小さな若葉
夕方を過ぎた頃、美咲と皐月が花畑荘にやって来た。4人を食卓に座らせると、
「 金蘭ちゃんと向日葵ちゃんは分かってると思うけど、牡丹ちゃん。検診結果を教えて。 」
美咲が言うと、金蘭と向日葵はやっぱりと納得したような顔をして良太は不安そうな顔をしていた。
「 2ヶ月で健康です。今日の検診で母子手帳を貰ってきました。 」
牡丹が美咲に母子手帳を手渡した。
「 これからだね。牡丹ちゃんは何か変わったことはない? 」
「 そうですね・・・ビーフジャーキーが食べたいです! 」
牡丹が笑いながら応えると、
「 ウチもビーフジャーキー食べた!やっぱり母娘やな〜! 」
皐月が懐かしそうな顔を牡丹に向けながら言った。良太は牡丹の顔を見て、美咲と皐月に視線を向けて、涙を流した。
「 何泣いてんのよあんたは。お父さんになるのよ? 」
「 そうやで。赤ちゃんに笑われるで〜! 」
美咲と皐月が笑いながら言うと牡丹が、
「 パパは嬉しくて泣いてるんだよ〜。あなた達に命があるのが嬉しいのよね〜? 」
牡丹がお腹をさすりながら言って、良太の顔を覗き込んだ。
「 こんなに嬉しいなんて思いもしなかったよ。 俺がこの子達を守らないとな。・・・達? 」
良太は涙を拭いて牡丹を見た。
金蘭、向日葵、美咲、皐月も驚いた顔で牡丹を見た。
「 あ、あんた今、この子達って言うた? 」
「 牡丹ちゃん、もしかして? 」
「 はい!見え隠れしてるけど、双子だそうで。 アタシ2倍嬉しいです! 」
牡丹のお腹には双子の赤ちゃんが居た。
美咲と皐月は涙ぐみながら、
「「 孫が双子! 」」
同時に言った。
金蘭と向日葵も驚いた顔で、
「 双子なんだ!よかったね牡丹! 」
「 さすが元気な牡丹さんです!双子を授かるなんて! 」
その後は、みんなでこれからの生活の事を話し合った。そして一番の問題が残っていた。
「 良太くん。ウチのアホ亭主に会ってくれへんか? 」
皐月は真剣な顔で良太に言った。
「 もちろんです!改めて言わせて貰います。 皐月さん。俺に牡丹と子供達を幸せにさせて下さい! 」
「 もちろんそのつもりやで!形だけの挨拶や。 みーちゃんもおいで〜。あのアホに喝でも入れてや。 」
良太は頭を下げて、皐月は笑いかけた。
「 仕方ないわね〜。じゃあ、昔の写真でも持ってついて行くわよ。 」
前代未聞の結婚相手のお父さんに、母親同伴で挨拶する事が決まった。
次話は明日です。
子供が登場します(笑)
楽しみにしていて下さい。
次話もお楽しみください┏●




