第1話 『忘れ咲き』
長編作品『忘れ咲き』です。
現在執筆中の『だから僕らは旅にでた』の原作作品であります。『だから僕らは旅にでた』の約五年前という設定です。この作品は私がまだ若かった時に執筆した物で現作品『だから僕らは旅にでた』よりも表現がとても荒々しくなっており、読みにくい作品であることをご了承下さい。修正してから投稿する用にはしていますが私自体の表現法もまだまだ未熟な為、お読みになる方々にご迷惑をお掛けする場面が多々あると思いますが宜しくお願い致します。ごゆっくりご覧下さい。
気づけば懐かしい、そしてなぜか悲しい季節になったものだ。
今、僕は都心から離れた川原に座っている。毎年いろんな事が起こり、毎年幾つもの出会い、そして別れ、年をとるほど分かってくる事だ。しかし人間は覚えた事を忘れ、昔の想い出も色褪せていく。
でも一生忘れられないそんな出来事、絶対忘れないという自信があることはある。
しかし、人間はいつかは忘れてしまう。でも、その時はまた思い出させてくれるだろう……
その出来事は、三年前。いや、もっと昔から始まっていたのだろう。あれは本当の事だったのだろうか?
でも――確かに彼女はそこにいた。