決意と終わり
良太と牡丹の出会いは
次話で書きます。
程なく歩くと、ブランコとベンチだけの公園とは言い難い、空き地に着いた。
( 流れでついて来たけど何をするんだろ? )
「 あそこのベンチに座らへん? 」
良太の考えを一蹴するかのように、牡丹は早足でベンチに向かった。
「 ふぅ・・・ちょっと暑いなぁ 」
牡丹はベンチに座り汗が滲んだ額を拭った。
良太は牡丹の隣に座り、ジッと黙って考えた。
( なんの用事なんだ? 散歩か?
いやいや散歩なんて、1人で行けるだろう )
「 なぁ。アタシの事、どう思ってる? 」
唐突に牡丹が真剣な声音で言った。
ハッキリと良太の目を見て、まるで獲物を狙う
肉食動物のようにジッと。
良太は少し緊張しながら、正直に話した。
「 俺は君に振られた。君の事は諦めた。
でも友達になりたいと思ってる。 」
「 友達か。なぁ黒川くん・・・ 」
牡丹は目尻にほんの少し、涙を見せながら続けた。
「 アタシな・・・黒川くんを振ったやん。
でもな・・・あれから黒川くんの事が頭から
離れへんのんや。」
( ・・・え? どうゆう意味なんだ? )
「 どうゆう意味なの? 」
良太は混乱して、思った事を口に出した。
確かに良太は振られた。なのに頭から離れない
と言われ、良太の思考回路はパンクしかけていた。
「 初めは振った男やから、変に意識してるんや
なぁって思ったんやけど、何をしてても黒川
くんの事考えてて。頭が白くなって胸がドキ
ドキして、訳分からんくなって。
黒川くんが好きって気がついたんや。」
「 そうなんだ・・・ありがとう牡丹さん。 」
牡丹は顔を真っ赤にしながら、良太に告白した。
一方、良太は冷静に告白を受け取った。
話を聞いて頭は落ち着きを取り戻し、そして答えが1つ浮かんだ。
「 牡丹さん、ごめんなさい。すごく嬉しい事
だけど、俺はあなたと友達で居たいです」