闇妹の巻
あの後、これを教えろだのあれを教えろだの、肩を揉めだのおんぶしろだのと散々早乙女さんにこき使われた。
早乙女さんは本気で俺にお世話係をさせるつもりらしい。
今後の俺の受験生活が心配だ…
なんやかんやとやらされて、また帰りが遅くなってしまった。
「ただいまー」
「ごめんエリ、また遅くなっ…ァ」
玄関にエリが鎮座していた…
あまりの迫力にゴゴゴゴゴという効果音が聞こえる
「兄さん?またあの女ですか?」
こんなに怖い笑顔がこの世に存在するのか…
「ち、違う!昨日の人とは話してないよ!ほんとに!」
「今日は別の人と…」
「別の人?詳しく聞かせて貰えますね?兄さん」
一段とエリから発せられるオーラが禍々しくなった。
「いや!男だよ男!今日は男の友達に付き合わされててサァー、アハハハハ…」
チラッ
エリのオーラが少し弱くなったようだ フゥ
「じゃあその人の写真、見せて貰えます?」
「え?」
「男 なんですよね?」
「ウ、ウン男だヨ」
男だけど…あれはおとこの娘というやつだ
写真はまずい!
「いやー、流石に今日友達?になったばかりだしさ、写真はないよー」
ピロンッ
ん?LINEだ
誰からだろう
(明日の朝8時に駅前で待ち合わせねっ♡by春)
いつのまに友達登録してやがったんだあのヤロォォォォォ!!
「どうしたんですか?兄さん
そんなに動揺して」
「誰からですか?見せてください」
「い、いやなんでもないよ!ほんとに!」
「なんでもないならいいじゃないですか、ねぇ?」
ゆっくりとエリが近づいてくる
逃げ場はない
「さっき言ってた人からでしょう?男なら問題ないじゃないですか」
「いや、男なんだけど、男じゃ…」
スパンッ!
エ?
気づいときにはもう俺のスマホはエリの手中にあった
速すぎる…もはや忍者だ…
「なんですか?待ち合わせって、ハートって、やっぱり女だったんですね…」
「いや、ほんとに男なんだよ!そいつはそういうやつで…」
「じゃあこのトプ画は何ですか?」
そこには今日無理やり撮らさせた早乙女春とのツーショットがあった
「明らかにオ ン ナですよね?しかもツーショットまで…」
「…私もまだ兄さんと撮ったことないのに…」
「え?」
「と、とにかく!兄さんにはお仕置きが必要みたいですね」
「二度とほかの女と話せないようにしないと…」
「いや!ちょっと待てエリ!そいつは確かに可愛いけどほんとに男なんだ!見たんだ!」
「見た?何を言っているのか分かりませんが、諦めて私の罰を受けてくだいね」
エリのオーラはもう人のものでは無かった…
「ちょっ、まっ、」
ガシッ!!
「あフゥ!」
勢いよくエリが俺の金⚫を掴んだ
ギシギシギシギシギシ
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛イイイイイイイイイイイイイイツブレルゥゥゥゥゥウウウウウウウウ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ふふふ、どうですか?兄さん
これも兄さんのためですから、ハァハァ、我慢してくださいね、ハァハァ」
俺が痛みで悶えるなかエリが顔を赤らめながら耳元で囁く
まずい、痛みで意識が飛びそうだ
というかこのままだとなにかに目覚めてしまいそうだ
何とかしなければ…!
俺は僅かに出せる力を振り絞ってエリを突き飛ばしたが…
ニョーン
「ヌオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!ノビルゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウ!!!!!!!!!!!!」
エリが金⚫から手を離すことは無かった…
そして俺は三途の川を見た…