始まり
ピンポーン
玄関のチャイムで俺は起こされた。
ドアを開けるとそこには絶世の美少女がいた。
「久しぶりだね、兄さん。」
俺は地方から上京して東京のアパートで浪人生活(2年目)を送っているどこにでも居る普通の浪人生だ。いや、どこにでも居るというのは無理があるか…
そんな俺のもとに今年から東京の名門高校に進学することになった妹がやってきた。元々1人暮らしには少し大きい部屋に住んでいたので、妹と同棲することになった。
ちなみに妹と俺は血が繋がってない。とはいえ、もう妹とは10年以上の付き合いになるから、血の繋がりは関係ないくらいに普通の兄妹だ。
…と思いたいのだが、妹が可愛過ぎる。
ロシアと日本のハーフでスタイル抜群、髪の色は白銀色でショートカット。そして、勉学も運動も家事もできて、おしとやかで清純なまさにスーパーウルトラハイスペック人間なのだ。
もうお気づきかも知れないが、そう、俺はシスコンだ。シスコンの中のシスコンだ。
だが、これを妹に気づかれてはいけない。嫌われてしまう。それだけはダメだ。ただでさえ、浪人(n=2)のダメダメ兄貴とウルトラハイスペック聖人の妹という関係だ。内心妹が俺のことをどう思っているかは分からない。
とにかく兄として、できるだけのことはしよう。
そして来年こそは念願の医学部に合格するんだ!
そうすれば兄としての立ち位置も回復できるはずだ!
そんなこんなで俺と妹の同棲生活が始まった。