一難去ってまた一難
家に帰ると牡丹は少しむくれていた。
マッコの支払いを良太がしたからだ。
食べ終わった後に10分ほど、どちらが支払うか揉めて、結局良太が支払ったからだ。
「 いい加減、機嫌直してくれよー 」
リビングでくつろいでいる牡丹にお茶を出しながら良太は言った。
牡丹は「 むぅー 」と言うだけ。
「 じゃあさ、次にどこかで食べる時は牡丹が出してくれよ。それでいいだろ? 」
良太はよっぽど財布がからの時以外は、デート代は全額出す性分だった。
小さい時から、お年玉等のお金を貯金して、それを自分の買い物に使っていて実家からの仕送りは断っていた。
「 つぎが、あるん・・・? 」
牡丹は良太を見つめながら、小さく聞いた。
「 デート・・・またしてくれるん? 」
良太は大きく頷いて答えると、牡丹の顔が明るくなり出されたお茶を一気に飲んだ。
「 絶対やからね!デートちゃんとしてや! 」
そう早口で言うと、「 お風呂入ってくるね! アタシが先でもええよね! 」と自分の部屋に行き着替えを取りに行くのだった。
( 次もって、同棲みたいなもんなのにデートしたいんだ・・・ )
良太は女心が分からず、デートの重要性を理解していなかった。
程なくして牡丹はお風呂に入り、40分が経つ。
良太は少し心配になり風呂場の外から牡丹に声をかけた。
「 おーい牡丹?大丈夫かぁー? 」
返事がない。
良太は最高でも20分程しかお風呂に入らない。
( まさか・・・溺れていて・・・っ )
良太は風呂場の扉を勢いよく開けた。
返事がない牡丹を心配して行動に出たがまさか
あんな事が待ち受けるなんて、モテない良太は
思いもしなかった。
次話は夜中に投稿します。




