リングは今まで通りに国王としてカリンさんと支えながら頑張って行けば良い。何か有れば相談に来なさい。」
「父さん、他のエンジュや下の弟妹達やカリンはどうするの?」
「まあ、リングが大丈夫みたいだから、順番に会う事になるな。形としては、将来的には王家のみが知るこの王国の秘密みたいになるだろう。」
「それじゃあ、これから生まれて来る僕の子供達はどうするの?」
「リングやエンジュの子供達には、俺の事は世界の調整者で有る事以外は言う必要は無い。まあ、しっかり秘密を守れる様なら教えて良いがな。」
「分かったよ。僕もカリンやエンジュ達に秘密のままは嫌だったし良かったよ。」
「リング。話は以上だ。父さんの息子の時間は終わりだ。国王としてのリングに戻りなさい。後、カルミアとはまだ話が有るから残りなさい。勿論、用事が無くても来ても良いぞ。愚痴ぐらい聞いてやるからな。」
「ありがとう、父さん。また来るよ。」
「ああ。無関係な奴等にバレないようにな。」
「分かっているよ。」
「シオン様。リングと話せて良かったわね。」
「カルミア、ありがとう。リングとまた話せる様になった。」
「次はネメシアの長女エンジュね。」
「そうだな。葬式の時の事を考えると覚悟しないとな。」
「そうね。かなりの父さん子だから。」
「カルミア、あの話はどうする?」
「そうね。正直まだ悩んでいるわ。」
「そうだろうな。だが、安心しろ。創造神には話をつけている。カルミアやネメシアが望むなら、俺と同じ時間を歩めるし、来世も共に歩む事が出来る。」
「シオン様。もう少し時間を下さい。」
「構わない。文字通りに時間だけは有るからな。」
「シオン様。また来ますね。」
「カルミア、待っている。」
あれから、1週間後にネメシアとエンジュが俺の部屋に来た。
「お父様ーーーーーーーーーーーー!!!」
エンジュは俺を見た瞬間に涙を流しながら、俺に突撃を敢行し見事にエンジュの頭頂部は、俺の鳩尾に深く入った。
「グフッ!!」
「お父様、申し訳ありません。」
「いや、良いんだ。それよりも、エンジュも元気そうで何よりだ。」
俺はエンジュを優しく抱きしめながら頭を撫で続けた。
「お父様から頂いた命を粗末にしたりしませんわ。」
「エンジュも旦那様との間に生まれた娘『ジュリア』と仲が良くてよ。」
「そうなのか? ネメシアはこう言っているが?」
「お父様とは違う意味で大切な存在よ。」
「それは良かった。」
「お父様。質問をして宜しいかしら?」
「なんだい?」
「お父様は、あの時に亡くなられた筈ですし、生きていたなら、あの頃のまま若いのは不自然ですわ。」
「ああ。それはな。俺が創造神から世界の調整者の役目を背負っているからだ。そして、その責任を背負う為に不老不死の存在になったんだ。」
「お父様。そうだったのですね。」
「この秘密を知っているのは、まだカルミアとネメシアとリングとエンジュだけだな。いずれは他の家族にも伝える予定だ。」
「えー!リング兄様はもう知っているの? 何か悔しいわ。」
「秘密を守れる様なら、将来的にはこの王国の王家だけが知る秘密になるだろうな。」
「お父様。旦那様やジュリアは何時、伝えるのかしら?」
「先ずは、俺達の子供達からだ。それが済んでからだな。」
「分かりました、お父様。」
「何か有れば相談をしに此処に来なさい。勿論、何も無くても来たいと思えば来ても良いからな。」
「はい。お父様。」
「では、エンジュは帰りなさい。まだネメシアには話が有るからな。」
「お父様。また来ますね。」
「ああ。また来なさい。無関係な奴等にバレないようにな。」
エンジュが帰った後、ネメシアと2人きりになり一時の静寂が訪れた。
「エンジュは何時までも元気だな。」
「はい。私の、いえ、私達の自慢の娘ですもの。」
「そうだったな。カルミアには話たが、ネメシアはどうする?」
「正直、まだ迷っています。この事はカルミアと充分に話し合う必要が有りますので。」
「そうだろうな。だが、カルミアにも言ったが時間だけは有るからな。しっかり考えて答えを出せば良い。」
3年後、俺と血が繋がった家族。つまりラングァーデ王家の全員に俺の事を話した。
反応は色々だが、全員が受け入れた様だ。
特にカルミアとの娘「レイム」はエンジュの時よりも激しかった。本人的には黒歴史に為りそうなので、内容は秘密だ。
更に、其処から5年が経ち、カルミアとネメシアが俺の部屋に来た。
「シオン様。私達はシオン様と共に歩む事を決めました。」
「そうか。俺と共に歩いてくれるか!」
「ええ。私の娘エンジュから下の子供達。カルミアのリングから下の子供達と話し合い、納得して貰いましたわ。」
「そうか。それでは、『自分も』と言い出す子は居なかったのか?」
「それは大丈夫だったわ。子供達と言っても世間から見れば皆が大人なのですから。」
「そうだったな。俺達から見れば子供でも、周りから見れば大人だったな。」
「ええ。だから大丈夫よ。」
「カルミア、ネメシア、良く受け入れてくれた。これからは、3人と、たまにアリア達との時間を過ごそう。」
「シオン様。其処にアリア達は余分ですよ。」
「しかし、忘れてはならない事だろう?」
「そうですが。シオン様はたまに、空気を読まない時が有りますから。」
「それはすまなかったな。」
こうして、カルミアとネメシアは、ゆっくりと静かに表舞台から身を引いていった。
表向きは、リング達に任せてカルミアとネメシアは亡くなった俺を想いながら余生を過ごすという事になっている。
リング達の子供達、つまり俺の孫達には、カルミアやネメシアの親戚という形で孫達と数年間だが、関わっている。
俺も孫達と遊びたいが為の策。
しっかりとカルミアとネメシアとリングとエンジュには、笑われたが、孫達と遊ぶ時間には変えられん。
まあ、これで孫達が大人になってからのサプライズという楽しみが出来た。俺を覚えていると良いのだが。
30年後、カルミアとネメシア合同の葬式が厳粛に終了した。
勿論、遺体はダミーだ。
周りからは母親の葬式にさえ涙を流さない責任感の強い国王と王家として見ている様だ。
俺? 俺は適当に変装して葬式に参列している。
俺は葬式の前日に孫達迄には俺のネタバラしをしている。
孫達の驚き様は素晴らしかった。仮にも葬式の前日とは思えない程だ。
こうして、孫達の代でも俺は王城の地下の一室に居る事が出来る訳だ。
これを代々繰り返せば、生きた御神体の完成だな。
これで勇者を輩出して、他国に発言力が有る国を手に入れた。
将来はカルミアとネメシアの3人で世界を廻るぞ。
え? アリア達はどうしたって?
最近のアリア達は自分のダンジョンに夢中なんだよ。
滅多に会いに来てくれない。
気持ちが冷めたとか絆が切れたというよりも、与えられたオモチャに夢中で、オモチャから手を離せない状態だな。
内偵達や影からの報告では、評判が良いらしい。
そういう訳で世界観光はカルミアとネメシアの3人になる予定だ。
後、20年前辺りから「エリクサー」だと地球の創造神からクレームが来るかもしれないから、「エリクサー」改めて「アエサナプ」と名付けた。(造語だよ。システムに介入して調べたら、それらしいの全部がナニかに引っ掛かる。)
これを2、3年に数回(サイコロを転がして決めている)、「アエサナプ」を内偵や影からの報告から助けたい人に使って宣伝している。
薬の素材はダリアのダンジョンに有ると!
因みにダンジョンの呼び名は「楽園」らしい。
アリアのダンジョンの呼び名は「恐怖の城」
ユリアのダンジョンの呼び名は「竜峰」
メリアのダンジョンの呼び名は「大草原」
と呼ばれているらしい。
やっと、俺が望む世界の土台が出来た!!
暖かい応援メッセージと星の加点をお願い致します。




