この話の事実は
「え?じゃあその記憶との関係って?」
そう門矢くんに聞くと少し間を置いて
「……その錯乱した子についてなんだが、その子も錯乱する少し前からだんだんと昔の記憶を取り戻し始めてたらしい。
まあそれはいいとして、問題だったのがその子が錯乱する2日前に同じ部屋で暮らしてる子に言ったある事なんだ。
それが記憶を取り戻し始めた頃から毎晩おかしな夢を見るようになったってゆう事。
その事自体は……子供だから仕方がない面もあるけど、1番気になったのがその夢の内容なんだ。
その夢が、どこかわからない暗い部屋に自分がたった1人でいて、そこに大人(その子の話では男と女が1人ずつの計2人)がやって来てその子に暴力を振るうってゆう内容。
日を追うごとに夢の中での暴力は酷くなって、現実でもかなり衰弱していったって聞いた。
そしてその日、彼は最初こそ静かに眠っていたけれど、時間が経つにつれて苦しそうな呻き声を上げていた。
それで心配になった同室の子が起こそうとした直後に……」
「そ……その子が暴れたの?」
そう聞くと静かに首を縦に振った。
ここまで聞いていると、僕が知らず知らずのうちに手に汗をかいている事に気がついて、少し拭った。
「同室の子が起こそうとした直後に暴れたって言っただろ、実はその直前に暴れた子がある事を口走っていたんだ。
その口走った内容が
『殺してやる 殺してやる もうこんなのは嫌なんだ お前たちを殺せば俺は自由になれる』
正直、冗談でもゾッとするな。
その後結局錯乱して抑えられたんだけど。
……まだ話せてなかったな、その錯乱した子がその後どうなったか。
その子は錯乱した後、一度落ち着いてからこの施設に戻ってきたんだ。
ただ何故かは分からないけど1日しか居なかったし、その後その子がどうしていなくなったかを大人たちに聞いても、新しい家族が見つかったからの一点張りで要領を得なかったらしい」
「ねぇ、門矢くんちょっと聞きたいんだけど、その暴れた子は本当に誰かを殺したの?」
声が震えていたのは自分でも分かったけど、どうしても聞かざるを得なかった。
すると門矢くんは僕を見ると、
「その子が一度施設に戻って来た時に、同室の子はその子が心配で話しかけたらしいんだけど、その時に
『あの夢の中で俺、血溜まりの上に立ってたんだ。
しかも目の前に血塗れの大人が倒れてて。
怖かったのは、大人たちが死んでる事を嬉しがってた自分がいた事と、その時の感触が手に残って離れない事なんだ』
そう言われたらしい。
つまり、今回の錯乱した事と記憶を取り戻す事の関係を簡単に説明すると、
[大人たちを殺した記憶を取り戻した事でその時の自分が本能的に戻ってきて暴れた]
って事だな。
………分かったか?
まぁ、今は分からなくてもいい。
いずれ嫌でも分かるようになる」
少し遅れてしまいました
許してください
作者もカツカツなんです
あと会話がものすごく長くなってたりしますが、決して作者が楽をしたいからとかそういう訳ではありません
作者の力量不足なだけです