威厳なんて飾りです
翌日。
午後1時に、良太と牡丹は身支度を終わらせて、
良太の実家へと向かった。美咲を迎えに行く為だ。
「 良太の実家かぁ〜。今度ゆっくり見せてや? アタシの家は今日、じっくり見て。 」
良太と牡丹は手を繋いで歩いていた。
「 うん。じっくり見るだけの元気があればね・・・ 」
良太は緊張していた。いくら皐月に許して貰っているとはいえ、挨拶に行くとなると緊張する。牡丹もいつも通りな雰囲気だが、手汗が凄まじい。体調が悪いと思い聞いてみると、
「 だ、大丈夫だよ!き、緊張してるだけやし! 」
と、肩を叩かれながら言われた。
手汗が恥ずかしかったのか、牡丹はハンカチを取り出すと、手の間にかませて手を繋ぎ直した。
「 手汗なんて気にならないよ? 」
「 アタシが気にするの! 」
「 牡丹の汗なら舐めれるけど? 」
良太は当たり前のように言うと、牡丹は複雑な顔になって、
「 そうなんだ・・・あ、ありがとう? 」
2人が楽しそうに話していると、ほどなくして良太の実家へとたどり着いた。
ピンポーン♪
「 早かったのね。さ、行くわよー! 」
美咲は紙袋と大きなリュックを背負っていた。
「 その紙袋って?あとリュックも? 」
「 紙袋はさっちゃんと食べるお菓子。リュックの中身はしんちゃんの写真とか! 」
美咲はイタズラ顔で言うと、
「 牡丹ちゃん。体調は大丈夫? 」
「 はい!緊張はしてますけど・・・ 」
美咲は牡丹の手を取って、
「 ほんとに、この子と結婚を決めてくれてありがとね。 」
「 アタシこそ!良太くんを産んでくれてありがとうございます! 」
良太は顔から火が出るほど赤くなり、牡丹の手を握る手に、少し力を入れた。
3人で牡丹の実家へ着くと、皐月が外で出迎えてくれていた。
「 いらっしゃい!みーちゃん。良太くん。 」
「 こんにちはさっちゃん!これ。しんちゃんの写真とか持ってきたよー。 」
「 これで、あのバカも静かになるやろな! 」
美咲と皐月はニヤニヤと笑い合い、家に入っていった。
良太と牡丹は、見つめ合って頷くと、ゆっくりと玄関を開けた。
「 多分リビングで話すから、着いてきて。 」
牡丹の後に着いてリビングへ行くと、入口の向かい側に皐月と咳をしてむせながらタバコを吸う男性がいた。
「 あれ?オトン、タバコ吸ってたっけ? 」
「 なぁ〜?アホや言うたやろ〜?良太くんと牡丹にオトンらしい所見せたい言うて、無理して吸うとんやで〜。 」
良太と牡丹は座布団に座って息を吸った。
「「 結婚します! 」」
2人同時に叫んだ。
牡丹の父は驚いて、短く悲鳴を上げた。皐月の考えで、半ば無理やり叫べと言われていたからだ。
挨拶の部分はしっかりと書きます。
台風は大丈夫でしたか?
次話は明日です。
次話もお楽しみください┏●




