表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全てを忘れた子供達  作者: RARUHI
3/13

僕の新しい友達を作る為に

「さってと、それじゃあ弧門さんに頼まれちゃったし、君が泊まる部屋まで案内するよ。私の名前は  谷崎 琴音。君の名前は?」


そう聞かれると


「僕の名前は比嘉 翔太郎です」


と、すっと言う事が出来た。


「そっか、それじゃ行くよ比嘉くん」


そう言うと、谷崎さんはゆっくりと歩き始めた。

僕も慌ててついていくと、僕達がいた所の隣の大きな白い建物に入って行った。


「ここは?」


「ここは、みんなが泊まっている宿舎だよ」


「さっきの建物とは違う所にあるんですね」


「さっきの建物は、主に私みたいにここで働いている人達が寝泊りする所なんだよ」


「そうなんですか……一緒じゃないんですね?」


「うん。一緒にしたって大丈夫だと思うんだけどね」


なんで一緒にしないんだろうと思っていると、谷崎さんがとても小さな声で


「ひょっとしたら、怖いのかな?私はそうでもないんだけど。でも……」


と呟いたように見えた。

僕が、何が怖いの?と聞こうとした時に、


「あ、ここだよ。君がこれから泊まる部屋の307号室」


と言われ、つい聞きそびれてしまった。

部屋には大きな二段ベッドとクローゼット、そして机が設置されていた。


「わぁ、綺麗な部屋ですね」


「でしょ。ただこの部屋実は相部屋でね。一緒に住んでもらう事になるけど、大丈夫かな?今からなら変えられるけど?」


と、少し不安そうな表情で聞いてきた。


「大丈夫です。僕も1人だけだと寂しいですから」


そう答えると、安心した表情で


「よかったー」


と言って少し笑っていた。


「じゃあ夕食までまだ時間もあるし、少しゆっくりしててね」


「あ、ちょっと待ってください」


「どうかした?ひょっとして何が心配なこと?」


「い、いやそうじゃなくて、僕と一緒の部屋の人に一回会いたいんですけど」


「ああー、たしかに会っておいた方がいいかもね。 じゃあ今から行ってみようか?」


「はい。お願いします」


そう、一緒の部屋になると言われて少し心配になったのが、一体どんな人なのか。怖い人じゃないといいけど。

そんな事を考えていると、それを察してからか


「大丈夫。一緒になる子は少し変わってるけど、多分すぐに慣れるから」


そう言われて少しホッとした。


「それじゃ、一緒に行こうか。多分今あの子は裏庭にいると思うから」


そう言うと部屋から出て、ゆっくりと歩き始めた。

この頃には完全に、谷崎さんに何が怖いのかと聞くのを忘れていた。



これを忘れていなくて聞いていたら、少しは未来が違ったのかな……



来週中にひょっとしたら、3話分くらいの読み切り小説を投稿するかも知れません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ