決定と新たな花
「 さてと・・・いつ引っ越せばええ? 」
牡丹は嬉しそうに元気な声で聞いた。
対する良太は少し疲れた声で
「 いつでも大丈夫だよ。牡丹さんが決めて 」
「 なぁ、一緒に住むのにさん付け辞めへん?
アタシも・・・その・・・良太って呼ぶから! 」
牡丹は照れて声が大きくなっていた。
今の良太の思考回路では、恥ずかしがる事も
断ることも出来なかった。
「 いいよー。よろしくね牡丹。 」
良太は少し投げやりに名前を言った。
ボンッ! カァー///
牡丹は沸騰した。
好きな人から、名前を呼ばれるだけで、こんなにも嬉しいなんて思いもしなかったからだ。
ガサッ!
突然、2人の座るベンチの後ろで音が聞こえた。
ベンチの後ろは茂みがあって、その後ろは
川が流れている。
2人は驚いて、茂みを見ながら固まっていると、そっと後ろから
「 に、にゃー 」
と、あからさまに焦った人の声が聞こえた。
よくある誤魔化す時の、猫の鳴き声だ。
2人は顔を見合わせて少し笑うと、牡丹が
「 にゃー?盗み聞きするとは失礼やなぁ〜 」
声の主をからかうように言った。
すると、1人の女の子が茂みから出てきた。
読んで下さりありがとうございます。
今後の展開は頭の中にまだまだあります。
是非、次話も目を通して頂けると嬉しいです。