夕食は高級過ぎる?
「 させと・・・晩御飯はどうするの? 」
牡丹はお腹を擦りながら2人に聞いた。
「 そうだなーこの雨じゃ外はダメだな。 」
「 それじゃあ出前でも頼みましょう? 」
金蘭はスマホを操作しながら答えた。
「 アタシお寿司がええー! 」
牡丹は元気よく答えながらヨダレを流している。良太は財布の中を、こっそり確認しながら
青い顔をしていた。
「 安心して良太。私が払うわ。 」
「 す、寿司くらいなら・・・払えるぞ。 」
「 大丈夫よ。この子財布凄いから・・・ 」
牡丹は何故か得意気になりながら、良太の膝の上に座りながら言った。
「 でもな〜牡丹の時は俺が出したし・・・ 」
「 良太は気にしすぎなんやって〜!金蘭は実家暮らしでバイトしてるけど、お小遣いがハンパないの! 」
牡丹がそのまで言うならと、良太は口を閉じた。牡丹は頭を預けてきてグリグリ胸に押し付けている。
「 牡丹?そんなに押し付けられると、痛いんだけど・・・ 」
「 ふーん・・・察してや〜頭が近くにあるとする事あるやんか〜。 」
牡丹はしつこく押し付けている。
良太は少し考えた後で両手を牡丹の頭に乗せて
撫で始めた。すると牡丹は猫のような声を出しながら満足そうに目を閉じて、甘え始めた。
「 ふにゃ〜♡りょうたは撫でるの上手いね〜 心地ええよ〜。 」
「 イチャイチャしてないで少し黙っててよー 今から電話するんだから〜。 」
牡丹は頬を膨らませながら静かになった。
「 まったく・・・あっ。もしもし〜お寿司頼みたいんだけど、用意してたの!さすが〜。うんお願いね〜 」
( お店と電話してる雰囲気じゃなかったな。 誰と電話してたんだ? )
良太の疑問を察したように金蘭はニコッとしながら、
「 パパに電話したら用意してたって。余計な手間が省けて良かったわ! 」
「 お父さんに?どうして出前取るのにお父さんなんだ? 」
「 知らんかったん?金蘭のお家ってあの、青山 寿司だよ! 」
青山寿司。3人が住む町の高級老舗寿司店だ。
良太の祖母が子供の頃からあり、全国20店舗しか無い「 高級過ぎる寿司屋 」とニュースで紹介されるほどだ。高いだけじゃなく素材にこだわり、味も最高級。会社のボーナスを全額使っても食べたい寿司No.1の店だ。
「 金蘭って俗に言うお嬢様。なのか? 」
「 あら。お嬢様じゃなくて、ただの姫よ? 」
舌を出しながら金蘭はおどけた様に言ったが良太は苦笑いしか返せなかった。




