雪野さんの巻
昨日あんなことがあり、夜はエリのことを考えてしまいなかなか寝付けなかった。
妹は俺のことが好きなのか?!
そんなバカな…
昨日の1件でハッキリしたが、エリの態度は明らかにおかしい。
家族で住んでいたときは俺に対してはそこまで干渉してこなかった。せいぜい挨拶を交わすくらいだ。
それがここに来てからは、、妙に距離が近いというか、なんというか…とにかくおかしい。
まぁ、超シスコンの兄としては嬉しくなくもないのだが…
とにかく今は様子を見ることにした。
突然だが、俺は予備校でボッチだ。いや、敢えてそうしているのだ。
そう、俺は友達がいないんじゃない。作んねぇだけだ!!!
これも医学部に行くためなのだ!
友達がいたら勉強の妨げになるかもしれない!
…と、思うことにしている…
ぼっち飯も最初は悪くないなと思っていたのだが、正直言うと最近は少しきつい…
今日もそのきつい時間がきてしまったのだが、重大なことに気づいた。
弁当を忘れた…
なんということだ!美人の妹が作ってくれた弁当を忘れるなんてっ!
ああ、昨日寝付けなかったせいで今朝は頭がボーっとしてたっけ。くそっ
エリ、ゴメンな…ぐすっ
俺が心の中で謝っているとケータイが鳴った。
妹からだ。
「もしもし」
「あ、兄さん。今日お弁当忘れたでしょう。」
「ホントごめん!後でなんでも言うこと聞くから許して」
「クスっ。いいんですよ、兄さん。今1階のフロアにいるので来て貰えますか?お弁当持ってきましたから。」
「ええ?わざわざ届けに来てくれたのか?すぐ行くよ!」
1回に行くと妹のことはすぐに分かった。あんな美人は目立つに決まってる。ロシアと日本のハーフでスタイル抜群、白銀色の髪の毛、可愛さと美しさを合わせ持つ最強の妹だ。
周りの生徒も
「うわぁーあの子すごい綺麗」とか
「やっべぇ、惚れた」とか呟いている。
「エリ、お待たせっ。ほんとゴメンな!ありがとう!」
周りの視線を感じる。ボッチで地味男な俺が唯一誇らしい気分になれる瞬間であった。
「いえ、兄さんの予備校と私の通ってる学校そんなに遠くないですし、今昼休みなのでこっそり抜け出して来ちゃいました。」
「エリ、俺のためにそこまでしてくれなくてもいいんだぞ?もし、先生にバレたら…」
「ダメです!兄さんがお昼抜きでお腹を空かしてるなんて耐えられません!」
「え?いや、でもコンビニとかあるしさ…」
「私が作ったお弁当を兄さんに食べてもらいたいんです!」
「そ、そうか…ありがとうエリ。エリがそこまで俺のこと思ってくれてるなんて、兄さん嬉しいよ。」
「当たり前です」
女神のような笑顔で妹は言った。
妹が帰った後、1人の女子が話しかけて来た。
「あ、あのー。さっきの方って氷室君の彼女さんですか?」
い、いきなりだな…しかもどストレートに平然と聞いてきやがった。ちなみに氷室とは俺の名字だ、今更だが。
「おれの妹ですよ」
「ええ?!妹さんだったんですか?!で、でも全然似てませんよね?」
「はい、血はつながってないので…」
「へぇーそうなんですかー」
へェーソーナンデスカー、って少しは気にしろよ!なんだか気の抜けた子だなぁ
「えと、私、雪野 麻冬って言います。良かったらお友達になってくれませんか?」
「え?俺と友達に?い、いいですけど…」
いきなりだったのでびっくりした。というか女子の友達なんて初めてだぞ。今まで妹以外の女子とまともに話したことがない俺に女友達ができるなんて…
その後、色々話して見ると、どうやら雪野さんも友達がおらず寂しかったらしい。
彼女の志望校は某旧帝国大学だそうだ。
俺と同じ考えで、なかなか厳しい志望校なので、勉強に集中するため敢 え て友達を作らなかったらしい。そう、敢えて。
そこで、
「なんだか同類みたいな人がいるなー」
ということで俺に話しかけて来たらしい。
どうやら雪野さんはおっとりしているが思ったことはハッキリ言う人みたいだ…




