滞在延長する主人公
滞在を延長した主人公は何をするのか?
俺がまだ当分は王城に居る事を感じたアリア達は、自分のダンジョンに行った。
いつも、隣に居た者が居ないと寂しいものだな。
これが、「親離れ」だろうか?
表向きは王都の屋敷に居る事になっている。
アリア達が居なくなった事で、王家に少し欲が出た様でお茶会の招待を王妃から受けた。
内容は、王妃と第2王女カザミヤ殿下と第3王女カルミアが開く、身近な者達や各王家の仲の良い者達だけのお茶会らしい。
まあ、王家のお茶会に興味が有ったから参加する事にした。
~1週間後~
「王妃カトレア様。王女カザミヤ殿下。王女カルミア殿下。本日は、この様な素晴らしいお茶会に御招待して頂けて光栄で御座います。」
「私達のお茶会にようこそ、お出で下さいました。シオン様。」
「王女カルミア殿下のお茶会には、幾度かの御招待を受ける名誉が有りましたが、流石にまだまだ王妃様には敵わないみたいですね。」
「お誉めの言葉に感謝しますわ。」
「改めて言わせて頂きますわ。初めまして。私は第2王女カザミヤ=リブロ=イデクスですわ。」
「では、俺も改めてご挨拶しましょう。俺の名前は、シオン=ラングァーデです。」
「宜しくお願い致しますわ。シオン様。」
「シオン様。お久しぶりです。」
「久しぶりです。カルミア王女殿下。」
「何時もの様に『カルミア王女』とお呼び下さい。」
「……分別は必要と思いますが。」
「構いません。」
「分かりました。カルミア王女。」
「それで宜しいのです。」
「あらあら、すっかりカルミアと仲良くなっていますね。」
「少々、場を弁えぬ振舞いでしたね。」
「構いませんわ。それとシオン様。このお茶会にご招待した皆様に紹介したいのだけど宜しいかしら?」
「ええ。勿論です。」
「皆様。お聞きになって下さる。此方の方が、我が王家がこの国に御招待した『シオン=ラングァーデ』様です。我が王家にとってとても大事な方です。皆様も、宜しくお願い致しますわ。」
「父がこの国の国王陛下と友人の間柄で有る事が御縁で、滞在させて頂いている、『シオン=ラングァーデ』です。」
暫くは、招待された貴族令嬢の自己紹介が続いたが、終わるとカザミヤ王女殿下が話掛けて来た。
「シオン様。この様な些事に貴重な時間を裂いて頂きありがとうございます。」
「別に気にする事は無い。興味が有ったからちょうど良い。」
「その様に言って頂けると此方も安心します。」
「それで、俺を貴族令嬢に見せびらかす為に呼んだ訳ではあるまい?」
「はい。その通りです。」
「目的は何だ?」
「シオン様さえ、良ければカルミアと婚約して欲しいのです。」
「俺達が何時、実質的な支配をされるのか怖いか?」
「正直に言えばそうです。」
「素直に吐いたな。」
「シオン様に嘘・偽り等、其こそ愚か者のする事ですわ。」
「成る程な。で、俺が断ればどうするつもりだ?」
「残念ですが、諦めるしかありませんわ。」
「確かに、俺がその気になれば、この国は明日の太陽を浴びる事は無い。ああ、心配するな。王家が余程愚かでなければ、その様な事はしない。
しかし、不安は押し寄せるか。」
「……はい。」
「良いだろう。カルミア王女との婚約を許そう。」
「シオン様。ありがとうございます。これで王家、そしてこの国の安全は約束されました。」
「本音は?」
「カルミアの泣き顔を見なくて済みます。」
「それで良い。王家とも云えども心は有る。国の為とかよりも余程良い理由だ。」
「シオン様。アリア様方には……。」
「問題無い。俺から伝えておく。それで、婚約期間は何をして欲しいのだ?」
「カルミアと共に、学園に通って欲しいのです。」
「理由は?」
「実は、カルミアと釣り合いが取れる相手が居ないのです。このままでは、かなり年の離れた相手しか居らず、謂れの無い言葉を掛けられてしまいます。」
「そこで、仲良く俺と居ればカルミアを傷つける言葉も出なくなり、カルミアの王族としての誇りは守られるか。」
「その通りで御座います。」
「その学園はどんな所で何処に有る?」
「学園は、この国に仕える貴族の子息令嬢と上位商家の子息令嬢、そして、周辺の人族の国の貴族の子息令嬢です。場所はこの王都に御座います。」
「分かった。カルミアを守ると約束しよう。」
「ありがとうございます。早速、カルミアとお母様に伝えてきます。」
俺から離れたカザミヤ王女殿下は、王妃とカルミア王女の所に行き、先程の話をしている。
カルミア王女から一瞬悲鳴が上がり掛けたが、直ぐに口を押さえて沈黙したが、俺を見て赤くなり俯いた。可愛いもんだ。
お茶会はお開きになり、招待を受けた貴族令嬢は帰って行った中、俺は残り、今後の話を始めた。
「シオン様。娘カルミアとの婚約を認めて下さりありがとうございます。」
「俺には、地位も金も権力も関係が無い。だから、カルミアとの婚約を認めた。」
「シオン様。本当に私で良かったのですか?」
「ああ。カルミアだから認めたんだ。」
「シオン様……」
「俺は、何時頃に学園に通えば良い?」
「カルミアは既に通っていますので、手続きが済み次第になります。」
「なら、ザナビと相談して決めてくれ。」
「畏まりました。」
「カルミア王女……、いや、これからは、婚約者だ。カルミアと呼ぶが良いか?」
「はい。シオン様。」
「俺にはシオン『様。』付きか?」
「はい。この国の伝統ですから。」
「伝統なら仕方無い。」
「はい。シオン様。」
こうして、お茶会から婚約相談が始まり、俺は婚約者が出来た。
俺は馬車で送られ、屋敷に到着した。
「お帰りなさいませ。シオン様。」
「アリア達は?」
「シオン様のお部屋に居られます。」
「分かった。呼ぶまで、部屋に来なくていい。」
「承知致しました。」
俺の部屋に入ると、アリア達がのんびりしていた。
「アリア。ユリア。メリア。ダリア。聞いてくれ。」
「我が君。どうしたのじゃ?」
「旦那様。何か有ったのか?」
「ご主人様。どうしたの?」
「我が主様。大切な話?」
「俺に人族の婚約者が出来た。アリア達が良く知っている、カルミア王女だ。」
「我が君。何故なのじゃ?」
「1つは俺の長期的な計画の為。もう1つが単純にカルミアを気にいったからだ。」
「旦那様。私達はどうすれば良いのだ?」
「アリア達には、その間はこの屋敷に居ながら、自分のダンジョンをより良い物にして欲しい。」
「ご主人様。どういう事?」
「カルミアとは、婚約者になりこの国の学園に通う事になった。だから、その学園に通っている間は、アリア達に構ってやれない。その間にダンジョンをより良くして、学園に通わなくなったら、俺に見せて欲しい。良く出来ていたら、誉めてご褒美をあげよう。」
「我が君。本当かなのじゃ?」
「ああ。本当だ。」
「旦那様。学園に通わなくなった後はどうするのだ?」
「恐らくは、学園に行く前に婚約発表して、学園が終了後に結婚して、地方の領地を統治する事に成るだろう。」
「ご主人様。その後はアタイ達はどうするの?」
「学園が終了したら、一緒に来てくれても構わない。書類上は血が繋がっているから問題無い。勿論、自分のダンジョンで管理しながら、のんびりするのも構わない。」
「我が主様。ボク達が要らなくなった訳では無いんだね?」
「当たり前だろ。アリア達は俺の最も大事で大切な存在だ。」
「我が君。」
「旦那様。」
「ご主人様。」
「我が主様。」
「人族の人生はたかだか、100年程度だ。ゆっくり待っててくれ。」
「「「「はい。なのじゃ。」」」」
俺はアリア達の説得を終了すると、(実際に)待っていたかの様にザナビが入って来た。
「シオン様。御婚約おめでとうございます。」
「ありがとう。ザナビ。」
「まさか、シオン様。いえ、『マスター』が人族と婚約されるとは驚きました。それで、婚約は偽装ですか?」
「実際に婚約、結婚、次代を産んで貰う。」
「マスター、子を成せるのですか?」
「ザナビ、シオンだ。」
「失礼しました。シオン様。」
「問題無い。この事も想定内だ。事前に創造神に話を通し、『システム』に変更済みだ。但し、生まれるのは、母体が基本に成る。つまりは、俺との間に生まれる子は、人族なら人族が、エルフ族ならエルフ族が生まれる。」
「成る程。それなら、問題は有りません。」
「ザナビ。必要な手続きを済ましてくれ。」
「承知致しました。」
「後、俺達夫婦が統治する町の選定もして措くように。」
「畏まりました。」
「後、カルミアとの婚約は、計画の為の繋ぎでは無く、俺自身が選んだ事だ。その様に対応するように。」
「マスターの心のままに。」
俺は学園に通うまでの空き時間を利用して、先ずは屋敷の地下の空き部屋に俺のダンジョンの裏口を作った。
実は既に、この王都全域が俺のダンジョンの支配領域になっている。それを利用しての裏口というか勝手口を作った。
王城と屋敷のダンジョン1階層は、草原の湖畔の白い領主館風の屋敷にしている。
2階層は、関係者以外は瞬殺仕様。
3階層がマスタールーム。
色々な準備をした半年後に俺とカルミア王女の婚約発表がされた。
元々が管理者や支配者級の貴族は既に抑え済みなので、すんなり進んだ。
俺は学園に通う事になり、カルミア王女は晴れて俺の婚約者になった。
「シオン様。私、この日が待ち遠しかったですわ。」
「そうだな。俺もだ。」
「婚約発表の日までは、学園に通うのが憂鬱でしたが、もう平気です。
私にはシオン様が隣に居られますから。」
「カルミア。楽しい学園を送ろうな。」
「はい。シオン様。」
こうして、カルミアとの学園生活が、始まったがすんなりとは行かなかった。
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