雨露に映る汗
少し詰めて書いてしまいました。
大雨が降る中、青い髪を少し濡らし後ろにトラックを待機させ、青山金蘭は玄関に立っていた。この大雨で引越しを実行するのは金蘭くらいだ。
良太は玄関を、開け金蘭の姿を確認した。
コソッと後ろから牡丹が覗いて、顔をしかめながら、
「 おはよう金蘭。やっぱり来たんやね。 」
「 おはよう牡丹!家族になりに来たよ。 」
いつもとは対照的に2人のテンションが違っていた、良太は牡丹の反応に苦笑しながら、
「 いらっしゃい金蘭。2人でさっさと引越しを終わらせよう! 」
牡丹の手を引きながら、金蘭の荷物を運ぼうとして、トラックの存在に気がついた。
「 そのトラックの中身って何が入ってるんだ? うちには、そこまでの荷物は入らないぞ? 」
「 私が考えもなくトラックを使ったと思ってるでしょ?この中身は机とかみんなで使う物よ。 良太の事だから、食卓とか置いてないと思ってね。」
当たっていた。実は今日のお昼に牡丹と2人で
食卓や食器類の共用家具を買いに行く予定だったのだ。そんな所に金蘭が持ってきた食卓等。
まさに、カモがネギをしょってきたッ!!!だ。
「 今、失礼な事を言われた気がするわ。」
ジロリと金蘭は空を睨みながら言ったが、誰も反応しない。良太は不思議そうにしながら、
「 とりあえず、牡丹は金蘭の私物の運び込みをお願い出来るか?俺はトラックの中身を手伝うよ。 」
「 良太に言われなくてもアタシはか弱いもん 大きなものは持てへんよ?」
牡丹は可愛いそう言うと、金蘭と共に家へ入って行った。
「 って良太!金蘭の部屋どこにすんねん? 」
「 牡丹の隣の部屋だよ。掃除も終わってるよ。 金蘭もそれでいいか? 」
「 私は一緒に住めればどこでもいいわよ。 」
牡丹は頷き金蘭を連れて、部屋の案内と運び込みに行った。良太はトラックの運転手と助手席に座っていたおじさん方と挨拶を交わし、手伝いを始めた。
後で聞いた事だか、このおじさん方金蘭の親戚の方だった。
良太は驚いたが、おじさん方に「 君なら金蘭ちゃんと住むことを許そう!根性はあるが、度胸がなさそうだからな!ガハハッッ! 」
と、からかわれながらも引越しは午後3時に完了した。




