別れと転生
真っ暗な世界
良太はあの夢を見ていた
半分明るく半分暗い世界
明るい世界には牡丹達花畑荘の面々がいた
暗い世界には光る玉が2つあった
( あの玉は・・・産まれてくる子供達か? )
( よく分かったわね。さすが私の孫ね。 )
( ばぁちゃん!百合さんの姿じゃないね。 )
( あの子達に頼まれてね。どちらかの魂と一緒になるの。 )
( 百合さんはどうなるんだ?ばぁちゃんが居なくなったら記憶とかは? )
( 全部覚えていられるよ。あんた達を頼むように言ったから安心しなさい。 )
( そっか・・・ばぁちゃんは成仏するってこと? )
( 平たく言えばね。転生して子供達のどちらかとして生まれ変わるんだよ。 )
( じゃあ明日には百合さんはばぁちゃんじゃなくなるの? )
( そうだよ。私は子供としてあんた達を見守ってるよ。 )
(( 安心して。元気に産まれるから。 ))
2つの光の玉が揺れながら良太に近ずいて言った
( ママと一緒に待ってるよ。君達を腕に抱く日をね。 )
(( またねパパ。さぁ目覚めて。 ))
良太が目を覚ますと、涙が流れていた。
牡丹が部屋に入って来るなり、
「 良太!凛さんが百合さんになった!って何で泣いてるの? 」
「 あ、あぁ。だろうな・・・ 」
良太は牡丹とリビングへ行って百合の姿を確認した。
「 どうも黒川良太さん。黒川牡丹さん 」
「 始めまして、白川百合さん。話は夢でばぁちゃんから聞いたから、大体はわかってるよ。 」
「 さすがは凛さんですわね。わたくしは花畑荘に住んで、あなた達を見守るつもりですが。よろしいでしょうか? 」
「 もちろん。俺は大歓迎だよ。 」
良太と百合が笑い合っていると、
「 黒川牡丹・・・うふふ。アタシの名前をちゃんと呼んでくれるなんて。 」
牡丹は赤い顔で言っていた。
「 牡丹さん。良太さん。凛さんから伝言です。 産まれる前にさっさと市役所に行きなさいですって。 」
「 そうだな。牡丹はどうしたい? 」
「 アタシは今すぐにでも行きたい!でも指輪とかどうするん? 」
「 安心して下さい。この家にありますよ。凛さんの結婚式で使った物があります。 」
そう言うと百合は、3階の奥の部屋へと行き畳を外しだした。
次話は明日です。
お楽しみください┏●




