意外な提案
牡丹は良太の答えを聞いても驚きはしなかった。
良太と牡丹は町内の掃除で出会った。
たまたま同じ班で年齢が近い事もあり、自然と話が盛り上がりSNSで繋がる事になった。
お互い、両親の愚痴や悩みを相談し合い気が付くと2ヶ月。
良太は牡丹に惹かれていた。
彼女の元気な性格。
趣味も合い、なんでも打ち明け合える存在。
交際が始まればお金を稼ぐ事も考えていた。
だが振られた。
惹かれていたのは自分だけだと、諦めた。
なのに、突然の訪問からの告白。
良太は冷静な牡丹に疑問を抱きながら、その場を去ろうと立ち上がった。
「 待ってや。まだ、話は終わってへんよ。 」
牡丹は良太の腕を掴み、強引にベンチへ座らせた。
「 ちょっ、牡丹さん? 」
良太は驚きつつも座り、牡丹の言葉を待った。
牡丹はイタズラ前の子供のように、目を輝かせて考えていた秘策をうちだした。
「 黒川くんのお家、おばぁさんから貰ったんだ
よね?おばぁさんが持っていた頃は部屋を貸
して色んな人で住んでたんやって!
今で言う所のシェアハウスやんなぁ? 」
牡丹は自分の両親や祖父母に聞いて回って、良太の3階建ての家を調べていた。
「 せやからな。アタシ黒川くんのお家に住みた
いんねん。アタシとシェアハウスせぇへん?」
「 は?牡丹さん、本気なの?
俺、男だよ? シェアハウスって言っても
今のところ2人だよ? 」
牡丹の突然の同棲発言で、良太は驚き、冷や汗が吹き出した。
何より、自分の事が好きな女の子と2人で一緒に住むなんて両親が知ったら、なんて言うか。
「 アタシは本気だよ!黒川くんと一緒に住んで
家賃も払うし、料理もするし! 」
牡丹は本気だ。良太はその勢いに押されそうに
なりながら、1つ条件を出した。
「 一緒に住んでも、牡丹さんを好きにならない
し、俺は友達として生活するよ? 」
そう。牡丹は恋人になれるかもしれないと思って、シェアハウスと言ってると良太は思い、これでキッパリ諦めると算段していた。
だが、牡丹はすました顔で
「 ええよ。アタシは黒川くんと住みたいだけ。
黒川くんはお友達と住むだけ。
料理も出来て、家賃もくれる。ええ友達と住めるやんか! 」
( ダメだこの人。本当に住む気だ。 )
良太は諦めた・・・




